明かりで演出、生活が豊かな気分になる雑貨

今週は、東京・六本木にあるリビング・モティーフ（LIVING MOTIF）の売れ筋ランキングを紹介する。季節を先取りするウィンドウ・ディスプレイが個性的な1階のメインフロアとステーショナリーやベッドリネンがそろう落ち着いた雰囲気の2階の売り場から、直近の人気商品を振り返る。上質なコーディネートが人気の店舗で、豊かな生活を求める購買層の心をつかんだ商品は何だろうか。

まるで1冊の本のようだが、開くと実はランプ。このポータブルランプ「Lumiosf（ルミオエスエフ）」が店頭で大人気だ。2014年7月上旬の販売開始後すぐに売り切れとなり、予約数が増え続けているほどである。カバーをめくるとページをモチーフにしたシェードの広がりとともに、幻想的な光が広がる。耐久性のある素材で作られているため、暮らしの中で気軽に飾れるのもポイントだ。カバーを折り曲げるとシェードが360度まで広がるので、付属のストラップで吊り下げて使うこともできる。

デザイナーはジャカルタ出身で現在サンフランシスコを拠点に活動する、マックス・グワナン。自らが考案する家具やプロダクトを制作するため2013年に独立後、最初に発表した作品がこの「ルミオエスエフ」だった。

カバーはウォルナットとメイプルの2種類。強力な磁石が内蔵されているため、シェルフや冷蔵庫の扉など、金属面に取り付けてもいい。充電コードなどの付属品まで質の高いデザインでまとめられており、外形は216×165×32ミリとコンパクトだから、どこへでも持ち運びたくなる。光源は高出力LEDだからもちろん読書にも最適。書棚に収納しておけば、来客時のちょっとした話題にもなりそうだ。

玄関先のしつらえは住む人の個性を表す。機能だけを満たすのではなく、置いておく「場」の演出にもなるスタイリッシュな靴べら「VOYAGE」が人気だ。ジョージジェンセンと聞けば、ジュエリーや銀細工が思い浮かぶかもしれない。1904年、デンマークのコペンハーゲンで設立された、北欧を代表するブランドでもある。「実用性と美の融合」を理念に、クラフトマンシップとタイムレスなデザインのライフスタイルプロダクトを展開している

直径は9センチで高さは53.4センチ。小さなラッパのようなスタンドは安定感があり、立ったままスマートに靴をはけるなど、ハンドルの長さまで考え抜かれている。洗練された印象を与える曲線が美しく、飽きのこないデザインだ。レザーのストラップは、壁掛けなどの収納にも適している

「スポーク」は、スプーンとフォークが1つになった真ちゅう製のカトラリー。アウトドアを楽しむ消費者には樹脂製が定番かもしれないが、耐久性や素材への安心感を求めるユーザーには高価でもこうした本物志向が強いようだ。真ちゅうは使い込むほどに味わいが生まれ、経年変化が楽しめる。フィールドワーク中にあやまって折ってしまう失敗も少ないはず。選び抜いた装備にプラスしたくなる、柔らかで優しい雰囲気のデザインだ

長さは17センチで幅が3センチ。ひとり1個ずつ持ちたい道具だから、コンパクトに重ねられる形状は優れもの。店頭での取り寄せになるが、スポーク5本に専用クリップのセット（6480円）もある。ハードなアウトドアでの使用だけでなく、ガーデンパーティーのカトラリーとしても人気があるに違いない

（ライター　高橋美礼）

［日経デザインPick's 週刊・売れ筋！雑貨<人気ショップ調査>2014年10月9日掲載］