ライフコラム

生きものがたり

あなたの街 ツバメが子育てしていますか

2013/5/18

ほかの野鳥ほど人を警戒しないが、観察や撮影では、親鳥を警戒させないようにしたい=写真 佐藤信敏

 神話や昔話、文学、絵画や音楽に至るまで、およそ鳥が登場しない文化はないほど、古今東西、鳥は好かれ、親しまれてきた。その理由は何だろう。

 鳥類は私たちヒトを含む哺乳類と同じく、恐竜が滅んでから栄えた生物だ。恒温性で学習能力があり、子育てをすることも共通している。哺乳類は多くが夜行性で嗅覚中心、子育ては雌だけだが、私たちヒトは鳥のように昼行性で視覚中心、雄も子育てする。

■ツバメの雌雄、見分けポイントはさえずり

 好かれている鳥の中で、日本でのナンバーワンはツバメではないだろうか。

 ツバメの雌雄を比べると、燕尾(えんび)の両端の細長い方が雄とされる。だが、中にはもてない雄(尾の細長さが雌的)や男勝りの雌(尾の細長さが雄的)もいるようなので、さえずっているのが雄と考えた方が簡単だ。

 雌雄とも季節を問わずチュピッ、チュピッと単純に鳴くが、さえずりは繁殖期に雄が雌を呼ぶとか、なわばりを宣言するという意味があり、長く複雑に続ける小鳥が多い。ツバメのさえずりは「土食って虫食って口しぶーい」という聞きなしがあるように、最後がビリリリと濁るという特徴がある。

 近年は野鳥の写真を撮る人が増え、特に子育て中の撮影の影響が懸念されるようになった。カメラマンの接近や待機によって、親鳥が警戒し、巣の放棄やひなの餓死に至ることもある。ツバメへの影響はどうなのだろうか。

ツバメは飛びながら虫を補り、水を飲む。巣立ったひなへの給餌も飛びながら行う =写真 佐藤信敏

■子育ての様子を見せてくれる珍しい鳥

 ツバメは好んで人家に巣を作る。スズメやムクドリなど、人家に営巣する鳥はほかにもいるが、巣は隙間の中で見ることはできない。ツバメは人家の、しかも人が見える場所に巣を作り、子育ての様子まで見せてくれる。だからツバメの場合は心配ないという人もいる。

 私が調べた例では、他の野鳥のようには警戒せず、ひなに虫を与えるために巣に戻る際、雌は真下にいる私をあまり気にしないようだった。これに対し、雄では給餌をためらう様子が見られ、私が距離を置くと巣に戻った。我が子に夢中になっている雌より、なわばり防衛役の雄の方が神経質なのかもしれない。

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