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直販参入は「投資家と対話するため」 鎌倉投信社長

 

2015/11/16

日経マネー

 運用責任者のNHK番組出演が話題になった、独立系最後発の鎌倉投信「結い2101」。古民家を改築した本社で、設定以来貫く「直販」という形態へのこだわりを鎌田恭幸社長に聞いた。

かまた・やすゆき 1965年島根県生まれ。88年東京都立大学(現首都大学東京)を卒業後、日系・外資系の信託銀行で運用業務に20年以上携わる。外資系信託銀行の副社長を経て、同僚だった新井和宏氏(現鎌倉投信取締役資産運用部長)らと2008年11月に起業、社長就任。2010年3月に「結い2101」を設定

──なぜ外資系金融から独立して直販投信会社を立ち上げたのか?

 2008年1月に前職を辞めた際は社会に貢献できるNPO(非営利組織)設立などを検討したが、金融の経験を生かした応援役の方が役立てると考え、金融ベンチャーとして出発した。前職で機関投資家向けの運用を担っていたが、同じ事業なら独立する意味はない。投資先企業の素晴らしさを広く知ってもらいたくて「公募型投信の直販」を選んだ。

 当時の成功事例は「さわかみファンド」ぐらい。潜在顧客はいるものの、黒字化に3~7年かかると見ていた。2015年度には単月で、2016年度は通年で黒字化を達成できそう。設定6年目なので概ね目標通りといったところだ。NISA(少額投資非課税制度)とマイナンバーの対応で出費がかさみ、1年遅れになったが。

──これまでに経営の危機は?

 会社設立の直前にリーマン・ショック、運用を始めた10年に欧州債務危機、翌年に東日本大震災が起きた。それでも創業前に数カ月かけて事業方針や投資哲学を固めていたからぶれなかった。事業家や地元鎌倉の富裕層らが増資に応じてくれているので、独立系でも資金繰りに苦しまずに済んだ。

──アベノミクス以降の上昇局面では市場平均に後れを取っている。

 結いは下落リスクを抑えつつ期待リターン5%を目指している。今の株高の理由は企業の成長やイノベーションではなく、政策主導の過剰な流動性だ。効果が剥がれる時に結いの実力を発揮できる。

結いが定める「いい会社」のテーマは3種類ある。人は「人財を活かせる」、共生は「循環型社会を創る」、匠は「日本の匠な技術・優れた企業文化を持ち、また感動的なサービスを提供する」

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