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花粉症地獄にお別れを 「舌下減感作療法」の効果は

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日経メディカルオンライン

冬来たりなば、春遠からじ――。春の訪れを待ちわびる気になったのは、実に13年ぶりのことだ。

筆者は2014年10月から、花粉症の舌下減感作療法を受け始めた。鳥居薬品の新治療薬「シダトレン」が保険適用になったと聞き、真っ先に試してみることにしたのだ。

花粉症の治療といえば抗ヒスタミン薬を飲むのが一般的だが、これはアレルギー症状を抑える対症療法に過ぎない。一方、舌下減感作療法は、体内に時間をかけて微量の抗体を取り込ませ、症状の軽減・寛解を目指す――つまり「花粉症を治す」ための治療法だ。治療期間は数年と長いが、花粉症とおさらばできるならばとクリニックの門をたたいた。

そして4カ月の間、欠かすことなく服用し続け、念願の(?)花粉シーズンを迎えるに至った。

ここ数年は、2月上旬から抗ヒスタミン薬を服用し症状を抑えてきたが、2015年はまったく飲まずに花粉を迎え撃つことにした。当初は調子が良く、「おお、これは効いているのかも?」と喜んだものの、3月に入った瞬間にあえなく撃沈。目のかゆみ、くしゃみ、鼻水が例年通り出始めたので、おとなしくマスクを装着してこの原稿を書いている。

3月に入り抗ヒスタミン薬も飲み始めた。そこで初めて気づいたのだが、例年よりも症状が軽くなったように感じる。だるさも少ないし、くしゃみ・鼻水が止まらないといったこともない。

わずか数カ月だが、治療の効果が出始めているのかもしれない。地道に治療を続け、来年の花粉症シーズンもまた「人体実験」に取り組んでみようと思う。

どこで受診できるか分からない

これまで、春のスギ花粉シーズンは朝晩2回、抗ヒスタミン薬のタリオンやロラタジンを服用してきた。それで症状はほぼ治まるものの、体調によっては目のかゆみ、鼻水、くしゃみが止まらないことが多々あった。また、抗ヒスタミン薬の副作用の眠気やだるさにも悩まされた。

そんな中、根治治療薬のシダトレンが保険適用になると聞き、患者として、また記者として「これは受けてみるしかない」と飛びつき、ネットを駆使して治療を手掛ける隣町のA医院を探し出した。

A医院を訪問したのは10月20日の午前10時。受付で問診票を記入し、2001年のアレルゲン検査結果を念のため渡した。少し待って看護師に問診を受け、花粉症の発症時期や服薬履歴などを答えた。

看護師から「舌下減感作療法は、非常に根気のいる治療ですが本当に希望しますか? また、スギ花粉以外には効果がないですが、よろしいですか?」と何度も念を押されたのが印象に残っている。まだ新しい治療法のため、患者の理解度を考慮してのことだろう。力強く「それでも希望します」とは答えたものの、実際の治療方針は正確な知識を持つ医師と相談して決めたいなあ、というのが本音だった。

「1週間後に再度診察を」「やはり今日で」

問診後、いったん奥に戻った看護師が再び出てきて、「今日は血液検査の採血のみにして、1週間後に再度診察しましょう」と言われた。「えっ…せっかく休みを取って来たのに?」という言葉が喉まで出かかったが、アレルギー検査の結果を見てから診察したいという。「しょうがないですね、分かりました」と答えるしかなかった。

1時間待って採血室に入り血を抜いていると、看護師が「やはり今日、診察して初回のシダトレンの服用もやります」と、再度の方針変更を伝えてきた。無駄足を踏まずに済むので異存はないが、「なんなんだいったい…」という思いは残った。

採血後に、シダトレンの初回服用時は、アナフィラキシーショックが起きる可能性もあるため、医師のいる場所で30分ほど様子を見る時間が必要との説明を受けた。同時に渡されたシダトレンのリーフレットはよくまとまっており、これを読めば大半の疑問は氷解するだろうと感じた。特に、誤って多く飲んでしまったときの対応についての記述が大半を占め、アナフィラキシーに敏感になっていることが分かる。

リーフレットには、春の花粉飛散時期は、まれにアナフィラキシーショックが出る可能性もあるので、体調不良時はすぐに医師の診察を受けるようにとの注意もあった。なお、花粉症の症状が強ければ、抗ヒスタミン薬を併用してもいいらしい。花粉症患者としては非常に気になるところなので、何度も読み返せるリーフレットの配布は非常に有効だろう。

