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「我が家は関係ない」が怖い 相続増税の直前講座 基礎控除が4割減 50年に1度の大改正

2014/12/5

 週末の午後。「たいきちマネー相談所」では、新衣紗が電話応対や書類作成に追われています。鯛吉は奥のスペースで来客と面談中。忙しそうなのは師走が近いためでしょうか。一段落したところに、買い物帰りの藤志郎と利子がやって来ました。
大学で金融を勉強中の初野新衣紗(はじめの・にいさ=上)と父の藤志郎(とうしろう=中左)、利子(りこ=中右)、隣に住むファイナンシャルプランナー・税理士の有賀鯛吉(ありが・たいきち=下)

 とうしろう 鯛吉くん、忙しそうだね。新衣紗から聞いたけど、繁盛しているそうじゃないか。結構、結構。

 たいきち そうなんですよ。相続で相談したいという人が増えて……。先日「終活セミナー」で講演したら、評判がよかったみたいです。

 にいさ かといって、休日まで引っ張り出されちゃたまらないわ。休日手当はきちんと払ってね。

 りこ 確かに、書店に行くと相続に関する本がたくさん並んでいるわ。特設コーナーをつくっているところもあったわよ。

 とうしろう 私がよく読む週刊誌も最近、相続特集を組んでいたぞ。何でそんなに盛り上がっているの?

 にいさ パパ、そんなことも知らないの? 年が明けたら相続税が改正されて、増税になるからよ。50年に1度の大改正だそうよ。

 とうしろう 相続税は一部のお金持ちの税金だろう? 相続を扱ったドラマや映画でも出てくるのは大富豪とか大地主ばかり。私らフツーの人には関係ないんじゃないの。

 たいきち 親などから遺産を受け継ぐ相続は誰にでも起こりうることです。ただ税金を納めるほどもらう人は、あまり多くありませんでした。ところが今回の改正で従来は相続税とは縁のなかった人でも支払う可能性が出ています。以前より身近な税金になっているのです。

 りこ それで、何がどう変わるの。

 たいきち インパクトが大きいのは基礎控除の縮小です。相続税は遺産の額から基礎控除と呼ばれる非課税枠を引いて、残った金額に課税されます。今年までは基礎控除の額が「5000万円+1000万円×法定相続人の数」でした。これが来年の1月1日から「3000万円+600万円×法定相続人の数」と、一気に4割も減ってしまいます。

 にいさ 4割は大きいよね。それで税金がかかりやすくなるというわけね。

 たいきち ある人が5000万円の自宅と3000万円の金融資産を残して亡くなったとします。法定相続人計3人で相続する場合、今年なら基礎控除は8000万円なので、遺産から基礎控除を引いた課税資産はゼロになり税金はかかりません。ところが来年から、基礎控除が4800万円に減るので相続税がかかってしまいます。

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