マネー研究所

男の家計改善

似て非なる「火災保険」と「火災共済」 補償範囲に差

日経マネー

2015/10/23

日経マネー

 枝葉の節約もいいが、男なら太い幹の「構造」を知り、改善を考えるべし――。労働組合シンクタンクの生活経済研究所長野の事務局長を務める塚原哲氏が、アッパーミドル層の男性を対象に「骨太」の家計改善法を伝授する。17回目は、火災共済と火災保険の違いについて解説する。掛け金は共済の方が安いが、補償の範囲が違うので注意が必要だ。

 火災補償(保険・共済)の見積もりを取り比べると、「火災の部分の掛け金は共済の方が安いのに、地震の部分は保険会社の方が安い」となりがちだ。これは事実なのだが、そもそも火災保険と火災共済とでは守っている範囲が異なることをご存じだろうか(図1)。

 火災に備える補償は「住宅火災保険」と「住宅総合保険」の2つのタイプに大別されるが、両者は補償の範囲が違う。細かいところはさておき、ここでは特に、「水災」と「地震・噴火・津波」の2点に注目してみよう。

 洪水などによる床上浸水や建物の損傷といった水災の損害は、住宅総合保険タイプでは補償されるが、住宅火災保険タイプでは補償されない。補償の範囲が広いため、前者の方が掛け金は高くなる。

 ちなみに損害保険各社の火災保険は住宅総合保険(オールリスク[注1])が基本で、水災は補償に含まれているのが一般的だ。一方、全労済や都道府県民共済[注2]をはじめとする共済団体のほとんど[注3]は住宅火災保険タイプ。水災まで備えたい場合は別途、自然災害共済に加入する必要が出てくる。

 地震・噴火・津波は、住宅火災保険、住宅総合保険いずれのタイプも補償の対象ではない(ただし、見舞金程度の給付が受けられる場合がある)。従って地震が心配なら、損保各社の場合は火災保険+地震保険、共済団体の場合は火災共済+自然災害共済に加入する必要がある。

 ここでもう一度、図1を見てみよう。地震保険は地震のみを補償するものだが、自然災害共済は水災と地震の両方を補償している。結果として、地震保険よりも自然災害共済の方が掛け金は高くなるという理屈だ。

[注1]フルコース型の補償で、そこから不要な補償や特約を外していく。水災なども必要に応じて付けたり外したりできる
[注2]都民共済、道民共済、県民共済、府民共済、全国共済(神奈川県)など
[注3]JA共済は自然災害共済も自動付帯されるため対象外とした

マネー研究所新着記事