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タッチ式リモコンで操作感激変 新アップルTV

日経トレンディネット

2016/3/7

第4世代アップルTV
日経トレンディネット

 2015年10月に発売された第4世代のApple TV(アップルTV)。過去2世代のユーザーである記者が、今回も自腹で購入。2回に分けてレビューする。1回目はリモコンやユーザー・インターフェースについて見ていく。

 アップルのテレビ用デバイス「Apple TV」32GBモデル(32GBが1万8400円、64GBは2万4800円)を自腹で買った。

 Apple TVはこれで第4世代目となり、リモコンが一新されて音声アシスタント「Siri」にも対応。テレビ上で動画や写真を再生できるのに加えて、新たにApple TV用のテレビ向けアプリを使えるようにもなった。

 Apple TVは2006年に発売された初代から興味があったのだけど、4万円前後したので購入をためらっているうちに、第2世代(2010年)が8800円で登場した。価格が安くなったことで一気に優先度が上がり、即購入した。その後、1080pのフルHDに対応した第3世代(2012年発売)に買い替え、今回の第4世代Apple TV(以下、Apple TV 4)の購入に至った。

 Apple TVが欲しくなったのは、以下のようなことがあったからだ。

 そのころ、ビデオテープに録画していたお宝映像を、ビデオデッキが壊れても見られるようにコツコツとデジタル化していた。要はアナログのキャプチャーユニットを使って、Macに動画データとして取り込んでいたのだけど、その後どうするのが良いのか考えあぐねていた。

 DVDやブルーレイ・ディスクに焼いてテレビで見られるようにするのも1つの手だが、光学メディアは経年劣化が意外に早い。ちゃんと保存するなら同じものを複数枚作って、リスクを分散しておく必要がある。また、正しく読み出せることを定期的に確認して、読み出せないディスクがあったらまたバックアップを作らないといけない。これはかなりめんどくさい。

 そんなときに「Apple TVなら取り込んだ動画ファイルのままで、テレビで見られるのではないか?」と思った。それまでは、Apple TVという製品のどこが面白いのか、筆者もわかっていなかったのだ。テープやディスクなどのメディアを作らずに、動画ファイルのままでテレビで再び見る手段として考えると面白いと思い、第2世代のApple TVを購入した次第だ。

■Mac内の動画がテレビで再生できるように

 初代Apple TVは本体内に40GB程度のハードディスクを備えており、動画ファイルを内部に保存できた。一方、第2世代、第3世代は本体にハードディスクを持たず、パソコンやiPhone、クラウド上にある動画・写真のストリーミング再生に特化した。これで8800円という低価格を実現した。古くからのアップルユーザーとしてみれば、アップル製品の中では破格に安いと思った。

 その後の円安で、日本での価格は1万円を超えてしまったが、新しくApple TV 4が登場したことで、第3世代はApple TVは8200円に値下げされて継続販売されている。動画や写真を再生するだけなら、かなりお得だ。

これまで使っていたApple TV(右)と今回購入したApple TV 4(左)。第3世代よりも本体の高さが23mmから35mmと約1.5倍に増えている

 Apple TVは第2世代以降、MacやiOSデバイスで再生している動画を、Apple TVに転送して見られるようにもなった。このころになるとパソコンのハードディスクの価格も安くなり、動画ファイルを余裕で保存しておけるようになっていた。ハードディスクを二重化したネットワーク対応型ストレージ(NAS)などに入れておけば、他のデータと共に信頼性の高い状態で保存しておける。

 筆者が第3世代Apple TVを使っていたときは、Macに外付けハードディスクを接続し、そこに保存した動画ファイルをiPhoneの「Air Video」というアプリを使って再生。出力先を「Apple TV」に切り替えてテレビで見ていた。

iPhoneの画面でApple TVで再生している動画もコントロールできる。iPhoneを経由しても品質は落ちない

 今回、Apple TV 4に買い替えた理由は、Air VideoがネイティブアプリとしてApple TV上で動くようになる(はず)と思ったからだ。予想は当たって、すぐにApple TV用アプリとして公開された。

 これによりiPhoneで操作しなくても、Apple TVのリモコンを使うだけで、テレビ画面にMac内の動画一覧が表示されて再生できるようになった。以前から、これができれば素晴らしいだろうなと思っていた機能が実現した。

