なんと3割が食物繊維 チアシードでダイエット
1日大さじ1杯を目安にとろう
南米由来のシソ科の植物、チアの種「チアシード」は、水を得るとゲル状の粒になる。このゲルはコンニャクなどに多く含まれる、水溶性食物繊維のグルコマンナン。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は、「グルコマンナンは腸内細菌のエサとなり、腸内環境を改善するため、便通改善効果が期待できる」と話す。
ほかに、体にいい油のn-3系脂肪酸や鉄分などを含む。カラダクリニック銀座の関由佳医師は、「1日大さじ1杯とるのがおすすめ」と話す。
Q.チアシードでなぜやせる?
A.3割が食物繊維なのでお通じ改善に効果。満腹感で食事量も減る
編集部で入手したチアシードの栄養成分表示を見ると、15g中5gと3割が食物繊維。また、水を含んだゲルの約6割は食物繊維という分析結果報告もある。毎日大さじ1(10~15g)をとることで食物繊維を約3~5g上乗せできる。そのため、腸内環境が改善され、便通改善効果が期待できる。膨らんで満腹感を持続させるため、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できる。一方、2割あるn-3系脂肪酸は主にαリノレン酸(エゴマ油などに多い脂肪酸)。
Q.白と黒、色によって何か違う?
A.栄養素の違いはなさそう。産地が違うと異なるかも。
編集部で入手した、同じメーカーから発売されたチアシードの黒と白の栄養成分表示を確認したところ、カロリーや食物繊維量などに違いはなかった。ただ、産地や品種が違うと異なることはありそうだ。吸水性や熱を加えたときのゲルの粘性などに関しては違いがある可能性がある、と指摘している報告もある。
Q.チアシードはどうやって食べるの?
A.水で戻した「チアフレスカ」を加えるか、そのまま飲み物に入れて食べる。
食べ方は大きく2つ。チアシードに水を加えて混ぜて1時間以上置き、膨張させる。こうして膨らんだチアシードは「チアフレスカ」と呼ばれる。このチアフレスカを普段の食事・飲み物に加えよう。もしくは、乾燥したチアシードを直接、普段の飲み物に入れて飲んでもいい。
1.水で戻したチアシード、「チアフレスカ」をいつもの食事に加える
「チアフレスカ」を普段の食事に加える。スープ、炒め物やサラダなどにも入れてみよう。ほかの食材の邪魔をしないので、合わせやすい。「私は味噌とオリーブオイル、ビネガーを混ぜた手作りドレッシングに加えて食べています」(関医師)
チアシードに3~5倍量の水を加える。塊ができないよう、かき混ぜる。水を吸って膨らむまで放置し、冷蔵庫で保管。1~24時間程度放置したら、保存瓶などに移す。使わない分は冷蔵庫で保存する。冷蔵庫で5日間保存可能。
2.そのまま飲み物に直接入れて飲む
乾燥状態のチアシードを普段飲んでいる飲み物、お茶やジュースなどに直接入れて飲む。よくかむと、n-3 系脂肪酸もしっかりとれる。「ミキサーにかける手作りスムージーなら、栄養素を逃さず取り込める」(関医師)
Q.一緒にとるなら何がいい?
A.お通じ改善アップならヨーグルト
食物繊維が豊富なチアシード。そこで、一緒にとるなら、乳酸菌たっぷりのヨーグルトがおすすめだ。「腸内環境が改善し、よりスムーズな便通が期待できる」(小林教授)。実際に、読者モニターがヨーグルトに入れて食べたところ、1日目から便通改善効果を実感している。
Q.水以外で戻してもいいの?
A.もちろんOK。ドリンクによって膨らみ方は異なりそう。
味の邪魔をしないので、水で戻すと活用しやすい。編集部で水、100%オレンジジュース、アーモンドミルクでチアシードの膨らみ方を比較したところ、アーモンドミルクが最も多く水分を吸収し、フレスカの重さはオレンジジュースの約1.4倍、水の1.2倍だった。
小林弘幸教授
順天堂医院に日本初の便秘外来を開設。腸そのものの働きのほか、腸の働きを左右する自律神経や腸脳相関などに着目し、研究を行う。近著は『小林弘幸式2週間プログラム 朝だけ腸活ダイエット』(ワニブックス)。
関 由佳医師
専門は内科、予防医学。野菜ソムリエの資格を持ち、栄養指導も積極的に行う"フードドクター"。現在は個人の栄養状態に合わせた栄養指導や妊娠する前の体づくり(プレ・ナタール)などに力を入れる。近著は『ゆるゆる糖質ダイエット』(主婦の友社)。
(日経ヘルス 熊介子、写真 鈴木正美、スタイリング&料理 タカハシユキ)
[日経ヘルス 2016年2月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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