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ヘルス

帯状疱疹には即、抗ウイルス薬 1週間服用で完治

 

2015/11/15

日経ヘルス

 痛い! 赤い発疹も出てきた……。疲労やストレスで免疫力が低下した体を容赦なく襲う病気、それが「帯状疱疹」(たいじょうほうしん)だ。女性に多く、3人に1人がかかるといわれている。つらい痛みから解放され、跡を残さず治すには、素早い治療が鉄則だ。帯状疱疹の症状や治療について、3回に分けて解説する。2回目は治療法について見ていこう。

先発医薬品は「ファムビル錠」(一般名はファムシクロビル)(左)、「バルトレックス錠」(一般名はバラシクロビル)(右)の2種。最近は、ジェネリック(後発医薬品)も登場している。ウイルスの増殖を抑えるので、できるだけ早くのみ始めたい

 帯状疱疹はとにかく痛い。当初は痛みだけで何の病気か分かりにくいが、数日すると発疹が出てくる。症状に気づいたら、すぐに受診しよう。「発疹が出て3日以内に抗ウイルス薬をのめば、多くは跡形もなくきれいに治る」と、まりこの皮フ科の本田まりこ院長は話す。抗ウイルス薬は痛みが消えてもやめず、1週間のみ続ける。

 薬をのまなければ自然に治るまでに約3週間かかるが、のむと1週間~10日程度で治る。早くのめば発疹が水ぶくれになってただれたり、潰瘍になったりして跡が残るのを防げる。重症化の防止にも有効で、治療後に痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」の予防にもつながる。

 受診は皮膚科か内科へ。「痛みがひどい場合は最初からペインクリニック科を受診してもいい」(NTT東日本関東病院ペインクリニック科の安部洋一郎部長)という。

重症化すると脳炎や顔面麻痺、視力低下(顔の場合)などの合併症が起こったり、神経痛などの後遺症が残ったりする。できるだけ早く抗ウイルス薬をのんで休養することが肝心だ

■寝不足やストレスが引き金に

 痛みに対しては鎮痛薬なども処方される。「解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンが適している。痛みを感じる脳に直接働き、胃腸障害などの副作用も少ない。抗うつ薬にも鎮痛効果がある」と本田院長。

 休養も大切だ。そもそも発症の引き金は疲労や寝不足、ストレスなどによる免疫力の低下。「痛みや発疹は『休みなさい』という警告だ」と本田院長は話す。特に初期から痛みが強い、発疹が広範囲に出ている、糖尿病などの持病がある人は、重症化しやすいので要注意だ。

 なお、女性の場合は、「排卵後から月経が始まるまでの黄体期は免疫力が低下しがちな時期」(本田院長)という。体のリズムを知って無理をしないことも重要だ。

子どものころに感染した水疱瘡ウイルスは長年、脊髄の神経節にじっと潜伏しているが、免疫力が低下すると再活性化。増殖しながら神経に沿って皮膚表面へと移動する。このときに神経が傷つけられ、痛みが生じる。ウイルスは1週間ほどで皮膚表面下に侵入し、赤い発疹や水ぶくれを引き起こす。神経に沿って帯のように発疹が現れるので、“帯状”疱疹と呼ばれる (イラスト:三弓素青)


 「帯状疱疹にかかるのは一生に一度だけ」などと聞くが、そんなことはないそうだ。「一度かかると水疱瘡ウイルスに対する免疫ができるが、効くのは10年程度。再び免疫力が低下すると再発する可能性がある」と本田院長。


 帯状疱疹自体はうつらない。ただし、まだ水疱瘡になっていない人は、水疱瘡になる可能性がある。「水ぶくれに触ったり、近くに何時間もいたりするとうつる危険があるので、水疱瘡の未経験者はご注意を」(本田院長)。

■この人たちに聞きました

本田まりこさん
 まりこの皮フ科(横浜市鶴見区)院長。専門は帯状疱疹などの皮膚のウイルス感染症。「アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息、膠原病などのアレルギーの病気がある人は、水疱瘡ウイルスを抑え込む『細胞性免疫』の力が弱いので、帯状疱疹になりやすい。気をつけてほしい」

安部洋一郎さん
 NTT東日本関東病院(東京都品川区)ペインクリニック科部長。麻酔科医。専門は神経ブロックなど。「痛みは不安を招き、それが痛みを悪化させる。我慢せず、早く痛みを取り除く治療を。最初に痛みが出た時点でペインクリニックを受診してもいい。抗うつ薬や抗てんかん薬も、神経の痛みによく効く」

(ライター 佐田節子、構成:日経ヘルス 黒住紗織)

[日経ヘルス2015年10月号の記事を再構成]

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