会話するアマゾンのスピーカーは未来の「お手伝いさん」
未来のお手伝いさんはこんな感じか──。そう思わせてくれるのが、アマゾンの新製品「Echo(エコー)」である。
エコーは、高さ23センチあまりのスピーカーだ(図1)。単なるスピーカーと思ったら大間違い。自然な言葉でやり取りできるため、家庭用ロボットといってもいいほどの機能を持つ。
部屋の片隅に置いておけば、高感度のマイクでこちらの声を聞き取ってくれ、音声でエコーに質問したり、指示したりできる。iPhoneのシリやアンドロイドの「OKグーグル」のスピーカー版といえば、わかりやすいだろう。
購入は今のところ招待制。米アマゾンの会員登録が必要で、購入希望者としてアカウントを登録しておくと、購入可能になったときに通知される。アマゾンのプライム会員には149ドルで提供されている。
「アレクサ」と呼びかけて指示
エコーには「アレクサ」という女性の名前が付けられており、「アレクサ」と呼びかけてから指示を出す。例えば、音楽だったら「アレクサ、○○(曲名)を再生して」と声をかけるだけ。すると、アレクサはクラウドの音楽サービスなどを検索して、曲を再生する(図2)。
調べものなら「アレクサ、明日の天気は?」でOK。ウィキペディアの情報を調べてもらったり、「9.25インチは何センチ?」といった単位換算を頼んだりすることも可能。結果はアレクサが音声で教えてくれる。
さらに、買い物リストや、To Doリストの項目を追加するといったこともやってくれる。思い付いたときに「小麦粉を買い物リストに入れておいて」とひと言アレクサに伝えればよい。
スマートホーム用のハブとしても機能する。対応する照明器具や家電製品などは、アレクサに伝えるだけで操作できる。今後も新たな機能が追加される見込みだ。
音声認識の精度が落ちるなど、いつも完璧に動作するわけではないようだが、スマートフォンすら不要で、話しかけるだけで済む場面は格段に増える。未来のお手伝いさんロボットの音声機能だけがまずは実現したといえるのかもしれない。
(ライター 瀧口範子)
(日経PC21 2015年6月号の記事を基に再構成)
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