「ひざ痛に筋トレ」は誤り 始まりは靱帯の過緊張
30~40代という若い世代の中にも、ひざ痛に悩む人が増えている。「猫背や横座りなど、ひざに偏った負荷をかける体の使い方のクセが影響している」と話すのは、ゆうき指圧整体院の大谷内輝夫院長だ。あなたは、ひざ痛を招く「3大要因」に心当たりはないだろうか。
偏った体の使い方がひざ靱帯の過緊張を呼ぶ
ひざ関節は他の関節よりダメージを受けやすい。「曲げ伸ばし以外の動きができないのが、ひざ関節の特徴。だから、偏った負荷やひねりなどの力のかかり方に弱い。股関節や足首などひざにつながる関節が硬い人も、ひざへの衝撃が大きくなる」(大谷内院長)。
悪いクセが直らなければ、ひざに負荷がかかり続ける。その結果起こるのが、ひざ関節を前後左右から固定している「靱帯」(じんたい)の過緊張だという。すると、ひざ関節の動きはますます悪くなり、負荷がかかった軟骨はすり減っていく。やがて関節のずれを防いでいる靱帯や関節包(かんせつほう)などに炎症が起き、ズキズキとした痛みとなって現れる。
ひざの痛みの解消にと、ひざ前面の筋トレやストレッチを薦められることがあるが、大谷内院長は、「まず最優先すべきは、固まったひざ靱帯をほぐすこと。関節の動きが良くなれば、自然と筋力バランスが整い、姿勢も歩き方も良くなる」と話す。
この人に聞きました
ゆうき指圧整体院(大阪市住吉区)院長。あんまマッサージ指圧師。NPO法人ゆうき膝・股関節研究所所長。ひざ・股関節専門の治療家として、手術なしで痛みを治す「ゆうきプログラム」を考案。医師、理学療法士などとともに運動療法の普及に尽力する。
(ライター 柳本操、構成:日経ヘルス 黒住紗織)
[日経ヘルス2015年8月号の記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。