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「年金」いくらもらえる? スマホでも確認できる

2015/1/12

日経ウーマンオンライン

 こんにちは、社会保険労務士の佐佐木由美子です。働く女性は「これから先の生活がやっていけるか不安で…」という方、意外と多いのではないでしょうか。そこで今回は、老後にもらえる「年金」をテーマに取り上げます。1966年4月2日以降に生まれた人は65歳から受給となる年金。おおよその受給金額はどれくらいになるのか? 確認する方法があります。

■年金はいつからもらえる?

 将来や老後の生活が不安…という方は、まず年金制度について基本的な内容を理解しておくことから始めましょう。

 公的年金は、(1)日本国内に住む20歳以上60歳未満の人が加入する国民年金、(2)主に会社勤めの方が加入する厚生年金、(3)公務員や私立学校教職員の方が加入する共済年金の3種類があります。

 読者のみなさんは、おそらく会社に勤務される方が多いと思いますので、その場合は厚生年金保険に加入していることになります。

 年金は、老後で働けなくなったときにもらうもの、と思われているかもしれませんが、そればかりでなく、実は「障害」になったときや、配偶者が死亡したときの「遺族年金」など、3つの大きな役割があります。今回は、老後の生活(老齢)について見ていきましょう。

 公的年金制度は、よく「2階建て」と言われます。1階部分に国民年金(基礎年金)、2階部分に厚生年金(会社員)や共済年金(公務員等)が上乗せされる構造になっています。

 そして、「いつからもらえるの?」という疑問について。昭和41年4月2日以降生まれの女性(男性は昭和36年4月2日以降生まれ)は、65歳から受給が開始されます。

■長生きすればするほどおトク

 それではここで、A子さんをモデルケースとして、いくら老齢年金がもらえるのか目安を確認しましょう。

A子さんは、現在30歳。大学を卒業後22歳で就職し、60歳まで平均給与が26万円(賞与なし)で働き続けたと仮定すると、いったい年金はいくらもらえるでしょうか?

 この場合、65歳からA子さんは年額約142万円、月額にすると約12万弱もらえる試算になります。女性の平均寿命は約86歳ですから、20年もらえると仮定すると、総額で約2850万円となります(注:平成26年度額で試算。今後変わる可能性があります)。

 こう考えてみると、ちょっとすごいと思いませんか? 老齢年金は、生きている限りもらえるので、長生きすればするほどおトク、と言えます。

 「年金は、将来どうせもらえないから支払わない」という話を耳にすることもありますが、私はこの意見に懐疑的です。年金をまったくアテにしないのなら、老後の生活を支えられるだけの資産を、自ら長期的に形成していく必要があります。

 もちろん、先のモデルケースで十分といえるかどうかは、住む場所や住居にかかる費用など、固有の生活様式に大きく関わってきます。自分らしい生活を営むためのライププランを考え、年金以外の備えもしておくことに越したことはありませんね。

■これまでの年金記録を確認したいときは

 いくら年金がもらえるか? ということは、どれだけ年金保険料を支払ってきたか? と直結します。そこで、これまでの自分の年金記録を、この機会にぜひ確認しておきましょう。

 確認する方法は主に2つ。毎年誕生月(1日生まれの方は誕生日の前月)に自宅へ郵送されてくる「ねんきん定期便」で確認する方法。もうひとつは、インターネットを通じて「ねんきんネット」のサービスを利用する方法です。

 現在は、スマートフォン(スマホ)でもチェックできるようになりました。初めてこのサービスを利用するときには、ユーザーIDの利用申し込みが必要となりますので、後日郵送されてくるIDをお手元において確認を行ってください。ねんきんネットでは、ご自分の年金記録の確認のほか、年金見込み額のシミュレーションも行うことができます。

 質問もシンプルで、何歳まで、どのくらいの給与で働くことになるか、自営か会社勤務かどうか、といった質問に答えていきます。今後の働き方を想定して、ざっくりと数パターンのシミュレーションをしておけば、今までの年金加入記録から将来もらえる見込み額が試算されるので、とても便利です。

■年金額をアップする方法がある?

 ねんきんネット等で自分の記録を確認していくと、たとえば転職活動中などに国民年金保険料が未納となっている期間を見つけてしまうことがあるかもしれません。

 そのときは、ちょっと待って。未納期間をスルーしないでください。

 国民年金保険料を納めていない期間や、免除・猶予の承認を受けた期間がある場合、納付や追納をしなかった場合、老齢基礎年金の年金額が減額されてしまいます。

 ねんきんネットでは、さかのぼって納付できる月数や納付金額を確認することができるので、将来の費用対効果と、支払えるゆとりなどを考えて、追納について検討してみるとよいでしょう。

 本来、国民年金の未納保険料は、時効により2年が経過したら納めることができなくなります。ところが、平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間に限り、過去10年以内の未納分についてさかのぼって後納できる制度が設けられているのです。

 平成26年度中に後納するケースを考えてみましょう。過去3年度以前の期間は、加算金がかかりますが、たとえば平成22年度に6ヵ月間未納期間があり、その分を今年度に後納すると、

1万5340円 (当時の保険料1万5100円+加算金240円) ×6ヵ月=9万2040円

の支払い額になります。

 1ヵ月分の後納保険料を納めることにより、老齢基礎年金が増額される目安は、およそ1610円(年額:平成26年度で試算)になります。

 上記の例では、9万2040円を後納したことにより、10年間で約9万6600円、20年間で約19万3200円、老齢基礎年金がアップされる計算となります。

 老後の生活を心配されているなら、まず公的年金を手堅くおさえ、その先のもう一手を考えてみてはいかがでしょうか。

佐佐木由美子(ささき・ゆみこ)
 社会保険労務士。米国企業日本法人を退職後、社会保険労務士事務所等に勤務。平成17年3月、グレース・パートナーズ社労士事務所を開設し、現在に至る。女性の雇用問題に力を注ぎ、【働く女性のためのグレース・プロジェクト】でサロンを主宰。著書に「知らないともらえないお金の話」(実業之日本社)をはじめ、新聞・雑誌、ラジオ等多方面で活躍。

[nikkei WOMAN Online 2014年9月16日付記事を基に再構成]

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