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人生を変えるマネーハック

初任給、喜ぶ前にためる王道考えよ メーンバンクをマネーハックする(4)

2016/4/25

 本日は25日です。多くの企業では給与振込日となっています。新社会人は「初任給」をもらう日です。

 今月のテーマ「メーンバンクをマネーハックする」では前回、メーンバンクやサブバンクを使ってお金をためる方法を紹介しましたが、今回は、給与振込日にできることを最後に考えてみます。

■初任給、振り込みに喜ぶ前にしておくべきことがある

 4月25日、この日を待ちわびていた人はたくさんいると思います。この春に新入社員となった人たちは、今日がまさに初めての給与振込日、「初任給」をもらう日、ということになります。

 まずは、1カ月がんばって仕事をしてきた自分をご苦労様と褒めてあげましょう。今月はまだあと1週間残っていますが、この調子でこれから数十年にわたって会社員として働き続けていく人が多いと思います。

 苦しい仕事も、給与振込口座に「キュウヨ」などの表記でお金が振り込まれることで報われた気分になります。

 しかし、お金をためることを考えるとき、実は給与が入金された段階で勝負はほとんど決まっている、といっても過言ではありません。振り込みに喜ぶ前にしておくべきことがあります。

 お金をためる方法がメーンバンクやサブバンクを使って「振り込んでもらった給料の一部分を別の口座に貯金として回す」ことだけだと思っているなら、会社内の制度をまだ使いこなしていない証拠です。というのも、会社員には「給与として振り込んでもらう時点で貯金を引いてもらう」仕組みがあるからです。

■給与天引きはお金をためる王道

 ためるお金を引いてもらうことを「給与天引き(給与引き去り、賃金控除ともいう)」といいます。

 仕組みそのものは単純で、会社と本人が合意のうえ、あらかじめ指定した金額について給与振り込み前に会社が引く、というものです。

 たとえば、社内の互助会会費や労働組合の組合費、社宅の家賃などは、給与振込後に改めて徴収するのではなく、最初から引いた状態で給与が支払われる、というわけです。給与天引きは諸経費だけではなく、貯蓄や資産形成にも使うことができます。

 そうすることで、「手取り給与額」-「生活費」=「貯蓄額」とする発想を切り替え、「本来の給与額」-「天引き額(貯蓄額)」=「手取り給与額」とすることができます。

 見かけ上の手取り給与は下がりますが、振り込まれた金額でやりくりするだけで、すでに貯金ができている、ということになるわけです。

 これはあなたがお金をためる方法の「王道」のひとつなのです。

■使える社内制度を最優先に考える

 天引きで会社がお金を引いてくれる制度は以下のようなものがあります。

1)財形貯蓄制度……指定された金融機関に自ら指定した金額を積み立てるしくみ。基本的に定期預金の積み立てで行われる。

2)従業員持ち株会……自社の株式を毎月の定額積み立てで購入する。自分の負担額に会社から奨励金が加算される場合もある。

3)個人型確定拠出年金(DC、天引きを希望した場合)……好きな金融機関を選び、会社経由で預貯金や投資信託を選んで購入する。税制優遇は強力だが、原則60歳まで解約できない老後資産形成の仕組み。

4)企業型確定拠出年金(DC)のマッチング拠出……会社の退職金・企業年金制度として導入されている確定拠出年金に自らのお金を追加入金する仕組み。

5)団体扱いの生命保険や損害保険……大企業などではグループで有利な条件で生損保に加入できる。

 いずれも必ず選択できるわけではなく、制度があるかどうかは会社によって異なります。また利用可能額などもそれぞれ異なります。制度の有無や内容については新入社員向けの説明会や福利厚生について解説された小冊子・社内ネットなどに記載があるはずです。確認してみてください。

 また利用できる会社であっても、利用開始の申込期限を設けている場合があります。募集期間中に忘れずに手続きしておくことが大切です。

 給与天引きは、「最初の手続き」という一手間さえ行えば、あとは給与振り込みの時点で「貯金はすでに完了」ということになるわけですから確実に積み立てが可能です。

 これこそ、ちょっとした手続きひとつであなたの人生を「たまる人生」に変えるマネーハックといえます。ぜひ利用してみてください。

 今月はメーンバンクをマネーハックしてみました。なんとなくメーンバンクとつきあうのではなく、意識的にその使い方を変えることで、お金がたまるようになるはずです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはITスキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ) 1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。所属は日本年金学会、東京スリバチ学会。近著に『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』(明日香出版社)『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)などがある。趣味はマンガ読みとまちあるき(看板建築マニアでもある)。Twitterアカウントは@yam_syun。ホームページはhttp://financialwisdom.jp

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