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不動産リポート

地価は当面上昇トレンド 「五輪後」見極めたい 不動産コンサルタント・長嶋修

2015/2/18

 2014年4月の消費増税後の不動産市場の落ち込みはまだ記憶に新しいが、今後の不動産市場動向に関しては、リーマン・ショックのような大規模な経済クラッシュ、または東日本大震災のような大規模な自然災害など突発的なことがない前提であれば、少なくとも東京五輪が開催される2020年までは、回復ないしは上昇基調が続くだろうという見方が、私たち不動産業界では有力だ。

■主要150地区で地価下落が消える

 国土交通省の「地価LOOKレポート」によれば、14年第3四半期(7月1日~10月1日)の東名阪の三大都市圏と地方中心都市の計150地区では、既に8割以上の地区で地価が上昇し、下落地区はなくなった。近く公表される見通しの第4四半期分もおおむね同様の結果となろう。

 これまでの、そして今後当面の不動産市場を支えるのは、2年半ぶりに再開される「住宅エコポイント」などの市場活性化策に加え、なんといっても「低金利」だ。民間金融機関と住宅金融支援機構が共同提供している長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の2月の金利は、1月よりさらに0.10%低い1.37%(※)にまで下がり、史上最低を更新した(※返済期間21年以上35年以下、融資率9割以下の場合。金融機関により異なる)。

■史上最低金利が後押し

 さらに今月3日に成立した補正予算により、9日受け取り分からフラット35Sの金利下げ幅が拡大、9割超を融資する場合の上乗せ金利も引き下げられた。三菱東京UFJ、三井住友、みずほのメガバンクによる10年固定金利型住宅ローン(最優遇金利)はそろって年1.1%とこちらも最低水準だ。

 景況感の回復、政府による公共投資、震災の復興需要等を背景に労務費や資材価格の上昇トレンドは継続中で、今後売りに出される新築マンションへの価格転嫁は必至だが、低金利による買いやすさで、どの程度吸収できるのか注目されるところだ。

 ただ今後も価格が維持、上昇する可能性があるのはやはり、東京都心と五輪で沸く湾岸地域、あるいは大都市中心部だけにとどまるだろう。首都圏でいえば、埼玉の大宮駅周辺のみ、千葉なら柏や船橋の駅周辺のみと、局所的、限定的な動きになりそうだ。

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