ダイエット中も我慢は不要 おやつの賢い食べ方を知る
「甘いものは食べたいけど、太りたくない。でもやっぱり、美味しいおやつがどうしてもやめられない」という人は多いでしょう。「普段のおやつの食べ方をちょっとだけ変えることで、むやみに我慢することなく、安心しておやつを楽しむことができる」と、日本野菜ソムリエ協会・おやつアドバイザー養成講座の監修を務める岸村康代さん(フードプランナー、管理栄養士/シニア野菜ソムリエ)は言います。
同協会では、「おやつを賢く食べる」をテーマにした日本初の講座「おやつアドバイザー養成講座」を開講しています。今回、特別に「簡単ダイエットおやつチェック」を作っていただきました。
簡単なチェックリストで、あなたに合ったおやつの食べ方を見つけてみましょう。
【チェック項目の解説】
CHECK 1:ナッツは体に良いから頻繁に食べる
→ 代わりに甘栗を食べてみては
ナッツは体に良いからとついつい食べ過ぎてしまうと、100gで定食1食分のカロリーに。 ナッツ類に多く含まれる脂質には強い中毒性があるので、適量で止められない人はナッツ以外のおやつに変えるのも一案です。たとえば、甘栗は脂質が少なく、糖質を燃やすために必要なビタミンB群や食物繊維も含まれているので、ナッツの代わりにするのもおすすめです。コンビニなどでよく見かける「甘栗むいちゃいました」は35g入り一袋で66kcalなので、安心して食べきれます。
CHECK2:甘いものを食べたいから食事を抜く
→ 甘いものは単体ではなく、食物繊維やたんぱく質を一緒にとる
甘いもの単体で食べてしまうと、血糖値の急激な変化が起こりやすく、その結果、脂肪を溜め込んでしまうことに。さらに食事を抜くと次の食事の吸収度が高まり、血糖値が急上昇しやすくなります。甘いものは単体よりも、食物繊維が豊富な抹茶やたんぱく質が含まれる豆乳などと一緒にとることで血糖値がゆるやかに上昇し、太りにくくなります。
CHECK3:カロリーゼロの清涼飲料水をよく飲む
→ 人工甘味料には体重増加作用があるので飲み過ぎに注意
カロリーゼロの清涼飲料水の多くは、人工甘味料を使用しているケースが多いです。近年、世界中の研究機関によって、人工的に作られた甘味料に体重増加作用があることが報告されました。満腹中枢に間係する脳のメカニズムに影響を与えて、結果的に太ってしまうと考えられています。過剰にとることは控えて、ナチュラルな炭酸水やお茶などを活用するのもおすすめです。
CHECK4:夕食後についついおやつに手が出てしまう
→ おやつを夜に食べ過ぎると脂肪が蓄積されやすい
おやつを食べる時間はとても重要。時間栄養学という学問の研究が進み、おやつを夜に食べ過ぎると脂肪が蓄積されやすいことが分かっています。さらに、夜は体や頭を昼間ほど動かさないので、消費されないエネルギーが脂肪として蓄積されてしまうことに。18時以降のおやつはなるべく控え、同じおやつならお得な「お昼の時間」に食べましょう。
CHECK5:おやつはいつも我慢して食べない
→ 適量を味わうほうが、食べすぎ防止につながります
我慢強い人は大丈夫なのですが、私のこれまでの栄養指導経験では、我慢しすぎてしまう人ほど、夜にドカ食いをしてしまったり、逆に結果的に食べすぎてしまうことに。食べたいものはガマンしすぎず、適量を昼間に味わって食べることで結果的に食べすぎを防ぐことができます。
CHECK6:甘いおやつが毎日の習慣
→ 甘いものの食べ過ぎはシワやたるみの原因に。 ご褒美程度にとどめて
甘いおやつを毎日の習慣としてたっぷり食べている、という人は要注意。食べすぎてしまうと、ダメージが蓄積されて美容や肥満の大敵に。「糖化」という反応により、シワやたるみの要因にもなります。ケーキなどの甘いものは、「習慣」ではなく「ご褒美」という位置づけにして。日頃は食べすぎに注意をすることで、「ご褒美」を大切に味わって食べるようにもなります。
CHECK7:おやつを選ぶときにカロリーだけ見る
→ たんぱく質・食物繊維の多さや、糖質・脂質の少なさもチェック
カロリーのとりすぎは体重増加に直結しますので、カロリーを見ることはとても大切です。しかしながら、いくらカロリーだけ低くてもバランスがよくなければ結果的に体重増加につながることも。ダイエットのためには、カロリー欄だけを見ずに、たんぱく質が多いものや、食物繊維が多く糖質量や脂質量が少ないものを選ぶのがポイントです。
CHECK8:ドライフルーツは美容のためによく食べる
→ 食物繊維は豊富で二重丸だけれど、糖分も多いので食べすぎに注意
ドライフルーツは、フルーツに比べて水分が減少している分、食物繊維も濃縮されているのですが、糖分も濃縮されていたり、さらにドライフルーツ同士がくっつかないように砂糖や油脂などがコーティングされていることも。いちじくなど自然に乾燥させただけものを選んで食べたり、食べ過ぎに注意をすることが大切です。
この人に聞きました
シニア野菜ソムリエ・管理栄養士。「目的に合わせて栄養価の高い食材を効果的にとる」という「パワーフードスタイル」を提唱。ビューティーフードトレーナーとしてダイエットカウンセリングを行うほか、商品開発、講師、テレビ・雑誌などで活躍。おやつアドバイザー養成講座の監修を務める。
[nikkei WOMAN Online 2015年2月16日付記事を再構成]
健康や暮らしに役立つノウハウなどをまとめています。
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