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控除・前納・免除… 年金保険料、損せぬ払い方

2015/12/5

 長寿化が進む中での大きな支えが公的年金。ただし年金保険料の払い方や年金の加入の仕方について、仕組みを知らないと損をしてしまうことも多い。税金や割引、様々な選択肢の損得について頭に入れておこう。

 都内の出版社勤務のA男さん(52)は先月末、大学生の長男の国民年金保険料を年末調整で申告した。「還付金で趣味のギターを買い替えたい」と楽しみにしている。年金保険料は社会保険料控除の対象になり、その分所得が減って税金が少なくなる。

 しかし「これを知らないまま申告しない人も多い」(税理士の福田浩彦氏)ので要注意だ。年末調整を忘れた場合は自分で確定申告すればいい。過去に申告していなかった分も原則5年前までならさかのぼって申告できる。

 2015年度の国民年金保険料は毎月の現金払いなら1万5590円。ただしお得な支払い方はいろいろある。例えば昨年から始まったのが2年前納の仕組みで、A男さんもこの仕組みを使った。

 2月末までに申し込んで4月分から翌々年3月分までの保険料を納めると、毎月の現金払いより合計で1万5000円強も支払額が減る。

■カードも原則OK

 2年前納でも全額が前納した年の社会保険料控除の対象。税率をかけた金額が還付額だ。A男さんは所得が高いので「十数万円は税金が減りそう」と話す。自営業者の場合、所得が多くて税金が増えそうな時期に2年前納を選べば節税にもつなげられる。

 国民年金保険料はほかにも様々な納付方法が選べる(表A)。例えばポイントをつけられるクレジットカード払いも原則可能だ。

 本人や親が国民年金保険料を納めることが経済的に難しければ、全額・一部免除、学生納付特例、若年者納付猶予という仕組みがある。

 老齢基礎年金は本来、25年以上納付しないともらえないし、障害・遺族年金も原則、きちんと納付するのが条件だ。しかし免除などを受ければ年金の加入期間として算入されるので、老齢基礎年金の受給資格を得やすくなるだけでなく障害を負えば障害年金を受給できる。「原則として未納の状態で障害を負っても受給できないので要注意」(社会保険労務士の小野猛氏)

 将来受け取る年金は、免除の場合と特例・猶予とでは異なる。免除では本来もらえるはずだった老齢基礎年金の一部を受け取れる。一方、学生納付特例や若年者納付猶予は、対象期間分の老齢基礎年金はもらえない。

 将来の年金額を増やすには保険料の追納という方法がある。免除などを申請しておけば、期間が10年以内ならさかのぼって追納できる。未納の場合は2年分しか追納できないが、18年9月までは5年分は追納できる。

 国民年金保険料の1年分の納付額は約18万7000円。「1年多く納付すると老齢基礎年金が2万円弱増えるので、65歳の受給開始後に9年強生きれば元がとれる」(小野氏)。扶養している子どもの保険料を追納した場合も「社会保険料控除の対象」(福田税理士)だ。

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