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通勤時間90分もいとわず 鎌倉の自然の中で子育て

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日経DUAL
共働き世帯の増加は日本全国に共通するテーマ。地方の共働き世帯の本音を聞くために、編集部が走り回ります。今回は神奈川県鎌倉市に在住の二人のワーキングマザーにインタビューをしました。さて、どんな本音が聞こえてくるでしょうか(文中は仮名です)。

鎌倉在住「バリキャリ」ワーママ。都心のIT企業と新聞社の正社員

DUAL編集部 今日は、日経DUALの読者でもある「鎌倉デュアラー(共働き)」のお二人にお集まりいただきました。それぞれ都内の有名企業にお勤めで、子ども二人を持つママ達です。まずは勤務状況から教えてください。

遠藤さん(仮名・以下敬称略) 私は外資系ITコンサルティング企業に入社以来、広報を担当していましたが、その後、経営企画部門に異動し、2年前から希望して営業に移りました。ITを使ったシステムを企業に導入してもらう仕事です。

10年以上担当した広報職では、育休から復帰した後も目の前の仕事に追われながらも充実していました。でも、社内留学制度で経営企画に行ったことがきっかけとなり、「営業」という新しい職種で今までの仕事経験を生かしてみたいという気持ちが強くなりました。

うちの会社は、子どもを産んだ後の離職率は低いと聞いています。個人の希望に合わせて様々な制度を利用したり、職種変更をしたりして乗り切る女性が多いと感じます。また、仕事をする場所や時間にあまり制約がないことが、ママやパパにとっての働きやすさにつながっていると思います。

神田さん(仮名・以下敬称略) 私は新卒で入った新聞社に勤務して20年近くになります。長野市や横浜市といった支局の記者を経て、本社の秘書部に異動。「記者をやりたいのに、なぜ秘書をやらなければいけないの?」という葛藤がありました。

その2年後に記者職に戻り、政治部や社会部などを経験しました。政治家を追って料亭に張り付いたり、呼び出しの電話が鳴れば深夜でも現場に駆け付けたりする日々。朝も夜も、休みも無い、本当に忙しい生活でした。

結婚は31歳のときです。結婚後もバリバリ働いてはいましたが「そろそろ子どもが欲しいな」と思うようになりました。しかし、記者職では忙しいのとストレスで、妊娠は「まず無理」という感じで。不妊治療も受けましたが、合わなくてすぐに諦めてしまいました。

そんな中、突然、教育関連の事業部に異動が決まりました。新聞を使って教材を作る仕事を担当し、今もそこにいます。ストレスフルな記者職から事務職に移った39歳のころに、念願の妊娠をしました。

引っ越したきっかけは「保活の失敗」と「親の介護」

―― 鎌倉に引っ越したのは、いつごろ、どんなきっかけだったのですか?

遠藤 長女が生まれたときは会社から近い江東区に住んでいたのですが、5カ所の保育園に入園を断られてしまって。近くに大きな庭園があって、住環境は悪くなかったのですが、保育園に入れないとなると、実家のある鎌倉に住むしかないかなと考えるようになりました。

東京育ちの夫は海のスポーツはやらないし、「会社まで遠いな~」って不満そうでした。でも、東京で保育園に入れないんじゃ、鎌倉に移住する以外に選択肢が無かったんですよね。それを口実に夫に鎌倉移住を口説いたっていうのもありますけれど。住めば都で、夫も鎌倉での生活を楽しんでいます。パパ友としょっちゅう釣りに出かけたり家族ぐるみで遊んだりして。鎌倉は遊び上手な人が多いな、と感じています。

神田 うちは私の母が亡くなっていて、腰痛持ちの父と未婚の姉が鎌倉に住んでいます。結婚当初、私達はたまプラーザに住んでいたのですが、父と、父を支える姉のそばにいてあげたくて、生まれ育った鎌倉に戻ることに決めました。鎌倉に住んで4年目に長女を出産。そのあと、2歳差で長男が産まれました。

