お風呂でもテレビ 防水ポータブルテレビ、徹底比較
パナソニックの「プライベート・ビエラ UN-10T5」は10型液晶を採用したポータブルテレビだ。ディスプレー部とチューナー部が分かれたセパレートタイプであることが特徴で、映像はチューナー部からディスプレー部へ無線で転送する。一方、東芝ライフスタイルの「レグザポータブルテレビ 10WP1」はチューナー一体型。本体下部の左右に大口径スピーカーを搭載している。
最近のポータブルテレビに求められているのが防水性だ。もちろん、パナソニック(ディスプレー部のみ)、東芝ともに防水機能を備えており、キッチンや浴室でテレビ番組を楽しむことができる。
ただ、実際の使用感は大きく異なる。パナソニックはチューナー部で受信した映像を無線でディスプレー部に転送するため、チューナーの電波が届く範囲内であればリアルタイムのテレビ放送を高画質で視聴できる。もちろん、チューナー部で録画しておいた番組を再生することも可能だ。
東芝はチューナー一体型のため、電波環境によってはそのままの状態でフルセグ放送を視聴できることもある。ただ、基本的にはアンテナケーブルの接続が必要になる。浴室ではロッドアンテナを伸ばしてワンセグ放送を受信するという使い方が基本になるだろう。同社のレコーダーなどを別途用意すれば、無線LAN経由でリアルタイム放送や録画番組を高画質で見ることはできる。
外出先ではスマホで閲覧
家の外に持ち出した場合の使い勝手では東芝が有利だ。屋外でもワンセグ放送の受信が可能なので、ドライブやアウトドアなど、レジャーシーンでもリアルタイム放送を視聴できる。災害時にも役立ちそうだ。
さらにブルートゥーススピーカーとしても使えるので、スマートフォン(スマホ)などに保存しておいた音楽を本体内蔵の大口径スピーカーで楽しむことができる。実際の音質はポータブル機器にありがちな"軽い"印象ではなく、厚みがあり十分満足できる水準に達していた。
一方のパナソニックはチューナー部で録画した番組をマイクロSDに転送しておけば、屋外でもディスプレー部だけで録画番組の再生が可能。ただし、リアルタイム放送の受信はできない。
家庭内で使うAV機器として考えると、キッチンや浴室、寝室など、部屋を移動しても受信状況をほとんど気にせずにテレビ放送を視聴できるパナソニックに軍配が上がる。地デジ、BS/CSの3波対応や録画機能の他、液晶画面でのタッチ操作などは東芝にはない大きなメリットといえる。
パナソニックは屋外に持ち出した場合にリアルタイム放送を視聴できない。だが、スマホの画面でテレビを見る方法がある。無料で配信されている専用アプリをスマホやタブレットにダウンロードすれば、自宅にあるチューナー部で録画した番組や放送中の番組をインターネット経由で外出先でも視聴できるのだ。スマホで視聴するということを含めて考えれば、家の中、屋外ともにテレビ放送を楽しめるようになる。
(デジタル家電ライター コヤマタカヒロ)
[日経トレンディ2016年4月号の記事を基に再構成]
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