検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

BMW、新FF戦略の本当の壁

自動車ジャーナリスト 小沢コージ

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

イマドキの"ちょっといいクルマ"ってどういうものなのだろう。気鋭の自動車ジャーナリスト、小沢コージがちょっといいクルマの真実を追い続ける連載。今回はBMWが展開する新FF戦略について、直撃した。

あっさり予想以上に売れてしまった……

「当初はBMWをよくご存じの方ほど否定的だったのですが、いざ発売したら意外なほど順調に売れまして(笑)」(BMW青山スクエア 浅利智基氏)

BMWは一昨年からブランド始まって以来ともいえる、大胆チャレンジを行っている。少なくとも60年以上、リア駆動のスポーツセダンやその派生車種、高級車だけを作ってきていたのが、初めてフォルクスワーゲン「ゴルフ」のように、手軽なFF(前部エンジン・前輪駆動)実用コンパクトを手がけたのだ。

それも5人乗りハッチバックの「2シリーズ アクティブ ツアラー」だけでなく、2015年はさらなる進化版ともいえる7人乗り3列シートミニバンの「2シリーズ グラン ツアラー」まで追加。

「これは迎合なのか? 進化なのか?」

それが長年のBMWファンが感じた率直な疑問だろう。

両車共に、これまでのBMW車とは全く異なる、ノーズの短いアットホームなスタイルを持ち、価格も300万円台スタート。買いやすくはなったが、ある意味、BMWらしくない普通過ぎる商品でもあった。いわば欧州一流ハイブランドが作った、手軽な布製トートバッグのようなものかもしれない。

ところが予想を上回り、両車合わせて日本だけでも去年7000台以上もセールス。今年は年始から2台が出そろうだけに、年間1万台突破まで見込まれている。これはヘタな輸入車ブランド1社分に匹敵する販売台数だ。

"ツアラー兄弟"の出来が予想を上回るものだったこともある。だが、実は大きいのは、販売する側のマインドチェンジだった。

本当の敵は自分の心の中にいた

「ふと、セールスコンサルタントである私たち自身が"FFだから"と思ってはいけないことに気づきました。BMWが作ったFFですと、素直にお伝えすればいいんです。私たち自身がFFであることをデメリットと思ってはいけないんですね」(BMW青山スクエア支店長 加山訓久氏)

気持ちはよく分かる。クルマメディアに20年以上関わる小沢も全く同じだったからだ。昔からBMWといえば、FR(フロントエンジン・リアドライブ)のスポーツセダンの代表格で、モットーは「駆け抜ける喜び」。普通のFF実用ハッチバックなど永遠に作らないだろうと思っていた。いや、信じていた。

しかし、買う側は恐ろしく柔軟だった。ツアラー兄弟が出てからBMWディーラーには全く違った客が押し寄せ、違う需要を生み出された。

「最初にアクティブツアラーを買われたのは女性のお客様で、3シリーズセダンからの買い替えでしたが、運転しやすさを一番気にされてました。FF、FRといった違いはその方には全く関係なかったのです。私たちは運転席のヒップポイント(着座位置)が高くなったことを気にしていましたが、そのお客様は"逆に運転しやすい"と(笑)」(浅利氏)

また2シリーズ アクティブ ツアラーのCMにMr.Childrenの曲「fantasy」が使われたことについても、

「昔からのBMWファンの方には"BMWらしくないよね"と言われましたが、新しいお客様を呼び込むことに確実につながりました。特に国産車ユーザーからの買い替えが増えましたね」(加山氏)

つまり本当の敵は固定観念であり、BMWはこうあるべし! という売る側、伝える側の勝手な思い込みにあったのだ。ビジネス上でよく言われる「成功体験が徒になる」ような感じに近いのかもしれない。

ポイントはやはりブランド力

現在、ツアラー兄弟を買う8割以上が初BMW、つまり「BMW外」からの買い替え客であり、驚いたことに日産「セレナ」やホンダ「オデッセイ」など、国産箱型ミニバンユーザーからの買い替えが多いという。広さでは明らかに上回るクルマを下取りに出してまで、ツアラー兄弟を購入するのだ。

「走りもそうですが、誰が見てもBMWとパッと見て分かる顔にしましても、大変ステータスを感じていただいているようです」(浅利氏)

そこでモノをいうのはやはり"BMW"という名前であり、イメージだ。

「BMWに乗りたかったんです、憧れだったんですよとおっしゃる方は多いですね。また、自分には買えないクルマだと思っていた方が、月1万~2万円のファイナンシャルプランを知って、踏み切るケースも多いです。いろんな意味で歩み寄りは大切だと感じています」(加山氏)

今、ブランド車はあの手、この手で我々にアプローチしてきている。それはイメージの変化だけでなく、販売戦略から、価格戦略からすべての面においてだ。

この変貌は、決してBMWだけに限った話ではないのである。

小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
画面例: 日経電子版 紙面ビューアのハイライト機能
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

関連企業・業界

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_