AKB48渡辺麻友は「絶対的センター」になれるか
日経エンタテインメント!
AKB48が初めてセンター制を導入したのは、2006年4月にスタートしたチームAの2nd劇場公演で4人組ユニット曲として歌われた『渚のCherry』だ。メンバーの識別が難しいという声がファンから出ていたことから、総合プロデューサーの秋元康氏は前田敦子をこの曲のセンターに抜てきした。
ひとりだけ衣装の色が異なり、ソロで歌う。残りの3人は主にコーラスを担当するというスタイルは、当時のAKB48においては革命的でファンを驚かせた。それ以来、シングルでも前田がセンターに立つようになった。
渡辺は、前田以来の2曲連続センターを務める
前田の卒業以降、AKB48は次の顔を模索するため、様々なメンバーを抜てきしてきた。大島優子は前田卒業後に4曲で起用されているが、2曲連続での単独センターを務めることのないまま卒業を迎えた。
そんな状況に風穴を開けたのが渡辺麻友だ。2014年5月の『ラブラドール・レトリバー』の後に総選挙で1位となり、『心のプラカード』で前田以来の、2曲連続単独センターとなった。11月にリリースとなる38枚目のシングル『希望的リフレイン』でもHKT48の宮脇咲良とWセンターに起用され、新たな「絶対的センター」として、長期政権が続く可能性が高い。
センターは「実力者しか就くことのできないポジション」に
一方、姉妹グループの戦略はそれぞれ異なる。
SKE48は松井珠理奈と松井玲奈のWセンターが多い。NMB48は3枚目以降のシングルではすべて山本彩が単独で務めたが、最新シングルでは次世代メンバーの白間美瑠、矢倉楓子をWセンターに抜擢。HKT48結成当初は1期生の宮脇咲良と兒玉遥が中心メンバーだったが、一番新しいフレッシュな姉妹グループというイメージを前面に押し出すため、シングルのセンターには2期生の田島芽瑠・朝長美桜を起用。しかし、最新シングルでは兒玉が初のセンターを務める。
乃木坂46は、5枚目のシングルまでは、AKB48における前田のように生駒里奈を固定していたが、最近はサプライズで選び、人気者に育てる方向へ転換した。
2014年のじゃんけん大会では、優勝者がセンターではなくソロデビューすることになり、NMB48の渡辺美優紀がその権利を得た。今後、センターは「実力者しか就くことのできないポジション」として、より重要視されるだろう。
(ライター 高倉文紀)
[日経エンタテインメント! 2014年10月号の記事を基に再構成]
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