マネー研究所

男の家計改善

火災保険の長期契約で得する人、損する人

日経マネー

2015/12/16

日経マネー

 枝葉の節約もいいが、男なら太い幹の「構造」を知り、改善を考えるべし――。労働組合シンクタンクの生活経済研究所長野の事務局長を務める塚原哲氏が、アッパーミドル層の男性を対象に「骨太」の家計改善法を伝授する。19回目は、火災保険の長期割引について解説する。長期契約のうえ、保険料を一括払いすれば保険料を割安にできるが、手持ち資金の少ない人は注意が必要だ。

 火災保険と火災共済が大きく異なる点に、長期契約の有無がある。長期契約とは複数年分の契約をすることで割引が受けられるもので、1年契約を更新するより掛け金がお得になる。火災保険には長期契約があるものの、火災共済は1年契約のみ(JA共済を除く[注1])で長期契約がない。

 この点は共済の弱点とされることも多いのだが、長期契約で得する人ばかりではない。細かく見てみると、損をする人が出てくるのだ。

■商品改定で長期契約が短縮

 火災保険の長期契約は2015年10月に大きく改定され、最長契約期間が36年から10年に大幅に短縮された。それに伴って契約者が受けられる割引も縮小されるため、9月末までの契約を急いだ読者もいることだろう。

 この長期契約には契約期間中の保険料を一括払いするプランと、年払いするプランとがあるが、割引の大きい前者を選ぶ人が多い。保険を販売する代理店の立場からしても、一括払いするプランの方が一度に得られる収入が大きいことから、一括払いに傾斜したアドバイスを受けやすいという側面もある。

 表1はセコム損害保険の火災保険[注2]の掛け金だ。長期割引がない場合の10年分の保険料は59万6600円だが、長期割引があれば10年契約だと初回に50万490円を支払うことになる。後者は前者に比べ、約16%安い計算だ。両者の違いは2年目以降(9年分、44万830円[注3])の掛け金を契約初年に払うかどうかにある。

[注1]JA共済の火災共済「建更むてき」の保障期間は5年または10年で、1年契約自体がない
[注2]東京都内、45坪、木造H構造、建物3600万円、家財1500万円、ワイドプラン(オールリスク)
[注3]50万490円(10年契約保険料)-5万9660円(1年契約保険料)

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