驚きのえびソーセージ、フグ缶詰、魚介の逸品たち
ニッポンのうまいもの
まるで良質なエビを頬張ったようなプリプリ感と濃厚な風味―。そんな驚きを味わえるソーセージがある。神戸のイタリア料理店「タントピアット」が販売する「神戸えびソーセージ」だ。牛肉や豚肉などは一切使わず、1本に8匹以上のバナメイエビを使う。
手作業で粗びき エビ本来の食感
エビ本来のプリプリとした食感がしっかりと残り、かむと濃厚な旨みがあふれ出す。エビの殻を使ったソースも同梱。和洋どちらにも合う味付けで、焼いてもよし、ポトフやおでんにしてもよし、さまざまな料理に使える。
独特の食感の秘密は、エビの処理の仕方にある。繊維を壊さないように手作業で潰すのに加え、熱が加わらないように混ぜ合わせるなど、エビ本来の食感を損なわないための工夫が随所に盛り込まれている。開発には約10年かかったといい、この食感は他ではなかなか出合えない。リピーターも多く、現在は注文しても5カ月待ちという人気ぶりだ。
絶妙な弾力 香りも豊か
ヤマサ脇口水産の「海の生ハム」も、独特の食感がクセになる逸品。新鮮なカジキを低温で薫製(冷薫)し、もっちりとした食感を引き出した。透明感ともっちりとした弾力が魅力。塩分は控えめで程よくスモークされ、魚本来の旨みがしっかりと残っていた。日本酒やワインの他、ウイスキーなどとの相性も良い。
骨まで軟らか 長期保存も可
マル幸商事の「ふく缶」は日本初のフグの缶詰。ぶつ切りにした身を油漬けにし、骨まで軟らかく食べられる。塩分は控えめで、フグの風味がしっかりと感じられた。ツナ缶詰のようにサラダにしたり、おにぎりにしたりと、さまざまな料理に応用できる。ふくちり缶も販売。
絶妙な塩加減 粒の形も残る
カネキタ北釧水産の「北海道散布産えぞばふんうにの粒うに(一夜漬け)」は甘みの強いエゾバフンウニを塩漬けにして味を凝縮。一般的な瓶入りウニとは異なり、粒の形が残っているのが特徴だ。つぶつぶ食感と塩辛の濃密な味わいをどちらも楽しめる。適度な塩気がアクセントになり、甘みがむしろ際立つ印象だ。
舌に絡み付く 豊かなコク
ビストロ三玄の「越前 蟹味噌バター」は越前産の紅ズワイガニのカニ味噌を使っている。取れたての紅ズワイを浜ゆでした後、すぐに取り出した新鮮なカニ味噌を丁寧に煮詰め、バターや調味料とブレンドして仕上げている。豊かなコクと香りが楽しめる逸品だ。ディップとしてそのままパンなどに付けてもおいしいが、オーブンで軽く焼くとより芳醇な香りが立つ。パスタのソースとしても使える。
かみ応えあり 旨みがあふれる
伊予蒲鉾のネットショップの「皮ちくわ」は愛媛県の南伊予地方の名産珍味で、竹にエソの皮を巻き付けて焼き上げたもの。2~3mm程度にスライスして食べると、適度な弾力と強いコクが味わえる。
ふんわり食感 絶妙な辛み
干物、海産物通販 かすみ屋の「浜田名物 業務用・冷凍生赤天」は島根県浜田市の定番B級グルメ。赤唐辛子を魚のすり身に混ぜ込み、パン粉をまぶして揚げたもので、赤い色を帯びているのが特徴だ。一般に流通するものは一度揚げてあるものがほとんどだが、かすみ屋では生地を冷凍した業務用も販売。ピリッとした辛みがアクセントになっている。魚の旨みと辛みが後を引く。
ピリ辛風味でつまみに最適
津久司蒲鉾の「フィッシュカツ」は徳島のソウルフードで、魚のすり身に直接パン粉を付けて揚げたもの。カレー粉や唐辛子などの香辛料を入れて作る。地元では給食のメニューにも採用されているなど、地域に根づいている。ソースかマヨネーズを付けて食べる。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2015年11月号の記事を再構成]
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