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主夫世帯の家計・ライフプラン、円満レシピ

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NIKKEI STYLE

男性が主に家事や育児をする主夫世帯が増えつつある。「イクメン」の浸透で男性の育児への意識が高まる一方、女性の活躍の場が広がって妻が家計の担い手となる例も増えてきた。主夫世帯の生活の日常を追い、主婦世帯とのライフプランの違いを探った。

「結婚後3年ぐらいで、主夫として妻のバックアップに徹しようと決心しました」。こう語る佐久間修一さん(49)は3歳の息子を持つ専業主夫歴18年のベテランだ。

結婚当初はシステムエンジニアで、フリーのグラフィックデザイナーだった妻のきよこさん(41)と共働き。ところが結婚半年で難病を患い、休養を余儀なくされた。離婚を切り出した修一さんは、猛反対するきよこさんに「殴られた後、泣かれた」。家で療養する日々が続き、家事をするようになった。料理は得意で苦にはならなかった。それでもやりきれない思いを抱え、「最初はスーツを着ながら家事をしていた」という。

家計はきよこさんが担った。仕事が順調で収入は年々増え、最多で年収800万円程度あった。きよこさんは「貪欲に仕事をしていた。子どももおらず、2人で暮らすにはやっていけると考えた」。

出産機に相談、分業徹底

転機は出産だった。病気の遺伝を心配し、子どもは考えていなかったが、医師に遺伝しないと言われた。夫妻で話し合い、子ども好きの修一さんは「産んでくれれば育てるのは全てやる」と訴えた。

出産を機にきよこさんは流通会社のデザイン部門に就職した。フリー時代より収入は減るものの、安定性を重視した。家計のやりくりは修一さんの役目で、光熱費などの節約に努めている。きよこさんは小遣い制だ。

きよこさんは仕事好きで、決めたらきっぱり進む性格。修一さんは家事や妻の支援をいとわない。互いの性格や役割がきっちりはまっていて、主夫世帯のデメリットは感じない。「手に職を付けていたのが仕事の強みになっているのかもしれない」と話す。

公的年金の第3号被保険者は、会社員や公務員の配偶者で20~59歳の年収130万円未満の人を指す。厚生労働省によると13年度の第3号被保険者は女性が934万人、男性が11万人。これを専業主夫と定義すると、それまでの15年で2.6倍に増えた。

専業主夫でなくても、妻が主な家計の担い手で夫が家事や育児をする家庭は多い。

小林玲奈さん(34)は大学職員。夫は文化人類学の研究者で、任期制の職に就く「ポスドク(博士号取得の研究員)」だ。「説明がややこしいので、人に夫のことを話すときにはニートだって紹介しています」と笑う。

ポスドクの収入は不安定だ。文部科学省などに研究が採用されれば一定期間は資金が出るが、将来の保証はない。小林さんの夫の場合は月20万円程度を得ていた。ただ、研究費の支給が途切れ、夫が第3号被保険者になった時期もある。夫妻は高校の同級生で玲奈さんが29歳の時に結婚し、現在は2歳の息子がいる。

出産の後押しをしたのが職場の支援制度だ。産休や育休制度が充実しており、「仕事と育児の両立は可能だと思った。夫の失業など、いざという時は自分が大黒柱になると考えていた」と玲奈さん。

妻が自営業の場合、主夫世帯のライフプランの自由度は高いようだ。女性社長の事業継続を支援する企業、コラボラボ(東京・千代田)の横田響子代表によると「数年前から出産の時期を計算し、それに合わせて男性が会社を辞めて仕事を手伝うようにした女性経営者もいる」。

不利な年金、保険厚めに

ただ主夫世帯の家計には不都合な点がある。主夫で「ウェブシュフ」というサイトを運営するファイナンシャルプランナー(FP)の中川勉さん(44)は「主婦世帯に比べて多額の保険料支払いを強いられる」と話す。

厚生年金に加入する夫に先立たれた妻には、遺族厚生年金が支給される。男女逆転した場合は55歳未満なら対象とならず、55歳以上でも60歳からの支給となる。「主夫世帯は一家の大黒柱にかける生命保険を手厚くせざるを得ない」(中川さん)

また、妻の先々の収入予測が大切になる。FPの横山光昭さんは「一般的に女性は育児費用がかかる40代から50代にかけて、年収が落ち込む傾向にある」と話す。離婚時の違いもある。「妻が養育費を負担する例は少ない。夫が子どもを抱えながらの職探しや就業は難しい」と横山さん。

それでも「家庭のあり方の選択肢が広がる意義は大きい」(横田さん)と評価する声は多い。何より将来のことをじっくり話し合うことで、「夫婦関係が良好になる」(佐久間修一さん)のが一番のメリットといえそうだ

女性の7割が専業主夫を受け入れる

女性は主夫にどのような印象を持っているのだろうか。結婚式情報サイト、ぐるなびウエディングの2013年の調査によると、専業主夫に対して約3割が「いい印象がある」と回答。「特になにも思わない」を含めると、約7割が専業主夫を受け入れているようだ。

理由には「近所に専業主夫の家庭があり、ご主人が朗らかで奥さんともすごい仲が良く、ちょっといいなと思う」と夫婦仲の円満さを挙げる声があった。「妻の方が正社員で給料がいい場合や家事が好きな男性もいるので、これから増える」という見方もある。

一方、「あまりいい印象はない」という回答は3割程度だった。「家事や近所付き合いなどは女性でないとできないこともある」という意見のほか、世間と関わる場面が少なすぎて視野が狭くなりそうと懸念する声があった。

(田中裕介)

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