 初めはiPhone用アプリのほうが使い勝手が良いように思ったが、新リモコンの「Siri Remote」(後述)の操作性に慣れると、Apple TV用アプリのほうが断然いい。例えば、動画ファイルに複数の音声トラック(英語・日本語など)や字幕データが含まれている場合、動画再生中にSiri Remoteを操作するだけで、切り替えのためのメニューが表示される。

 またiPhone経由でアプリを操作するより、Apple TV上でアプリを直接操作できる感覚のほうが、より「テレビを見ている感」が増すことがわかってきた。

Apple TV版アプリのAir Videoは、付属のリモコン「Siri Remote」で操作する
Apple TV版Air Videoで、動画ファイルに含まれている複数の音声トラックや字幕データを切り替えるには、再生中にSiri RemoteのTouchサーフェスを下にスワイプして表示されるメニューで行える

■タッチ操作で大改良されたリモコン

 以前のApple TVに付属していたリモコン「Apple Remote」は、画面上の選択位置を動かすときに、リング状のボタンを上下左右にいちいち押さなければならなかった。一方、Apple TV 4ではリモコンが大改良された。新しいリモコン「Siri Remote」は、上部の「Touchサーフェス」と呼ばれるタッチパッドを操作して、Apple TVの画面を操作する。

 Touchサーフェス上で大きく指を動かせば、それに合わせて画面での移動量が大きくなる。動画再生時は素早いスワイプで動画を早送り/早戻し、ゆっくり動かせばスローなど、これまでの十字ボタンにはない多様な操作が直感的にできる。Touchサーフェス全体がクリックできる仕組みになっているので、選択ボタンを探す必要もない。これだけでもかなり快適だ。

Siri Remoteの上部にあるタッチパッド「Touchサーフェス」でApple TVを操作する。十字ボタンよりも直感的で圧倒的に使いやすい。Touchサーフェス全体が選択ボタンになっているところも便利だ
Apple TV 3までに付属しているApple Remote。アルミ削り出しのソリッドな感じは今でも十分かっこいい。残念ながら操作性はSiri Remoteにはかなわない

 加えて、Apple TV 4との接続はBluetoothが使われるようになった。以前のリモコンは赤外線接続だったので、Apple TVに向けてしっかり操作しなければならなかった。だがSiri Remoteはどこに向けていてもよく、楽な位置で持ち指先で操作するだけでよい。Apple TVの置き場所も、赤外線が受光できる位置にしなくてもよいので、より自由度が高くなった。

 Siri Remoteにはホームボタンがあり、押すとどこにいても一気にホームに戻れる。ホームボタンということは、もしかしたら「iPhoneのホームボタンみたいなこともできるのか?」と思って2度素早く押してみたら、Appスイッチャー画面が表示された。これにより、ホーム画面に戻ることなくアプリを切り替えられる。

 ホームボタンの長押しで、Apple TVをスリープできるのもうれしい。今までは、設定画面の奥に潜らないとできなかったので、自動的にスリープするまで放ってくことが多かった。また、Apple TVをスリープさせると、テレビの電源も切れる。Siri Remoteのボリュームボタンでテレビの音量もコントロールできるようになった。

 付属リモコンのSiri Remoteは、間違いなくApple TV 4の目玉機能の1つだろう。

 Siri Remoteの残念なところも書いておこう。その名が示す通り、iPhoneでもおなじみの音声アシスタント「Siri」に対応している。Siriボタン(マイクアイコンのボタン)を押しながら話すと、Apple TVに指示を出せる。

 だが、iPhoneなどでSiriを使ったことがあれば分かると思うが、Siriは単なる音声入力機能ではないので「してほしいこと」を伝える必要がある。ところが、Apple TV版のSiriで何ができるのかが今は分かりにくい。そのため用件が頼みにくい。これについては、使いながら慣れていく必要があると思われる。

Siri Remoteのホームボタンを素早く2回押すと、Appスイッチャー画面となり、起動中のアプリをホーム画面に戻ることなく切り替えられる
Siri Remoteのホームボタンを長押しすると、どの状態からもスリープさせられる。Apple TV 4はHDMI CECに対応しているのでスリープと同時にテレビの電源も切れる
Siri RemoteのSiriボタンを押しながら話すと、いつでもSiriを呼び出せる。ホームボタンを押すと一気にホーム画面に戻るのも便利

 後編では、新しく使えるようになったネーティブなアプリについて紹介する。

(日経トレンディネット 伊藤朝輝)

[日経トレンディネット 2015年12月18日付の記事を再構成]

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