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新社会人、ため癖をつける給与明細の見方

2015/4/18

 間もなく初めての給与をもらう新社会人は多いだろう。給与明細書では手取り額だけでなく、支給額の内訳や差し引かれる項目と金額もチェックしよう。手当の特徴、社会保障・税金の仕組みを知るきっかけになり、家計に生かすことができる。

 「給与明細はきちんと見たことがなかった」と話すのは中堅不動産会社で入社3年目を迎えた楠本智恵さん(仮名、27)。仕事が忙しく余裕がなかったこともあり「(総支給額から社会保険料や税金などを引いた)手取り額がわかれば十分と考えていた」。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の山中伸枝氏は「給与明細の各項目に目を通さない会社員は多いが、もったいない」と話す。「給与明細からは会社に貢献した対価と、社会に貢献した費用が読み取れ、将来設計を考える機会になる」からだ。

 明細は主に勤怠、支給、控除という3つの項目で構成する。勤務状況を表す勤怠をもとに支払われるのが支給で、これが会社に貢献した対価だ。社会への貢献に当たるのが、社会保険料や税金などだ。

 支給の項目では基本給や残業代といった内訳を把握しよう。FPの和泉昭子氏は「新入社員時代から残業代やボーナスに頼らない暮らしを心がけるのが大事」と指摘する。最近は景気の改善で残業代やボーナスが増える傾向にあるが、景気動向次第では再び減りかねないからだ。

■資格手当に注目

 新人時代から注目しておきたいのが資格手当。会社によっては英語や簿記、中小企業診断士、宅地建物取引士など特定の資格を取れば手当や一時金を支給される。収入増だけでなくキャリアアップにもつながる。業務後に資格の勉強をしようと思えば、効率よく仕事を終わらせる動機にもなりそうだ。

 控除項目では社会保険料の多さが目を引く。社会保険とは病気・ケガの医療費や、高齢者への年金を保障する公的な仕組みのこと。会社員が利用するのは健康保険、厚生年金保険、雇用保険などだ。

 健康保険を使うと、病院窓口での自己負担額が医療費の3割ですむ。高額療養費という制度も見逃せない。がんの手術・入院などで1カ月に100万円の医療費がかかっても、高額療養費制度を使えば年収300万円の人なら最終的な自己負担額は6万円弱ですむ。窓口負担との差額である24万円強は還付される。

厚生年金は老後の給付だけをイメージしがちだが、病気やケガで一定の障害になれば障害年金が、亡くなれば遺族年金が出る。つまり社会人は公的制度で手厚い保障があることが給与明細の項目で分かる。「独身のうちから民間の高額な医療・生命保険に入る人もいるが、社会保障をよく知ってから判断すべき」(社会保険労務士の小野猛氏)

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