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成年後見制度、本格見直しへ なり手不足に対策

監督強化は課題/不正チェック、行政関与も

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NIKKEI STYLE

政府は認知症の高齢者など判断能力が低下した人のための成年後見制度を大幅に見直す。2000年4月に介護保険とともに始まったが、利用者は約18万人と認知症高齢者(推定約460万人)らの数に比べ大幅に少なく、制度の抜本改革が急務となっている。政府は制度改革を促す議員立法の成立後3年内に改革案をまとめるが、高齢化は急激に進んでおり、時間との勝負になりそうだ。

「成年後見制度見直しを促す法律が成立したら、直ちに動き出す必要がある」。成年後見制度の研究者や実務家の団体、日本成年後見法学会副理事長の大貫正男氏は話す。

政府が成年後見制度の大幅見直しに動くことになったのは自民党、公明党の議員らがまとめた法案が今の通常国会で成立する見通しが強まったからだ。「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と「成年後見制度利用促進法」の2つ。原案は11年から12年にかけて当時野党だった公明党主導でまとめていたが、同年末の民主党(現在の民進党)から自民党、公明党への政権交代や自公連立政権内の調整で予想外の時間がかかった。現在、与野党の大詰めの法案審議が続いている。

まず後見人らの権限(職務)を拡大する。「死後事務」と被後見人宛ての「郵便物の管理」を法定化する。

死後事務は死亡した被後見人の火葬・埋葬に関する契約を結ぶことなどを指す。被後見人が亡くなると後見人の仕事は原則として終わり、相続人である親族に財産を引き継ぐ。従来は親族がいない場合、法的根拠が曖昧なまま後見人が火葬手続きや葬儀、費用の支払いをしていた。

後見人が被後見人宛ての郵便物を開封したり管理したりする場合も、はっきりした法の裏付けがなかった。このため郵便物管理が不十分になりがちな、認知症の被後見人名義の支払いが滞ることも少なくなかった。

後見人を務める司法書士の団体「成年後見センター・リーガルサポート」専務理事の西川浩之氏は「いずれも制度開始直後から問題点が指摘されていた」と話す。今回ようやく見直すことで「年々増える身寄りのない人や認知症高齢者など利用者への対応が強化される」(日本司法書士会連合会の三河尻和夫会長)。

さらに「被後見人の権利制限の見直し」「制度の利用促進と不正防止の取り組み」への対応が進む。内閣府に首相を会長とし、官房長官、内閣府特命担当相、法相、厚労相、総務相らがメンバーとなる会議(成年後見制度利用促進会議)を設け、利用促進計画を法施行(成立後1カ月以内)から3年以内につくる。

「被後見人の権利制限の見直し」については「かなり進みそうだ」と大貫氏は指摘する。現在、被後見人などになると、企業の取締役や公務員などに就任できなくなるといった数多くの資格制限がある。これが制度利用を妨げる大きな要因となっているとの見方は多く、制限撤廃の方向で結論が得られそうだ。

身寄りがない被後見人への緊急手術など医療行為について、後見人に同意権を与えるかどうかには課題が残る。医療行為のどんな場合に後見人に同意を認めるかなど、難しい問題が横たわる。

「制度の利用促進と不正防止の取り組み」では「後見人のなり手不足の解消」と「後見人への監督体制の強化」が課題。後見人のなり手は制度開始時には親族が圧倒的に多かったが、司法書士、弁護士、社会福祉士ら専門職の第三者後見人が増え、14年に割合は約65%になった。

ただ専門職の人の数には限りがある。そこで利用促進のための計画では市民後見人を含めた第三者後見人の育成が目玉となりそうだ。

しかし、第三者後見人を増やすには「後見人報酬を充実することが必要」と多くの関係者はいう。後見人には通常、被後見人の財産から家庭裁判所の決定を経て報酬が支払われる。月2万~3万円が多い。ただ「被後見人の財産が乏しければ受け取れない場合もある」(複数の後見人)。

後見制度を利用できない人が増える恐れがある。被後見人の財産が乏しい場合に公的助成を十分受けられるよう、政府が財源を整えられるかが焦点だ。

また、被後見人の財産を使い込む不正が増えている。親族の後見人はもちろん、弁護士、司法書士ら専門職後見人が関与する例も多い。現在、家裁が後見人からの定期報告のチェックを強化することで監督しているが、家裁は「現状でも手いっぱい」(裁判所関係者)。利用者が増えると対応できなくなる恐れがある。「監督体制に行政機関を組み入れることも検討している」と法務省関係者はいう。

高齢化は待ったなしで進んでいる。政府の検討が今後3年以内となると、実際に制度改正が動き出すのはもっと先のことになる。「もう少し早期に結論を得るようにすべきだ」との声は多い。今回の見直しでは首相が会長となる閣僚会議が司令塔となるが、同会議がどれだけ指導力を発揮できるかが問われる。

成年後見制度

 認知症や精神障害、知的障害で判断能力が低下した人に代わり、法定代理人である成年後見人らが本人の財産管理や施設への入所契約などをして生活支援する制度。利用するには家族らが家庭裁判所に申し立て、家裁が可否を決める。本人の判断能力に応じ「後見」「保佐」「補助」の3種類がある。

(M&I編集長 後藤直久)

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