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「血液ドロドロ」より気になる、「血管力」の低下

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス
聞きたかったけど、聞けなかった……。知っているようで、知らなかった……。日常的な生活シーンにある「カラダの反応・仕組み」に関する謎について、真面目にかつ楽しく解説する連載コラム。酒席のうんちくネタに使うもよし、子どもからの素朴な質問に備えるもよし。人生の極上の"からだ知恵録"をお届けしよう。

今ではすっかり定着した「血液ドロドロ」という言葉。脂ぎって黒ずんだイメージがあり、いかにも不健康な感じだ。特定の食材を食べるとドロドロの血液がサラサラになる、なんて話も後を絶たないが、そもそも「血液ドロドロ」とはどのような状態なのか? ドロドロだと、どんなことが起こるのだろう?

「血液ドロドロとは、水分が少なく、血小板の活性が高まって固まりやすくなっている状態。血液中のコレステロールや糖が多いことではありません」

そう話すのは、循環器系のエキスパートとしてテレビ出演も多い、池谷医院(東京都あきる野市)院長の池谷敏郎さんだ。

「血液が固まると血栓(血の固まり)ができて、これが血管をふさぐことで脳卒中や心筋梗塞が起こります。要するに固まりやすいからドロドロはいけない、ということ。血液流動性検査(MC-FAN)をすると、確かに血液がスムーズに流れるサラサラの人と、流れにくいドロドロの人がいます。だけど実際には、固まりやすい状態でも、そう簡単に血管内の血は固まらない。ドロドロやサラサラよりも大事なことがあるのです」(池谷さん)。

サラサラ血液で血管が詰まることも

暴飲暴食や喫煙、ストレスなど、悪い生活習慣を続けていると、血管の内壁に脂肪の詰まったコブができる。これが「プラーク」と呼ばれるもの。何かのはずみでプラークに傷がつくと、それをふさごうとして血小板が集まり、血栓ができてしまう。

いくらドロドロでも、体内を流れている血液はそう簡単には固まらない。しかしプラークに傷がつくというきっかけで固まってしまうわけだ。

カロリーを抑えた栄養バランスのいい食事や運動を続けると、血小板の活性が抑えられるとともに赤血球も柔らかくなって狭い部分に流れやすくなり、ドロドロだった血液もサラサラになっていく。しかし、それだけでは決して安心できないという。

「血液がサラサラであっても、加齢によって動脈硬化が進行していて、血管内にプラークが多い人もいます。サラサラでも血栓が詰まることがありますので、血液がドロドロかサラサラよりも、大事なのは"血管力"なんです」と池谷さん。

この血管力は池谷さんの造語だ。

一般に年を取ると血管は硬くなっていく。「血管年齢」とは、血管が何歳相当に硬くなったかを表すものだ。それに対して血管力とは、血管がしなやかさを保ち、内壁がなめらかで、血液をスムーズに流す力を意味する。つまり「血管力が高い」とは、血管が柔らかく、プラークも少ない状態だ。

血管の内壁を構成し、血液と触れる「血管内皮細胞」と呼ばれる部分からは一酸化窒素(NO)が出る。この一酸化窒素には血管を拡張し、しなやかにすることで、動脈硬化を防ぐ作用がある。「血管力が高いと血管内皮細胞から一酸化窒素がたくさん出て、それによっていっそう血管力が高まっていきます」と池谷さんは話す。

食事・睡眠・禁煙・運動の工夫で血管力を高める

では、どうすれば血管力を高めて一酸化窒素をたくさん出すことができるのか? 池谷さんに教えてもらった。

1. 青魚、ブルーチーズ、ショウガを食事で取り入れる

血管内皮機能を高めて一酸化窒素の分泌量を増やす栄養素には、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸として有名なエイコサペンタエン酸(EPA)や、ブルーチーズに含まれるラクトトリペプチド(LTP)がある。これらの食材を含む、バランスの良い食事を心がけよう。

一酸化窒素は血管を拡張させる作用があるが、逆に「血管を拡張させることでも一酸化窒素はたくさん出るようになります」と池谷さんは指摘する。ショウガ、トウガラシ、適度のアルコールなど、一般に「血行を良くするもの」は血管拡張作用があり、一酸化窒素の分泌を増やすという。

2. 深い睡眠を取る

よく眠ることも大切だ。深い睡眠のときに出る成長ホルモンは、子供だけでなく、大人にも欠かせないホルモン。血管内皮細胞の修復を行い、一酸化窒素を出す力を高めてくれる。

3. 禁煙する

百害あって一利なしといわれるタバコは、血管力の維持にもマイナスになる。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、一酸化窒素の分泌を抑える。また、大量に発生する活性酸素によって血管内皮細胞がダメージを受け、やはり一酸化窒素の分泌が抑えられてしまう。

ちなみに、「喫煙者が心筋梗塞や狭心症を起こすリスクは、タバコを吸わない人の約3倍も高くなる」(池谷さん)という。

4. ふくらはぎを動かす運動を行う

有酸素運動には血管を拡張させる作用があり、一酸化窒素の分泌を増やす。水泳も悪くないが、特にいいのはウオーキング。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるほどで、ふくらはぎの筋肉を動かすことで下半身の血流が良くなる。

忙しくてウオーキングをする時間が取れない人に、池谷さんは「ふくらはぎ体操」を勧める。「40代女性のモニターが4日続けたところ、一酸化窒素の分泌量が3割ほど増えることが確認された」(池谷さん)という。

やり方はいたって簡単だ。立ったまま、ゆっくり両足のかかとを上げて爪先立ちになり、再びゆっくりかかとを落とすだけ。「10回1セットとして、1日3セットやればいい」と池谷さん。

ふくらはぎ体操は床に座った状態でもできる。両足をまっすぐ伸ばし、足の甲をゆっくり伸ばす。続いて足首を曲げ、ふくらはぎをしっかり伸ばす。同じく10回を1セットとして1日3セットやる。

「何歳になっても血管力は鍛えられるし、それによって動脈硬化の進行が抑えられ、プラークができにくくなります。さらに、血管力が上がるような生活習慣を続けることで、結果的に血液もサラサラになっていきます」と、池谷さんは明るい笑顔を見せる。

肝心の血管力が上がれば、ドロドロ血液も自然に改善されるというわけだ。恐怖の「突然死」を避けるためにも、今日から「ふくらはぎ体操」を始めてみますか!

(伊藤和弘=フリーランスライター)

Profile
池谷敏郎(いけたに としろう)
池谷医院院長
1962年生まれ。88年、東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。97年より現職。東京医科大学循環器内科客員講師。日本内科学会認定総合内科専門医。日本循環器学会循環器専門医。著書に『血管を強くして突然死を防ぐ!』(すばる舎)、『人は血管から老化する』(青春新書プレイブックス)など。

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