鎌倉市は「育休を取って家にいるなら2歳差以内の在園児も家で見なさい」という方針で、保育園を退園させないといけなくなってしまうんです(当時)。

そこで長男を生後4カ月で認可外保育園に入園させ、早々と仕事に復帰しました。それぞれ違う保育園にお迎えに行くためには15時までしか働くことができず、出社してもあっという間に帰らないといけませんでした。うちの会社は家に仕事を持ち帰らせてくれないんですよ。厳密に言うと、自分の席にいる時間しかお給料が出ない。ここを何とかしてもらえればもっと効率的に働けるのになと思います。途中で上の子と同じ保育園に転園できたのでホッとしましたが。

遠藤 うちの会社はノートパソコンが支給されて、家やサテライトオフィスなど本社以外で仕事をすることが認められています。営業職は週一度、チームで集まって進捗報告をする以外は基本的にどこで働くのも自由です。私はお客さんのところにいることが多いので、帰宅時間もお客さん次第という日も。自分次第で働けるのですが、その分成果と自律性が求められます。

じいじ・ばあばが保育園迎えの主な戦力。それが難しいママは16時に退社

―― 会社が都内にあって、保育園が鎌倉だと保育園のお迎え時間に間に合わせるために、調整が大変ではありませんか。

遠藤 普段の登園は夫か私が、お互いの仕事の都合に合わせてやっています。お迎えは私の親にお願いしています。家に連れて帰って夕ごはんまで作ってくれるので本当に助かっています。私の帰りが遅いときは夫に早く帰ってもらって、じいじ・ばあばと交代します。長女はもう小学生なので、じいじ・ばあばと一緒に保育園に妹のお迎えに行ったりしているようです。

神田 じいじ・ばあばに頼れて本当にうらやましい! うちは朝の登園は夫に任せて、お迎えは私が担当しています。保育園の送り迎えって、お迎えを担当する側への負担のほうが圧倒的に大きくありませんか?

夫も別の新聞社で記者をしているのですが、朝は比較的自分のペースで時間配分ができるようです。子どもを送って出社したら、あとは好きなだけ仕事に打ち込める。お迎え担当の私は18時に保育園に行くために、16時には会社を出なきゃいけないんですよ。鎌倉なので。うちの部署で16時に退社するのは、私と育休が明けて間もない女性だけ。せめて17時まで働けたらお給料も違ってくるのにな、なんて思っています。でも、子どもが小さいうちは「これでもいいかな」とも感じています。

子どもが近所のおばあちゃんの家でテレビを見ていたりする

―― 鎌倉住まいの魅力はどんなところですか。

遠藤江東区も悪くはなかったのですが、自分が鎌倉で過ごした子ども時代には、防空壕を探したり、海で泳いだりと自然が身近にあって、泥だらけになって遊んでいたのを覚えています。子どもにも私と同じ体験をさせてあげたいと思って。

また、親だけじゃなく、鎌倉は色々な大人が子育てに関わっている感じがして、そこがすごくいいんですよね。例えば、「子どもがいないな」と思うとご近所のおばあちゃんの家でお菓子をもらってテレビを見ていたり、お店が多くある地域に住んでいるので、お店のおねえさんやお客さんと交流したり。子どもが親の価値観だけじゃなく、色々な人の価値観に触れられるのっていいなって思います。

5月からは週1回、ファミサポ(ファミリーサポーター)さんにもお迎えと夜ごはんをお願いしています。さすがに70歳を過ぎたじいじ・ばあばも共働き夫婦のサポートに疲れてきたというのもありますが、単なるサポートのためという意味だけではなく、子どもが色々な大人と関われたら、という思いが強いですね。

あと、「鎌倉のファミサポさんは優秀な方が多い」というのが実感です。子どもがごくごく小さい時にお世話になっていた方は声楽士で、即興でアンパンマンの歌をピアノで弾いてくれたり、歌を歌ってくれたりしました。おかげさまで、子どもは二人とも歌や音楽が大好きになりました。他にも特技のある方が結構多いですよ。

―― 東日本大震災のときは会社から鎌倉まで、当日に帰ってこられないお母さんがかなりいたようです。そういうときにも、日ごろからファミサポさんとつながりがあると安心ですよね。自宅から距離がある場所に通勤しているご家庭はいざというときのために、考えておいたほうがいいかもしれません。

