プリンター複合機あれば簡単 写真のデジタル化
大量の紙焼きの写真が物入れに眠っているというご家庭も多いのではないだろうか。今回は、こうした紙焼きの写真をデジタル化する方法を紹介していこう。経年劣化で色あせてしまった写真も、デジタル化と同時に鮮やかさを取り戻せるので一石二鳥だ。さらに、画像加工によって傷や折り目を消したり、撮影日や場所などの情報を付加することでファイルを簡単に管理できたりと、デジタル化の恩恵は大きい。
紙焼き写真をデジタル化するには、家庭用の一般的なプリンター複合機があればOKだ。手間と仕上がりのどちらを重視するかで、パソコン操作が不要な「お手軽」コースと、取り込みソフトを使って色彩の補整などができる「こだわり」コースの2通りがある(図1)。
本記事では、パソコンを使わない「お手軽」コースの手順を、キヤノンとセイコーエプソンの最新の売れ筋モデルを例に紹介する。機能や設定に多少の違いはあるが、最近の同等モデルなら手順はほとんど同じだ。
自宅の複合機で手軽にデジタル化
「お手軽」コースは、複合機単体で取り込む。キヤノンの「ピクサスMG7530」を例に解説しよう(図2、図3)。まずは写真を原稿台に並べる。
L判なら4枚まで同時に取り込みが可能だ(図4)。写真同士が近いと複数枚の写真として認識されないため、約1センチ以上の間を空けること。
MG7530は標準で、「おまかせスキャン」というモードで原稿の種類を自動判別し、写真を取り込んでパソコンに自動保存してくれる(図5、図6)。ユーザーはほぼ手放しでOKだ。
取り込みが終わると、付属ソフトの「My Image Garden(マイイメージガーデン)」が起動し、パソコンに保存された写真が表示される(図7、図8)。画像ファイルの形式はJPEGだ。
「おまかせスキャン」でうまく取り込めない場合や、写真の解像度(dpi)を上げたいときは、「原稿種類」で「写真」を選択すると、細かな設定ができる。解像度については、通常は「300dpi」以上に設定すれば、ほぼ問題はないだろう(図9~図11)。
キヤノンは標準設定を変えたほうが使いやすい
標準の設定では、取り込み後にマイイメージガーデンが開き、写真は「マイドキュメント」に保存される。これでは不便という場合は、保存先を「マイピクチャ」に変えたり、保存時にエクスプローラーで自動で開くように設定を変えられる(図12、図13)。
前述の「おまかせスキャン」と「写真」は別々の設定になっているので、「IJ Scan Utility(アイジェイ・スキャンユーティリティ)」の「スキャン設定」から、それぞれの設定を変更しておくとよい(図14)。
なお、セイコーエプソンの場合、複合機単体では写真を1枚ずつしか取り込めない。これでは効率が悪いので、複数枚の取り込みはパソコンを使うのがベスト。キヤノンと同様に、L判なら4枚まで同時に取り込みが可能だ。
セイコーエプソンの複合機は、メモリーカードに直接取り込める(図15~図17)。しかし、単体では写真を1枚ずつしか取り込めないため、複数枚取り込むならパソコンの取り込みソフトを使うのが現実的だ。
キヤノンと同様に、L判なら4枚まで同時に取り込める(図18)。エプソンスキャンの「全自動モード」を使えば、ほぼパソコンの操作不要でデジタル化が可能だ(図19、図20)。
(日経PC21 五十嵐俊輔)
(日経PC21 2015年1月号の記事を基に再構成)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。