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男の家計改善

医療費控除は配偶者が申告した方がお得?

2014/11/17

日経マネー

 枝葉の節約もいいが、男なら太い幹の「構造」を知り、改善を考えるべし――。労働組合シンクタンクの生活経済研究所長野の事務局長を務める塚原哲氏が、アッパーミドル層の男性を対象に「骨太」の家計改善法を伝授する。6回目は、医療費控除は配偶者が申告した方が有利になりやすいカラクリを、所得税の計算の仕組みとともにひもとく。

 医療費控除とは医療費の自己負担額が年間10万円を超えると、その額に応じて所得税が還付される制度だ。「自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合」に適用されるので、世帯主が支払ったものとして申告しても、配偶者が支払ったものとして申告しても認められる。ここは誤認も多い分野なのでしっかり掘り下げたい。

■所得税の計算を把握せよ

 所得税の計算では、年収から3割程度の経費が掛かったものと見なして差し引いてくれる。これを給与所得控除といい、年収800万円の場合は200万円が差し引かれ、残りの600万円を利益(給与所得)とされる。ここから社会保険料控除、基礎控除、扶養控除などの諸経費(所得控除)を引いてくれて、その最終的な残額(課税対象)に所得税率が掛けられるという仕組みだ。

 仮に所得控除が270万円(社会保険料控除120万円、基礎控除38万円、高校生と大学生の子供2人で扶養控除101万円、その他11万円の場合)だった場合は、課税対象が330万円となる。

 所得税率は右表の通り。課税対象が330万円の場合、一見すると「195万円を超え330万円以下」の10%が適用されるように思えるが、これは誤り。課税所得330万円のうち195万円以下の部分に5%、195万円を超え330万円以下の部分に10%といった形で段階的に所得税が課税される。

 つまり、課税所得330万円の場合の所得税額は、195万円×5%+(330万円-195万円)×10%=23万2500円となる(復興特別所得税を除く)。さらに住宅ローンがあれば、住宅ローン減税というキャンペーンがあり、一定期間、所得税額から年末住宅ローン残高の1%を差し引いてくれる。年末ローン残高が2000万円なら20万円が減税されて、納税額はわずか3万2500円だ。

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