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「イクメンは出世できない」は本当か

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こんにちは、酸いも甘いも経験済み(経験中)の、消費生活アドバイザー・村山らむねです。2015年の年明け早々に、某情報誌で漫画家の弘兼憲史氏が書いたコラム「育児に熱心な男は出世しない」がSNS(交流サイト)や各メディアで話題になりました。私も読みましたが、「イクメン(育児する男)」を自負する男性陣の中には、カッとなった人もいるのではないでしょうか。

その論旨は、次の2つに集約されます。

●「昨今、もてはやされているイクメンだが、家庭的なパパは会社ではそんなに出世しない」
●「たとえ子どもの誕生日だとしても会社の重要案件となれば、給料をもらっている以上、やっぱり会社を優先すべきです」

このコラムが提起している問題点は2点あると思います。

(1)イクメンが出世できないという前提で、共働きの妻は自分の夫に、イクメンであることを求めるか、「カセメン(稼ぐ男)」であることを求めるか?

(2)イクメンが出世できないままで日本は、どうなってしまうのか?

イクメンは出世できない。ある意味正しいのではないか

私なりに1つずつ、考えてみました。まず1点目。

(1)イクメンが出世できないという前提で、共働きの妻は自分の夫に、イクメンであることを求めるか、カセメンであることを求めるか?

弘兼氏が言う通り、育児を優先する男性は出世できない、これはある意味では正しいでしょう。正しく言うと、現在の日本のコンサバティブな会社ではイクメンは出世できない。それは全くいいことではありませんが、現実です。

今の日本では、能力主義や成果主義はなかなか根付きません。結局、お城に詰めていて殿が呼べばすぐに「ははー」と駆けつけられる機動力と、上司が会社にいる間は帰らない時間奉仕力がモノをいうのです。つまり会社に対する可処分時間が多い人が、「仕事ができる」「使いやすい」と判断され、出世もするのです。

常に視界に入る人を重用するのは自然なこと。育児のために早く帰る、子どもが病気をしたらすぐ休む、そういう家庭優先型の人間は、大きなハンディを背負うことになりやすいのです。

共働き妻は夫にイクメンでいてほしいか、カセメンでいてほしいか

この現状の中で、共働きの妻たちは、自分の夫にイクメンでいてほしいのでしょうか。それともカセメンでいてほしいのでしょうか。

ぶっちゃけ、私自身は夫にイクメンであることよりも、カセメンであることを求めてきたと思います。娘が赤ちゃんのころは、まだ女性が育児休職を取得することも珍しい時代。男性が育児休職を取るなんて、考えも及びませんでした。

ありがたいことに、夫は非常に協力的でイクメンとしても満点でしたが、夫と私の共通意識としては「夫は仕事優先で」と思っていたでしょう。弘兼氏のコラムに書かれている「子どもの誕生日」というのは正直、共働きの家庭にとってはあまり重要視されません。

何より、子どもの緊急事態と会社の緊急事態、どちらを取るかという切迫したときにどうするかが問われるのです。弘兼氏は、そういう切迫した事態に気づかずに生きてきた、幸せな男性なのかもしれません。

最近は「女性の活躍推進」ということで、同じレベルなら女性のほうが管理職の座を優先されるという逆差別も各企業で生まれています。独身でバリバリと会社に時間をささげられる女性に、自分の夫がイクメンであるがゆえに負けてしまったら、出世の点で先んじられたら、やっぱり妻としては正直複雑ですよね。自分の夫がイクメンであるがゆえに、夫と同期の女性に出世で抜かされてしまう。それに耐えられますか。

だからといって、男性にカセメンであり、かつイクメンであるなんて、両方を要求するのは酷なこと。そのむちゃぶりを敏感な嗅覚で嗅ぎつけて、結婚自体に尻込みする男性も多いのではないでしょうか。

ワーママたちは、夫に、「イクメン」優先を望むべきなのか、「カセメン」優先を望むべきなのか…。これは難しい問題ですね。共働きの妻たちは、稼いでかつ、育児もしてほしいとパートナーに願っても、どちらかを優先するなら、やはり現時点では、泣く泣く「仕事を優先」してもらうしかないのが現実かもしれません。

男性も、女性も、社会的にもっと評価されるべき

次に2点目です。

(2)イクメンが出世できないままで日本は、どうなってしまうのか?

イクメンが出世できないままで、日本企業はいいのですか。今までは「イクメンが出世できない」という状況は許されていたかもしれません。でも、これからもそれでいいの、という疑問がフツフツと湧くわけです。

企業も個人も、日本の社会背景の劇的な変化については、市場の縮小と人材の枯渇、2つの点で大いに危惧をし、海外に可能性を求めて様々な取り組みをしています。もちろん、少子化に歯止めもかけたい。しかしまだ、自社の社員が子だくさんであることを奨励している会社は、たまにニュースになるくらいですから非常に少ないのが現状です。もう、今の日本はイクメンが出世できない社会や会社を、許している場合じゃないと思うんですけど…。急激な人口減少で、いいことなんて一つもないと思うのです。

でも、企業の実態としては、マクロでは少子化はもちろん止めたい。しかし、自社の社員の子育てに対して休暇の取りやすさなどを配慮し、子どもができた男性社員をイクメンに追いやる制度はあっても、イクメンになったがゆえに出世する制度はあり得ないわけです。

でも、ここはなにか画期的な統計的裏付けがほしいところです。

イクメンが出世しない → そのような会社には、優秀な女性が就職しない → 優秀な男性と女性のバランスが崩れる → 多様な人材が集まらない → 会社の業績悪化

こんな、「イクメンが出世しない会社の業績は悪化する」という、美しい因果関係を証明してくれる方、いないでしょうか。

なかなか難しいかもしれません。でも、子だくさんを経済的に補助するのはもちろん、子育て中の社員をもっと社会的に評価すべきだと思うのですよ。男性も、女性も。イクメンや子だくさん社員ほど、ばんばん出世する。「ずるい」と思わせるくらいの環境こそ、日本の未来を救うのではないかと強く強く思います。

最終的な私の結論ですが、弘兼氏の主張は残念ながら現在の世間では正しいけれど、それがもし、今後も正しいままであれば、マジ日本ヤバい。

【らむねのDon't二の舞】

1:コンサバティブな日本企業では、弘兼氏の言う通り「イクメンは出世できない」。その通り。

2:ワーママは、夫にイクメンとカセメン、両方を求めがちだけど、今はカセメンを期待せざるを得ない。

3:企業の人事の皆様、イクメンや子だくさん家庭パパが出世できる仕組みづくりを!

村山らむね
消費生活アドバイザー、産業カウンセラー、ファイナンシャルプランナー。1966年生まれ。埼玉県出身。慶應義塾大学法学部卒業後、東芝入社。都市開発・新規事業開発に携わりながら、「村山らむね」として個人HP「らむね的通販生活」を立ち上げ。2000年からイーライフにてウェブや企業SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のプロデュースを担当。2004年にスタイルビズ設立。経産省 消費経済審議会 特定商取引部会委員会や日経イノベーションアワード審査員など多数。2004年から「ワーキングマザースタイル」を運営。高校2年生の娘を持つ。

[日経DUAL 2015年3月10日付の記事を基に再構成]

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