神田私は父のことがあって鎌倉に9年前に帰ってきましたが、住み続けているのは町の雰囲気が好きだから。町は古いのですが、その古さを求めて新しい人がどんどん集まってくるのが面白いです。確かに鎌倉は地方ですが「田舎田舎」はしていないですよね。

自宅が観光地にあるので、休日はまともに歩けなくて大変ですけど、自宅から会社までの90分は色々なことに使えて結構いいですよ。電車でも座れることが多いですし。妊娠中でつわりがひどかったときはグリーン車に乗っていました。

毎朝夫と一緒に電車通勤しながら、40~50分話す時間が実は重要

遠藤 そうそう。通勤時間を使って仕事したりね。うちは朝の通勤時間をなるべく夫婦で一緒に過ごすようにしています。夫は最初、「一緒に行く必要ある?」って迷惑そうな感じだったのですが、一緒にいられる40~50分で様々なことを話すようになりました。子どものこととか、家のこととか、気になることなら何でも。仕事が忙しいからなかなか家だと話せないじゃない? 

「別にあなたのことが好きで、一緒に通勤してるんじゃないの。勘違いしないでね~」なんて言いながら、できるだけ一緒に行くようにしています。夫婦そろって保育園に子どもを送り届けることもありますし。こういう時間がすごく大事だなって感じています。

神田 あと、私は早く帰るために職場の飲み会はほとんど行きません。自分が主役であったり、よほどのことがない限り。子どもをお迎えに行ったら寝かせるまでバタバタです。今は仕事と育児だけです、ほんと。

二人目の出産時は、育休を取らずフルタイム勤務。在宅勤務のシステムを活用

―― お二人は都心の大企業に勤め続けながら、自然あふれる鎌倉を選び、恵まれた環境の中で育児をされています。通勤には少々難ありでも、キャリアを諦めない生き方ですよね。

遠藤 私の場合は、二人目を産んだとき、育休を取らずにフルタイム復帰するという選択をしました。わが家も上の子と下の子が2歳差なので、妹のために育休を取るならお姉ちゃんが保育園を辞めないといけなかったですし(当時)、上司に「時短は今後のキャリアに響くから使わないほうがいいよ」って言われたことも理由の一つでしたね。

在宅勤務のシステムを活用して、下の子は6カ月になるまで家でお世話しながら乗り切りました。そのため、今通っている認可保育園の激戦枠であったゼロ歳児クラスに入園することもできました。当時は広報担当だったので、電話とパソコンさえあれば問題なく家で仕事ができましたからね。

貪欲に探したら、社内で「仕事が面白くて働きやすい部署」を発見し、異動

神田 今の部署は時短勤務が取りやすく、子どもを持つ女性が働きやすいため、他部署からは「マザー牧場」って言われているくらいなんです(苦笑)。しかし、職場環境は良くても、仕事の内容は面白くない。やっぱり記者に戻りたいというのが本音でした。人事部に相談しても「でも、いざというときにお子さんはどうしますか? 神田さんはデスククラスなので、戻っても今は席が無いですよ」なんて言われちゃうと、何も言えないですよね。

それでも「探せばきっと、仕事も面白くて働きやすい部署があるはず」と諦めずに探していたらいい部署が見つかり、7月に異動することになりそうです。子どものための新聞を作る部署で、発行は週1回。深夜作業も無し。たぶんこれまで通り鎌倉に18時には帰れそうです。求めれば条件に合った部署が見つかる可能性がある、というのは大企業の醍醐味だと感じます。

遠藤 私は希望した営業に移れたので、広報のときよりもモチベーションが高く持てて、すごく楽しんでいます。何しろ成果を上げれば時間も勤務場所も問われないので、鎌倉に住んでいることが特にデメリットになりません。反対に、好きな環境で暮らすことができて、リフレッシュできているんじゃないかなと思います。

―― 鎌倉では「通勤が大変だから会社勤めを辞めたい」というお母さんの声も多く聞きます。確かに約90分の通勤は、保育園児を持つお母さんにとってはなかなか簡単なことではありません。その中でも、鎌倉の自然の中での育児生活に価値を見いだしているお二人のお話を伺って、クオリティー・オブ・ライフについて改めて考えるきっかけを頂きました。

(ライター 株式会社Waris・飯田麻衣子)

[日経DUAL 2015年6月22日付記事を再構成]

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