働き方・学び方

おとなの数学

裏技で正答に 数学マークシート入試の問題点 桜美林大学教授 芳沢光雄

2014/10/28

 受験シーズンが近づいてきた。各大学の一般入学試験や大学入試センター試験で使われているマークシート形式の問題。素早く正確に採点できる半面、「論理的な思考が身につかない」など弊害もかねて指摘されている。実際どこまできちんと学力を測れるのだろうか。数学の場合、全く理解していなくても正答率を上げられる裏技があり、受験テクニックとして広まっている。これでは論理的な思考力どころか、基礎知識を確かめることもできない。具体的に見ていこう。

■統計的に正答になることが多い番号は…

マークシートでは当てずっぽうでも何割かは正答になる

 広まっている裏技の一つが「何も分からないときは、3にマークせよ」である。

 入学試験は時間に余裕が少ないのが普通である。中でもマークシーク式問題はゆっくり考えている暇はない。それだけに受験生の心理として、テレビのクイズ番組で「ピンポン」とブザーを鳴らす早押しのように「素早く答えを当てればよい」と思うのは自然なことだろう。

 時間が足りなくなって、残り1分となったときも諦めてはいけない。解答群が5~10個あれば、先頭から「3」番目に全部マークをするとよいのである。

 これは過去実施された様々なジャンルのマークシート式問題の正答の分布から導き出せる。作問者の心理として、最初と2番目に正解を置くのは意外と勇気がいる。とはいっても、どこかに正解を置かなくてはならず、結局「3」番目に落ち着くことが多いのである。

 同じく統計的に正解を当てる技として、根号記号√の中に一つの数字を入れる問題がある。これも解けないときは「3」をマークするとよい。

 かつて大学院生と一緒に1990年から2003年のセンター試験の「数学I・A」と「数学II・B」の両方、この種の問題の答えがどうなっているか調べたところ(2003年は本試験のみ)、中に入る数字は2、3、5、6、7に限定されることが普通だが、3が最も多かった。

√の中に入ることが
多い答えの数字は?
√の中
正解数488344248

 受験塾などで「何も分からないときは、3にマークせよ」という裏技を教える指導があっても不思議ではないのである。

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