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どんな味? ピンクや青のご当地レトルトカレー ご当地レトルトカレー最前線

2016/3/29

ピンクや青、一見カレーとは思えない見た目がインパクト大の「変わり種」レトルトカレー(写真:ヤマシタチカコ 以下同)
 これまでに国内で累計2000種類以上が発売されているレトルトカレー。その多くが、全国各地の名産品をカレーにした「ご当地モノ」だ。その中には意外な具材が入っていたり、見た目にインパクトがあったりと一風変わったレトルトカレーも存在する。思わず手に取りたくなる「変わり種」ご当地レトルトカレーを紹介しよう。

 カレーといえば見た目は大きく変わらないという印象がある。だが、現在発売されているレトルトカレーの中には、ルーの色がピンクや青のものも存在する。地域の特色をアピールするご当地カレーには、こういった「変わり種」カレーも少なくない。

「いちごやさくらんぼなどのフルーツを使ったカレーもあれば、激辛のもの、ハブやトド肉といった珍しい肉を使ったカレーもあります」というのは、数百種類のレトルトカレーを取りそろえるお店「カレーランド」を経営する猪俣吉章さん。「変わり種のご当地レトルトカレーについて味の想像がつかないため、興味本位で買っていく方が多いです」

 今回は、そんな好奇心も満たす、味も見た目も満足させるご当地レトルトカレーを紹介する。

■鳥取県産のビーツを使用した「華貴婦人のピンク華麗」

ビーツペーストにホワイトクリームを混ぜることで、鮮やかなピンク色のカレーとなった「華貴婦人のピンク華麗(カレー)」(ブリリアントアソシエイツ・鳥取県・880円 以下、価格はすべて税込み)

 一見カレーとは思えない、ピンク色のルーが印象的なのは鳥取県の「華貴婦人のピンク華麗(カレー)」。もとは鳥取市内にある古民家を改装したカフェ「大榎庵(おおえのきあん)」のメニューだったが、訪れた観光客の間で話題になり、2014年10月にレトルトカレーとして商品化された。その見た目からネットでも話題になり、「カレーランドでも高い人気がある」(猪俣さん)。

 ピンク色の正体は鳥取県産のビーツ。ビーツは日本ではあまりなじみがないが、ロシアではボルシチなどに使われる定番野菜だ。このビーツをホワイトソースと混ぜることで、鮮やかなピンク色のカレーが作れるという。

 ホワイトクリームが入っているためか味はまろやかだが、後からスパイスの辛さが効いてくる。「貴婦人のキャラクターが描かれたかわいらしい外箱に引かれ、小さな女の子が手に取りたがる。ですが、子どもが食べるには少し辛口です」(猪俣さん)。具材として入っているジャガイモと鶏肉も、食べ進める上での良いアクセントになった。

 「ビーツはすべて鳥取県の契約農家から仕入れている。今後もビーツを使用したピンク色の商品を作っていきたい」(ブリリアントアソシエイツ株式会社マネージャー)。同社では現在ピンク色のしょうゆ「ピンク醤油華貴婦人」、マヨネーズとケチャップをセットにした「ピンクマヨ華貴婦人」ものなどを販売しており、今後もピンク色の商品で鳥取県の魅力を発信し続ける方針だ。

■北海道の海をカレーで表現「オホーツク流氷カリー」

本格的なインドカレーのような味わいの「オホーツク流氷カリー」(ベル食品・北海道・700円)。青色はクチナシを使用している

 ピンクのカレーに劣らず印象的なのが、青色の「オホーツク流氷カリー」だ。もともと、青色は食欲を減退させることで知られる色。ダイエット食品としてご飯を青くするふりかけも発売されているほどだ。それではなぜ、あえてその青色のカレーが作られたのだろうか。

 監修は札幌にあるインド料理の専門店クリシュナ。料理長を務めるマスクード・アラムさんがオホーツク海に浮かぶ流氷の景色に感動し、「この景色を自分の店のカレーで表現したい」との思いから開発されたという。

 オホーツク海を表現した「マリンブルーカリー」と、クリームチキンを流氷に見立てた「ホワイトカリー」が別々に入っており、まずマリンブルーカリーを皿に開けた後で流氷を浮かべる要領でホワイトカリーを盛りつける。

 食べるのに少し勇気がいるが、口にしてみると意外にもコクのある本格的なバターチキンの味わいが広がる。マリンブルーカリーがスパイシーなのに対し、ホワイトカリーは辛さが控えめでまろやか。鶏肉も大きく、食べ応えがある。

 「鳥取県の『華貴婦人のピンク華麗』が出てからはそちらに注目が集まっていますが、それ以前には変わり種カレーの中では一番人気でした」(猪俣さん)

■甘みたっぷりの「ほしいもカレー」

見た目は普通だが、食べるとほしいもの甘さが広がる「ほしいもカレー」(ひたちなか農業協同組合・茨城県・540円)

 変わり種カレーの最後を飾るのは、茨城県の「ほしいもカレー」。茨城県はほしいもの一大産地だ。前述の2つに比べると見た目はいたって普通だが、猪俣さんいわく「ルーまでほしいもの味。さつまいもではなくほしいも味なんです」。見た目が普通なぶん、口にした時の衝撃が大きいようだ。

 ほしいもが溶けているのかルーの質はねっとりしており、具材としてほしいもの他に大きめの豚肉が入っている。香りを嗅いだところ普通のカレーのようだが、口にした途端ほしいもの甘さが飛び込んできた。ほしいもはカレーと一緒に煮込む際に水分が入り、いわゆるほしいもの食感とは違うものの、一度干しているため甘みが強い。外箱には中辛と書いてあるが、ほしいもの味が印象に残り、辛いのが苦手でも食べられそうだ。

◇   ◇   

 以上、個性豊かな変わり種カレーを紹介したが、どれも見た目や入っている具材のインパクトとは裏腹に、素材の味を生かした本格的なカレーだった。

 「変わり種カレーは地域の名産を知ってもらうために作られたもので、インパクトはあっても決して受け狙いで作っているわけではない。独特の味がかえって好評なことも多いです」(猪俣さん)

 百聞は一見にしかず。地域への情熱が詰まった変わり種ご当地カレーを、ぜひ食べてみてはいかがだろうか。

 次回は贈り物や自分へのご褒美におすすめの高級カレーを紹介する。

※記事中の価格はカレーランドで調査。

(取材・文 小沼理<かみゆ>)

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