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途上国の開発支援 国際機関で活躍する日本人女性

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NIKKEI STYLE

米国の首都ワシントンには企業や官庁でキャリアを磨き、国際機関で活躍する日本人女性がいる。多国間投資保証機関(MIGA)の本田桂子長官と地球環境ファシリティ(GEF)の石井菜穂子最高経営責任者(CEO)に聞いた。

本田桂子さん(53) 多国間投資保証機関(MIGA)長官

――MIGAではどんな仕事をしていますか。

世界銀行グループの国際機関で、181カ国が加盟している。民間部門が国境を越えて途上国に投資する際に、戦争や内乱、契約不履行といった政治的なリスクで損失を被らないよう保証する」

「途上国のインフラ需要を探り、そこに投資家の資金を誘導するのが、長官の最も重要な任務だ。だから月に1週間程度は海外に出張している。世銀のキム総裁にグループ全体の組織改革案を提言するという仕事もある」

――なぜ長官を引き受けたのですか。

「米マッキンゼー・アンド・カンパニーの日本支社でシニア・パートナーを務めていた2012年に、ヘッドハンターからいきなり電話をもらった。『長官候補のリストに名前を載せてもいいか』と聞かれたので、私が本命ではないなと思っていた」

「背中を押したのはひとり娘の言葉だ。『これこそ私のドリーム・ジョブ(夢の仕事)よ』と言われ、世の中の役に立つ仕事をもうひとつやりたいと思うようになった。ワシントンの世銀本部で面接を受けた後、キム総裁から携帯電話に就任の要請があった」

――民間企業とはだいぶ勝手が違いますか。

「企業の株主はほぼ同じ価値観を共有している。会社の利益や顧客の満足度を高める方向に収束する。国際機関では加盟国の立場にもっと温度差がある。どの辺りで合意を形成するかが難しくもあり、醍醐味でもある」

――世銀は女性の登用を推進しています。

「キム総裁が管理職の女性比率を5割まで引き上げる目標を掲げた。130人の職員を抱えるMIGAは基準をクリアしている。より重要なのは機会の平等だ。育児に追われる女性にも、希望すればチャンスを与える。生後3カ月の子供を連れてアフリカに駐在する女性さえいる」

「仕事の機会、平等に与える」

――女性の活躍を後押しする日本のウーマノミクスに何を期待しますか。

「ゴールドマン・サックス証券のキャシー・松井副会長が広めたウーマノミクスを取り上げ、ここまで育てたのは安倍晋三首相の功績だろう。だが日本では保育施設の拡充という話になりがちだ」

「問題は仕事の機会が平等に与えられていない点にある。どういう就労機会があれば、女性がもっとがんばれるのか。女性だから無理だと決めつけず、面白い仕事を任せないと、子供を預けてまで没頭しようとは思わない」

「私は30歳で結婚し、35歳で出産した。『スーツを1着買うのをやめて、ベビーシッターを雇った方が精神衛生上はいい』と夫の母親に言われ、ぐっと気が楽になった。何を自分でやり、何を他人に頼むのか。その見切りをつけ、母親にも子供にも持続可能な働き方を探し当てればいい」

石井菜穂子さん(56) 地球環境ファシリティ(GEF)最高責任者(CEO)

――GEFはどんな役割を担っていますか。

「183カ国が加盟する国際機関だ。地球環境問題に取り組む途上国を支援する。1年の3分の1は営業活動や国際会議で海外に出張する」

「CEOの最重要課題は資金集めだろう。2014~18年の第6次増資では、日米欧をはじめとする資金提供国が44億ドル強を拠出する。地球環境問題は各国の優先順位が低くなりがちで、チャレンジングな仕事だった」

――選挙戦でCEOを勝ち取りました。

「世銀のスリランカ担当局長を務めていた時に、当時の玉木林太郎財務官に立候補を勧められた。途上国の開発に長く携わってきて、地球環境問題が成長の制約になると痛感していた頃だった」

「100人以上の候補者がいた。並大抵の努力では選挙に勝てない。GEFのビジョンを語るために、多くの人に会って勉強した。プレゼンテーションの訓練や加盟国の支持取りつけもやった」

――開発を生涯のテーマに選んだのはなぜですか。

「恋に落ちるようなもので、あまり深い理由はなかった。だが米ハーバード大留学中に経済学者のジェフリー・サックス氏と出会い、開発に興味を持ったのは確かだ」

「財務省に入省して10年近くがたち、専門領域を深めたいという思いが募ってきた。サックス氏に学んだ開発の存在感が私の中で増し、国際通貨基金(IMF)や世銀を志向するようになった」

――女性が官庁で活躍するのは今でも大変です。

「私が東大を出た頃には、女性の採用は自宅通勤者に限るという風潮があった。女性を出張させにくい空気もあった。ただ私が女性だから、できることがやれないとは思わなかった。自分の能力の限界を意識する方が多かった」

「日本の官庁や企業では、ゼネラリストを育成するのが主流だ。そうではなく専門性を磨く道があってもいい。私は財務省で30年以上働き、その半分を海外で過ごした。開発を担当できる職場はどこかを常に考えてきた。私の希望と財務省の意向がうまくマッチしたので、辞めずにここまで来られた」

「専門性磨く道があってもいい」

――日本のウーマノミクスへの注文はありますか。

「女性の力を引き出すには、男性も含めた働き方を見直す必要がある。労働市場の流動性を高め、個人の能力を適正に評価する仕組みができれば、働き方の自由度が広がる。この時期は産休をとり、この時期は育児のために早く帰るという選択が可能になる」

「国際機関には多様性へのプレッシャーがある。管理職の女性比率もトップの評価基準となる。だが最後は個人の能力が登用の決め手になる。女性の参画を促す制度づくりは大事だが、自らも専門性を磨く投資を続けるべきだ」

(聞き手はワシントン支局長 小竹洋之)

国連機関の日本女性増加

国連事務局やユニセフ、国連開発計画(UNDP)など国連関連機関で働く日本人は年々増えている。2014年は779人に上り、04年比28%増。特に女性は51%増の455人に上る。

日本女性が関心を持つ理由の一つは、国籍や性別などではなく、個人の能力や経験が評価されること。職場の男女均等が遅れている日本と比べて活躍機会が恵まれている。「出産・育児などの休暇制度が充実し、仕事と生活の両立が図りやすいのも魅力」(外務省国際機関人事センター)

国連機関の求人は主に公募制。誰でも直接応募できる。外務省は専用サイト(www.mofa-irc.go.jp)で常時300~600件の公募情報を公開している。このほか国が人件費などを負担して若手社会人を派遣する制度もあり、今年度の候補者を5月7日まで応募受け付け中だ。

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