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給付金が半分しか出ないことも 医療保険の落とし穴 本当に役に立つ医療保険の選び方(2)

2015/9/7

日経マネー

 「日本人は保険に入り過ぎ」と言われたのは、ひと昔前の話。最近はむしろ“保障不足”が目立つという。家計相談のプロ・藤川太さんと医療現場にも詳しい塚原哲さんに、本当に必要な医療保険の選び方を語ってもらった。2回に分けて紹介する。2回目は、再入院時の180日ルールなど、意外に知られていない保険の落とし穴を解説する。

塚原(以下、塚):医療保険の支払い限度日数も「通算」の方が注目されがちですが、実は「1入院当たり」が大事。医療現場で今課題とされているのが「180日ルール」です。180日ルールというのは私どもの命名なんですが。

藤川(以下、藤):どのルールのことですか。

塚:例えば、Aさんという人が糖尿病の治療のために4月1日から60日間、7月1日から50日間、10月1日から40日間入院したと仮定します。Aさんが日額5000円を1入院当たり60日、通算1000日まで給付する医療保険(入院1日目から給付)に加入していたら、5000円×(60+50+40)日=75万円が給付されると思うでしょう。

 実は違うんです。5000円が60日分で30万円だけになります。なぜなら、同じ病気によって再入院する場合、最初の入院の退院の翌日から180日以内だと、前の入院と合わせて1入院と見なされてしまうからです。

同じ病気で再入院する場合、前回の退院から180日を過ぎていないと、前回と合わせて「1入院」とカウントされてしまう。加入している医療保険の1入院の支払い限度日数が60日であれば、通算61日間以上入院しても最大60日分までしか入院給付金が下りない。糖尿病や高血圧症による合併症の場合、個別の病名は違っても原因は同じなので180日以内の再入院は全て「1入院」となる

藤:病気にもよりますが、再入院が必要になるケースは少なくないですよね。

塚:その通りです。退院した方の3割くらいが再入院すると言われています。しかも最近は、別の病気が原因で入院しても180日ルールが適用される保険が出てきているんですよ。これは大変です。高齢になれば、複数の病気を抱えている人も大勢いますからね。

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