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ホッキョクグマ、温暖化を生き抜く4つの適応策

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NIKKEI STYLE

ナショナルジオグラフィック日本版

ホッキョクグマにとっては試練の時だ。地球温暖化で海氷が縮小するにともない、氷の上でアザラシなどを捕食するホッキョクグマの個体数が激減している。

NPO「ポーラーベアーズ・インターナショナル(PBI)」によると、野生のホッキョクグマの生息数は2万5000頭足らずになっているという。

しかし気候変動への即効策がない以上、ホッキョクグマは知恵を働かせ、食料不足を克服しなければならない。変わりゆく地球で生き延びるために、ホッキョクグマが実践する4つのサバイバル術を紹介しよう。

食べ残しを冷蔵

ノルウェーの北極圏に浮かぶスバールバル諸島の研究チームは最近、あるやせ細ったホッキョクグマがイルカを食べ、しかも食べ残しを雪に埋めているのを目撃した。これは通常ではまったくありえない光景だ。

まず、ホッキョクグマが好んで食べるのはアザラシだ。ホッキョクグマがこの種のイルカを食べる姿が確認されたことはかつてない。さらに、ハイイログマなど、他の種のクマが餌を保存しておくことは知られているが、ホッキョクグマが食べ残しを「冷蔵」することはほとんどない。

いったい何が起こったのか、推測してみよう。まず、氷がない時期、イルカがスバールバル諸島に泳ぎ着いた。この一帯は通常、年間を通じて氷に覆われているため、そもそも氷がないこと自体が異常だ。しばらくして氷が押し寄せると、イルカたちは逃げ場がなくなり、ホッキョクグマの餌食になったのだろう。

ホッキョクグマにとっては、一時的には天からの恵みだ。氷に囲まれた穴からすくい上げるだけで、脂肪たっぷりの食事をとることができるのだから。

しかし、世界自然保護基金(WWF)で北極圏の責任者を務めるピーター・ユーインズ氏は、これでノルウェーのホッキョクグマが安泰と言えるわけではないと言う。「長期的に見れば、餌となるイルカの数は減っていくでしょう。持続的に高脂肪の獲物を確保できるというわけではないのです」

渡り鳥の卵

カナダには毎年、繁殖のためハクガンがやって来る。通常、雌は1度に4個の卵を産む。ハクガンはかつて米国で絶滅の危機にさらされたが、見事、復活を遂げた。

これはホッキョクグマにとっては幸運な出来事だ。脊椎動物学を専門とするロバート・ロックウェル氏が2011年に学術誌『Oikos』で発表した研究論文によると、ハクガンの卵はホッキョクグマの非常食になっているという。ロックウェル氏は当時のインタビューで、「栄養価が高く、バターの塊を食べるようなものです」と表現している。

ロックウェル氏の計算では、ハクガンの卵を88個食べれば、アザラシ1頭と同等のカロリーを摂取できる。アラスカにある米地質調査所アンカレッジ支部の野生生物学者キャリン・ロード氏も、幸運にもハクガンの卵にあり付けるホッキョクグマは確かにいると話す。ただし、こうした「拾いもの」の餌だけでは、ホッキョクグマは存続できないと警告している。

海岸でのんびり

地球温暖化と海氷の自然変動が原因で、北極圏では夏に海氷が解けている期間が長びき、冬になっても凍結しなくなりつつある。必然的に、氷の上で子育てを行うアザラシを主食とするホッキョクグマは、餌を見つけづらくなる。

ロード氏は「海氷が少ない夏の間、海岸にやって来るホッキョクグマの割合が増えています。そこで過ごす時間も、以前より長くなっています」と説明する。短い夏の間、陸の上で休眠に近い状態でエネルギーを温存しているのではないかと考える研究者もいる。

ところが、7月に『サイエンス』誌で発表された論文は、そうした説に疑問を投げかけている。研究チームが陸で過ごすホッキョクグマに活動量計を取り付けたところ、飢えによる自然な代謝率の低下は見られたものの、それ以上の変化が認められなかった。

人間の食べ物にも興味

ホッキョクグマは「成り行き任せで餌を食べるところがあります」とロード氏は話す。「ときには有害なものまで、何でも食べてしまいます」。人間が暮らす街にある食べ物やごみも例外ではない。

2014年、カナダ、ヌナブト準州のアルビアットという町では、ハロウィンの行事を屋内で行うことにした。子供たちがお菓子をもらいに家々を訪ねるとき、ホッキョクグマに襲われる危険があったためだ。

町への関心をそらすため、WWFはクマに破壊されることのない金属製の食料箱を配布した。また、ホッキョクグマ監視人を雇い、大きな音でクマを驚かせるクマよけやスポットライトを持たせた。

WWFのユーインズ氏は、ホッキョクグマはこれからも餌を得るため、自分たちが置かれた状況に適応し続けなければならないと話す。気候変動が少しは落ち着くようになるまで、「あと数十年は、氷の上で暮らす動物たちには試練の時が続くでしょう。ホッキョクグマや土地の人々がこの試練を乗り越えられるよう、手助けをしていくつもりです」

(文 Rachel A. Becker、訳 米井香織、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック ニュース 2015年9月9日付]

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