マネー研究所

男の家計改善

企業型DCのマッチング拠出 節税効果を過信するな

2015/5/20

 枝葉の節約もいいが、男なら太い幹の「構造」を知り、改善を考えるべし――。労働組合シンクタンクの生活経済研究所長野の事務局長を務める塚原哲氏が、アッパーミドル層の男性を対象に「骨太」の家計改善法を伝授する。12回目は、大手企業で定着してきた確定拠出年金(DC)の「マッチング拠出」について解説する。

 前回は企業型DC(確定拠出年金)のラインアップ選定における運営管理機関の営業力について解説したが、今回は急激に増えてきているDCのマッチング拠出[注1]について触れておきたい。

■節税効果は所得税額に比例

 マッチング拠出とは、事業主の拠出額に加えて自分のお金を積み増せる制度のことだ。積み増す掛け金には、次のような法律上の制限がある。

(1)従業員拠出額(掛け金)が事業主拠出額を上回らないこと
(2)従業員拠出額と事業主拠出額の合計額が月額2万7500円を上回らないこと

 下のグラフ1は大手企業によく見られるマッチング拠出の例だ。(2)の合計額の限度は他に企業年金がなければ5万5000円だが、大手企業は独自の企業年金を持っていて、半分の2万7500円になるところが多い。資格等級がCの場合、(2)により1万2500円が上限となるが、掛け金年15万円(月額1万2500円×12カ月)が丸々所得控除[注2]扱いと優遇されており、所得税と住民税が安くなる。

グラフ1 マッチング拠出の限度額

 会社員の所得税率は高くて20%程度、住民税は一律10%。従って所得税は15万円×(20%+20%×復興特別所得税2.1%)=3万630円、住民税は15万円×10%=1万5000円で、合計4万5630円程度の節税効果が毎年得られるという理屈だ。

[注1] 実施事業主数4578社(2015年2月28日現在。出所:厚生労働省「企業型年金の運用実態について」)
[注2]小規模企業共済等掛金控除。個人型DC制度の掛け金と同様の取り扱い

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