「最高のトースト」が食べたい! 高級トースター対決
「最高のトーストを焼ける」とうたうトースターが相次いで発売された。暖房機にも使われている特許技術を搭載し水分を外に逃さずに一気に焼き上げる「アラジン グラファイト グリル&トースター」、庫内に充満させた水蒸気でパンを包み水分を内部に閉じ込めたまま焼く「バルミューダ ザ トースター」。高級トースター2機種を比較した。
アラジン グラファイト グリル&トースター(日本エー・アイ・シー 写真左) ●サイズ・重さ/幅350×高さ235×奥行き334mm・約3.75kg●庫内有効寸法/幅310×高さ87×奥行き285mm●消費電力/1300W 実勢価格1万8500円(税別)
BALMUDA The Toaster(バルミューダ 写真右) ●サイズ・重さ/幅357×高さ209×奥行き321mm・約4.3kg●庫内寸法/幅274×高さ178×奥行き204mm●消費電力/1300W 実勢価格2万2900円(税別)
「アラジン グラファイト グリル&トースター」(日本エー・アイ・シー)は、僅か0.2秒で発熱する「遠赤グラファイト」を上部ヒーターに採用。暖房機にも使われている特許技術を搭載し、パンに含まれる水分を外に逃さずに高温、短時間で一気に焼き上げるという。
一方、「バルミューダ ザ トースター」(バルミューダ)は、スチームでパンを焼く新発想のトースターだ。給水口から注いだ水を内部のボイラーで温め、スチームを発生させる機構を内蔵。庫内に充満させた水蒸気でパンを包み込み、水分を内部に閉じ込めたまま焼く仕組みを採用する。
パンの内側のしっとりした食感を引き出すバルミューダ
実際に食パンでトーストを作ってみたところ、確かにどちらも一般的なトースターで作ったものよりも、外側がカリッと焼け、内側は水分が残ってふんわりとした印象。パン本来の風味を十分に味わえた。
異なるのは歯応えだ。アラジンで焼いたトーストは、一般的なトースターと同様に裏側が白っぽく、比較的もっちりとした状態。対してバルミューダは裏面にも焼き色がしっかりと付いている。これがパンをかじった際の食感に違いを生み出しており、好みもあるだろうがさっくりとした食感はバルミューダのほうが強い。パンの内側のしっとりした食感がより引き立つ。
両者とも本体の幅はほぼ同じサイズだが、アラジンが4枚の食パンを同時に焼けるのに対し、バルミューダは2枚と少ない。
使い勝手にも違いがあった。
バルミューダの課題は2万円を超える価格
アラジンは、温度調節とタイマーのダイヤルを前面に配置。独自のグラファイトヒーターで素早く焼き上げる。タイマーをスタートした瞬間に内部が熱くなり、焼き上がりも早い。だが、従来のトースターと同様に温度を高くしすぎたり、焼き時間が長すぎたりするとパンを焦がしてしまうことがある。
一方のバルミューダは温度調節ダイヤルがない代わりに、「トーストモード」「クロワッサンモード」などの調理モード切り替えダイヤルを搭載。各モードは、それぞれのパンに合った焼き加減になるようにプログラム制御されているという。
実際、モードを切り替えることで、クロワッサンもフランスパンも焦がさずに焼けた。試しに推奨時間を大きく超える8分間にセットして食パンを焼いてみたところ、焼き色はやや濃くなったが黒く焦げることはなかった。「パンを焦がさない」というバルミューダの特徴は、他のトースターにはない大きな魅力といえる。
課題は2万円を超える価格だ。温度調節ができる高機能トースターは安いもので5000円前後で買える。また、これまでのトースターにはなかった、給水パイプやボイラー部などの手入れという手間も必要になる。かなりのパン好き、あるいはトースターでパンをよく焦がしてしまう人ならバルミューダを検討する価値はありそうだ。
[日経トレンディ2015年10月号の記事を基に再構成]
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