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光と影が織りなす美 ホテルオークラ東京本館 半世紀の歴史に幕

2015/2/14

 日本の名門ホテル「ホテルオークラ東京」(東京・虎ノ門)の本館が建て替えのため8月末に閉館する。開業から半世紀。本館は日本のモダニズム建築を代表する建物だ。細やかな工夫を凝らした意匠や、ロビーで繰り広げられる陰影の移ろいの美をカメラに収めた。

 ホテルオークラ東京は1962年に開業した。国内外の多くのVIPが定宿にする。宿泊客をとりこにするのが、本館ロビーに象徴される落ち着いた空間だ。その演出をしているひとつが、日本の伝統美を凝縮した本館内外の様々な意匠。「オークラ建築」を見るために宿泊する客も少なくないという。

 建築家・谷口吉郎設計のメーンロビーはとりわけ秀逸な空間だ。居心地のよい柔らかな光を演出する照明は「オークラランタン」の愛称で親しまれ、ホテルオークラを象徴するインテリアとなっている。古墳時代の飾り玉に見られる切子型を模した5つのランプを連ねている。

建て替えのため8月末に閉館するホテルオークラ東京本館(東京都港区)

 フロアに並ぶテーブルと椅子は中二階から見ると梅の花のように配され、和洋が調和した世界を生み出している。今も開業当時と変わらない。違いといえば、灰皿がなくなったことぐらいという。

 ロビーの東側は一面窓ガラスで、朝はフロアに陽光が差し込む。時間と共に刻々と日差しが変化し、光と影のハーモニーを奏でる。障子越しに現れる竹のシルエットは、建築の中に自然の要素を取り入れた日本らしい美しさとなっている。

 建て替えで2019年春に開業予定の新本館は地上38階、客室数約550室のタワーホテルになる。ホテルオークラは「現在のメーンロビーの雰囲気を継承したものにする」という。

 館内の様々な意匠を動画と写真に収めながら、生まれ変わる本館がオークラの伝統美をどのように再現するのだろうかと想像した。現代のデザインと建築技術の力が試される。

(映像報道部 斎藤一美)

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