無料で「覚える・聴く・話す」 スマホ英語アプリの実力
日経トレンディ
スマホアプリを使った学習方法は、大きく分けて3つある。まず、「聴く」アプリ。英語の聞き取り能力アップに重点が置かれており、古くからある「聞き流す」タイプの英語学習教材に近い。
次に「覚える」アプリ。画面に単語や熟語が3択などのクイズ形式で表示され、それに繰り返し答えることで覚えていくものだ。ゲーム感覚で楽しめる"現代版の単語帳"と言っていいだろう。
スマホならではの学習法が、3つ目の「話す」だ。スマホに内蔵したマイクに向かって英語で話すと、音声認識機能によって正しい発音の場合だけきちんと認識される。つまり、声に出して覚える機能と、発音チェックの機能を兼ね備えているわけだ。
話しながら学べる
このように、スマホの英語学習アプリは着実に進化を遂げている。今回は数多くあるアプリのなかから、この3つの視点で厳選した「使える」10のアプリを紹介する。
まず最初に、スマホに向かって話しながら学ぶことに重点を置いたアプリだ。使いやすかったのは、「Real英会話」と「Duolingo」。どちらのアプリも会話などの音声を聴くだけでなく、聞き取ったフレーズをキーボードで入力したり、マイクに向かって英語でしゃべって質問に答えたりできるのが特徴だ。
なかでもDuolingoは、外出先などではマイクを使う出題をオフにする機能があるので、電車通勤の際にも便利。1時間後には自動でマイクの利用が再びオンになる。
Real英会話もDuolingoも英語の発音が正確でないときちんと認識されないので、英語の初級者にとっては少し難しいかもしれない。それでも根気よく続ければ、正しい発音の習得に役立ちそうだ。
講演の動画で学習
次に、聴いて学ぶことを重視したアプリ。こちらも単に聞き流すだけでなく、ゲーム性を高めるなどスマホらしさが出ている。お薦めなのは、米国で毎年開催されている大規模な講演イベント「TED」のプレゼンテーション動画を活用した学習アプリ「TEDICT」だ。
TEDの動画は1800本以上がネットで無料公開されており、あらゆる業界の第一人者によるプレゼンをパソコンやスマホなどで見られるので人気となっている。TEDICTはTEDの動画を視聴できるだけでなく、プレゼンの音声を聴きながら同じ英文をキーボードで打ち込んだり、英単語を並べ替えて正しい英文を作ったりできる機能を加えたのがポイント。難しい単語も多いが、多種多様な人々がさまざまな口調で話す英語を聞き取る訓練として最適だ。
また、「iDaily Pro」や「Umano」のように、ニュースを題材にしたアプリは内容が日々更新されるので、生きた英語を身に付けられるのがメリット。どれも知的好奇心を満たしながら英語を学べる点で、満足度は高いだろう。
英単語をクイズ形式で暗記
覚えることを主な目的としたアプリのなかで注目なのは、大量の単語の暗記をサポートしてくれる「マジタン」だ。約1万3000語の英単語が収録してあり、4択のクイズ形式を繰り返すことで単語を覚えられる。
レベルは10段階に分かれており、ある程度の英語のスキルを持つ中級者でも取り組みやすい。特筆すべきなのは、答えを間違えた単語が「要記憶」と判断され、正解するまで繰り返し出題されること。出題順はランダムの他、ABC順や記憶度の高低などでも選べるので、効率よく単語を覚えられそうだ。
初心者でも気軽に始められるのが、キャラクターを育成しながら単語を学べる「えいぽんたん」。
4択の質問に正解を繰り返すと得られる「おやつ」をキャラクターに与えると成長し、レベルアップする。キャラクター育成ゲーム「たまごっち」のような感覚で学べるので、楽しく続けられそうだ。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2014年11月号の記事を基に再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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