初めての服用、「鏡が欲しい」

採血から30分ほど待って、ようやく診察。ここまでに1時間半が経過している。後々、この体験が記事になるかもしれないと、空いた時間を利用して「診察メモ」を書き留めていたので退屈はしなかったが、社会人が受診するには待ち時間が長すぎるなというのが正直なところだ。

診察は至って簡単で、聴診器を当ててひととおり体調をチェックした後に、舌下減感作療法の概要を説明するというもの。「根治療法であり、間違いなくおすすめの治療法ですが、数年間にわたって毎日服薬するというのが最大のハードル」とのことだ。聞いてみると、既に海外での治療実績があるそうだが、やはり継続率は低いという。

治療期間について聞くと、「はっきりとは分からない。注射による減感作療法は3年ですが、舌下はもう少し長くなると思います」とのこと。3年ほど継続し全く症状が出なくなれば"完治"と考えてもいいだろうが、少しグズグズするなら継続した方がよい、との見立てだった。期待しすぎず黙々と、高い山を一歩一歩登るような治療なのだなとの思いを抱いて、診療を終えた。

診察室を出て、受付で会計を済ませる。治療費は6620円。ほとんどが血液検査(5500円ほど)の費用だった。

処方箋を持って隣の薬局へ行く。聞いてみると、シダトレンの処方は筆者が初めてのケースらしい。2週間分の薬を渡され、薬局で710円を支払った。

A医院に戻り、処置室でシダトレンを初めて服用する。看護師の立ち会いのもと、ボトルの上部をプッシュして、薬液を舌の下をめがけて噴射するのだが、これがなかなか感覚がつかめず難しい。どうしても喉の奥に向けてしまいたくなる。鏡があると良さそうだな、なんて思いながらエイやとプッシュすると、冷たい薬液が出てきた。

味は強いて言えば、ちょっと甘いようなピリッとするような感じ。舌の裏にプッシュした後、薬剤を飲み込まずに口内で2分保持するのだが、唾がでてきてうっかり飲みそうになる。薬に気を取られて時計を見ていなかったが、看護師が時刻を教えてくれたので助かった。

待合に戻り30分安静にする。気分は特に変わらず。その後、医師の口腔内チェックを受け、特に問題ないようだね、ということで帰宅した。

誤算だった「14日処方ルール」

以降、医師の指示通りに毎日1回、シダトレンを服用している。当初はボトルに入ったタイプで、2週間を過ぎたら1回ごとの飲みきりタイプに変わった。毎日、朝食後に服用しているが、さほど面倒だと思うこともなく続けている。

シダトレンは服用したら舌の裏に薬液を保持し、2分経過したら飲み込んで、さらに以降5分間は飲食しない、というルールがある。服用を始める前は「面倒だなあ」と思っていたが、いざ始めてみれば、たいした手間ではなかった。

朝食を取り終えたら冷蔵庫を開け、シダトレンとコーヒーの粉が入った缶を取り出す。服用したらiPhoneのタイマーを2分にセット。そのままガスコンロに向かってやかんを火にかけ、コーヒーを入れる準備を進める。だいたい準備が終わるとタイマーが鳴るので、シダトレンを飲み込む。同時に、沸いたお湯を注いでコーヒーを入れ、テーブルに戻るとだいたい5分が経過。後は新聞を読みながらコーヒーを飲む、という一連のパターンが定着した。

一方で誤算だったのは、2週間に1度と、頻繁にA医院に足を運ぶ必要があったことだ。当初は「投薬中心の治療だから、まあ1~2カ月に1度くらい行けばいいだろう」と思い込んでいたのだが、2回目の診察で「新薬なので2週間までしか出せません」と説明され、面食らった。そう。シダトレンも新薬だから、薬価収載から1年は「14日処方ルール」が適用されるわけだ。

月に2回も、半日つぶして診察を受けなければいけないのは誤算だったが、さらには診察料580円(3割負担)まで月に2回取られるのも想定外だった。

ともあれ、シダトレンは2週間分で830円(3割負担)なので、2週間ごとに診察料との合計で1410円を支払っている。1年だと3万6660円が家計に乗ってくる計算だ。

今年10月以降は長期処方が可能になるので、通院も1~2カ月に一度で済むようになる。これに伴い費用負担は年間で2万3000円程度と、1万3000~4000円ほど安くなるとみている。今後、治療を検討するなら10月以降がおすすめだ。

シダトレンの効果は個人差があるので、花粉症がきれいさっぱり治るかどうかは「神のみぞ知る」。それでも近い将来、「脱・花粉症ボディー」を手に入れられると信じているし、この治療法が普及して、再び春を楽しめる人が増えることを願っている。

(デジタル編集センター 川崎慎介)

[日経メディカル Online 2015年3月5日掲載記事を基に再構成]

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