マネー研究所

人生を変えるマネーハック

銀行口座にお金がたまる2つの秘訣 メーンバンクをマネーハックする(3)

2016/4/18

 今月は「メーンバンク」の活用方法についてマネーハックしています。

 同じように給料をもらって同じように使っているはずが、ためられる人とまったくためられない人がいます。

 その違いは、メーンバンクをうまく使いこなせるかどうか。ちょっとした手続きひとつです。つまり、マネーハックの差なのです。

■メーンバンクの残高は何もしなければ増えない

 私たちが将来に向けてこれからお金をしっかりためていこうと考えたとき、「今はまだお金がたまっていないけれど、10年後や20年後にはメーンバンクの残高が何百万円かになるだろう」と漠然と考えているならこれは大誤りです。

 というのも、「財産がある」のと「メーンバンクの普通預金の残高がある」のはイコールではないからです。

 日常のお金が出入りし、特に生活費もそこから下ろすメーンバンクの残高が時間を追うごとにみるみる増えていくというのは、あなたの消費欲がゼロであるか、あなたの生活費をそこから払っていないかのどちらかでしょう。要するに非現実的です。

 普通に生活をするなら、メーンバンクに何か、マネーハックの仕掛けが必要です。

 当然ながらメーンバンクを介してお金の出入りをコントロールしていくのですが、問題はそのコントロール方法です。

 強い意志をもってお金をためる、というのはうまくいかない場合があるので、しかけを何か講じなければいけません。

■メーンバンクのお金の管理に2つのアプローチ

 大きく分けてアプローチは2つです。「別の銀行の口座にお金を移す」方法と「メーンバンク内の別の場所にお金を移す」方法です。

 まずメーンバンクの役割をサブバンクに一部委譲させる方法を説明します。

 メーンバンクは、一番使う銀行口座であり、何度もATMに通っては日々の生活費を下ろすものだと思い込んでいる人が多いと思います。

 しかし、ここで紹介するマネーハックは給料が入金されクレジットカードや家賃、公共料金の引き落としが終わった後、「1カ月の生活費(1日X円の予算を検討し1カ月分を決める)」を一度だけまとめてメーンバンクからおろすというものです。

 この場合、何万円も現金を財布に入れて1カ月過ごすのは無謀ですから、その金額をまとめてサブバンクへ入金します。

 サブバンクはコンビニATMの利用料金が無制限で無料のネットバンクなどにします。例えば、セブン銀行、新生銀行、ソニー銀行、住信SBIネット銀行などがこれにあたります。

 先月に「無駄づかい防ぐ、『財布に現金は1万円以下』」でも紹介したように財布に現金を多く持たないこともお金をためるコツです。サブバンクを使うことでさらに家計の効率化になる、というわけです。無駄づかいがなくなればメーンバンクの残高も徐々に増えていくでしょう。

 もうひとつの方法は、サブバンクは用いず、メーンバンクの総合口座通帳の中でお金の「居場所」を移し替えるというやり方です。

 一般的な銀行預金(総合口座)通帳は、普通預金のページと定期預金のページがありますが、同じ銀行口座の番号で、定期預金も利用することができる仕組みになっています。

■2つのアプローチで貯蓄できるようになる

 この仕組みを活かして、「(給与振込額)-X」=「(クレジットカードや家賃、公共料金の引き落とし額)+(1カ月の生活費)」となるような金額を設定し、Xについては定期預金に入金してしまうのです。

 Xは要するに貯蓄目標額ということになります。

 そうすると、普通預金の残高を見ている限りは、「お金は日常生活費分しかない」ように見えます。給料日前には毎月残高がゼロになります。実はお金は定期預金口座にたまっていきますから錯覚なのですがそれが大事です。

 ふたつの方法のどちらを使うかは自分の好みで決めてかまいません。なお、最初に紹介したサブバンクを活用する方法で、発想を逆転して「貯金目標額をサブバンクに移す」というのも賢いやり方です。サブバンクを使う場合、お金を移す作業が必要になります。手間暇を考えると1口座で完結し、さらに引き落としは自動にするほうが確実でしょう。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはITスキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔(やまさき・しゅんすけ) 1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。所属は日本年金学会、東京スリバチ学会。近著に『お金が「貯まる人」と「なくなる人」の習慣』(明日香出版社)『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)などがある。趣味はマンガ読みとまちあるき(看板建築マニアでもある)。Twitterアカウントは@yam_syun。ホームページはhttp://financialwisdom.jp

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