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「家と会社に2台置く」 津田大介がほれた家庭用ロボ

(更新)
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NIKKEI STYLE

「ツイッターの伝道師」「金髪のジャーナリスト」として知られるジャーナリスト津田大介氏。実は"大のガジェット好き"でもある津田氏が今回迫った"気になるモノ"は、Cerevoが開発中の、プロジェクター搭載の可変型ホームロボット「Tipron(ティプロン)」。前回に続き企画・開発を行ったCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏に話を聞いた。自走して変形する機能が生まれた理由と、ホームロボットに津田氏が見いだした可能性とは?

自走式プロジェクターのあるべき姿とは

プロジェクター搭載可変型ホームロボット「Tipron(ティプロン)」は、日常の生活空間にどんどん情報を投影するホームロボット。開発するCerevoは、ハードウエア・スタートアップ開発施設「DMM.make AKIBA」のオープン当初から入居している企業で、機材監修なども担当し、新しいモノ作りを支援している。

よく紹介されている工作機材のあるエリアは「DMM.make AKIBA」の10階。11階はオフィスで、今いる12階はコワーキングスペース的フロア。さまざまな会社の人々が、食事をしながらパソコン作業中だ。そんなテーブルのひとつでCerevoの岩佐氏から話を聞いていると、奥のフロアで別の取材に応じていた「Tipron」が自走してやってきた!

バッテリー駆動で、スムーズに自律的に走行してくる。到着すると起動音とともにヘッドが伸び上がり、一つ目のプロジェクター型に変形。この自走して変形する機能が「Tipron」の大きなポイントだ。

岩佐 普通のモバイルプロジェクターは、ヨイショッと持ってきて、設置して配線を繋ぎ、投映するものを毎回設定しなければいけません。でも「Tipron」なら、場所を登録して、そこでのアクションを設定しておけば、自動で移動し情報を投映します。たとえば夕食の支度をする時間になったらキッチンのドアにレシピを投映する、帰宅時間に玄関に迎えにきてニュースや音楽を鳴らす。そんなことが、アプリで簡単に設定できます。

そして重要なのが、勝手に充電してくれること。スマートフォン(スマホ)にしてもPCにしても、全部、持ち主が能動的に充電しないと電池が切れてしまいますが、これは放っておいても、自分で充電し、いつでもネットにつながります。そんな家電って、実は世の中にほとんど存在していないんですよね。

自動で充電器まで戻って常に充電してくれるというと、お掃除ロボットの「ルンバ」を思い出す。まさに、新しいホームロボットだがどうせならTipronにルンバのようなお掃除機能を付けてしまえばいいのではないかとも思えた。

岩佐 CESの会場で、展示を見てくれた海外の方の99%が、話を聞いた最後に『で、クリーナーはついてないの?』って言うんですよね。向こうの人はジョーク好きなので(笑)。あとは、『音声認識はないのか?』とよく聞かれました。海外の大きな家だと、声なんて届かないと思うのですが、呼ぶと来てパッと映像を出す、リアルR2-D2って言われましたね。もちろん、クリーナーも音声認識も積みませんけどね(笑)。

変形したらカッコいい!

ルンバは、ロボットとしては単機能だし、シンプルでわかりやすいデザインだ。だがTipronは、プロジェクターなのに、デザインや変形するギミックなど、なんともマクロス的。筆者は好きだが、あえてこういうデザインにした理由は?

岩佐 根底にあるのは、変形したらカッコいいじゃん!てことです。

うちの製品の売り上げは半分以上が海外なので、販売展開はワールドワイドで考えていますが、世界にはプロジェクタ搭載ロボットというコンセプトの製品がいくつかあります。日本発のプロジェクタ搭載ホームロボットとして"OH! JAPANESE!"と言っていただくためには、やはりトランスフォーム!ですよね。

カッコ良さとかクールという切り口だけでなく、実は人型っぽいロボットは意外と難しいということもありました。この子(Tipron)もヘッドのプロジェクターが目みたいで人型にも見えますが、たとえば「Pepper」みたいな、もっと人っぽいロボットが家の中にいると気になりませんか? 前で服を着替えたり、お風呂に入ったりするのは、ちょっと勇気がいる。どうしても人として意識してしまうんです。広いオフィスなら大丈夫でも、家で使う人型のホームロボットで、ある程度の知性を感じさせるものは、やはりオンとオフが明確に分かれていたほうがいいかな、と。

なるほど。たしかに、深夜のオフィスで電気をパッとつけたら、Pepperくんが目の前にドンと立っているのを見たことがあるが、あれはけっこうなドッキリ感がある(というかちょっとしたホラーだ)。

岩佐 なので、移動モードはあまり存在感のない、意識されにくいスタイルです。また、ヘッド部分にプロジェクターがあるので、移動時に高いままだと重心の位置が高くてコケやすい。転倒しにくくする目的もありました。それで最終的なファンクションとして、変形スタイルに落ち着きました。

理にかなったデザインと機能だし、変形することでさらにロボっぽさが際立つ。とはいえ、やはりロボ好きは、変形させずにはいられなかったのかもしれない。

Tipronが持つ可能性

ビルの大きな窓から、昼間の陽光が入ってくるが、投影された画像は十分明るい。大きめのスピーカーを積んでいて音質もなかなか。移動しながら、ヘッドを回転させあちこちに映像を投映することもできるという。メディアアートやプロジェクションマッピングなどのクリエーターたちもこれは使ってみたくなるだろう。ユーザーや開発者含め、さまざまな遊び方ができるだろうし、これを使った新たなビジネスも登場しそうだ。

岩佐 カメラもついているし、将来的にはヘッドの部分だけつけ替えられるようにすれば、もっといろいろな可能性があると思っています。なにしろ、なんでも移動させると面白いということに気がついたんですよ。動くと便利なものって、世の中にいっぱいあります。花粉症の季節なので、ティッシュの箱が移動してきてほしい、とかね(笑)。スマホのように、一気に1億台普及するようなものではありませんが、お遊びっぽい使い方から始まったとしても、アップデートして時節にあった内容に変えたり、新たな機能を追加したりすることもできます。

そのため、製造パートナーもしっかりしたところを選び、初めてEMS(電子機器受託生産)大手のフォックスコン・テクノロジー・グループと組みました。フォックスコン側もこんなユニークなものを作るならと興味を持っていただいて、良い関係ができています。

かつてUstream用のライブ中継カメラで注目されたCerevoが、投影をリアルに体験するロボットを生み出した。新たな転換点になる可能性も大きく、社運がかかったプロジェクトといっても過言ではない。

もともと大手家電メーカーで、テレビのネット接続関係に関わっていた岩佐氏。彼が提案した機能は、実現可能になったものも多数あるが、いまだ採用されていないものが多いという。Tipronにはジャンルそのものに影響を与えそうな新機能、発想のユニークさ、そして発展性が感じられる。大量生産前提の大手では不可能でも、まさにスタートアップにしかできないモノ作りだ。

●今回のまとめ●

「Tipron」から感じた可能性は無限大だ。モノ同士がネットを介して情報交換しあうIoT(Internet of Things)的な世界観にあるもので、家電リモコンとしてすぐに使えそうだし、今後、人工知能や「ディープランニング(深層学習)」が発達したり、より多くの機械と連携可能になれば、ロボット秘書として様々な情報を管理したり、スマートハウスの有用なハウスキーパーにもなれそうだ。見守りや介護、医療目的で使える可能性もある。

今回の「Tipron」を、筆者はきっと買うだろうと思う。しかも、家と会社と2台買って使いわけたりするかもしれない。会社では、ツイッターのハッシュタグや自分の番組に関する情報を流しっぱなしにしておいたり、家では、キッチンでレシピ、玄関では交通情報など場所別に設定して使ったら面白そうだ。

そして、ある朝目が覚めて、岩佐氏が語ってくれたように天井を見あげながら「これ、買ってよかったなぁ」と、しみじみ実感しそうな気がしている。

(編集協力 波多野絵理)

津田大介(つだ・だいすけ)
 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。「ポリタス」編集長。1973年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。大阪経済大学客員教授。京都造形芸術大学客員教授。テレ朝チャンネル2「津田大介 日本にプラス+」キャスター。フジテレビ「みんなのニュース」ネットナビゲーター。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。株式会社ナターシャCo-Founder。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)ほか。2011年9月より週刊有料メールマガジン「メディアの現場」を配信中。

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