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ブームの予感(日経MJ)

奈良発「幻のラムネ」 大人を魅了する味わい

2014/9/21

「レインボーラムネ」を手にする平口治社長(奈良県生駒市のイコマ製菓本舗)

 奈良県の小さなラムネ製菓が作る、淡いピンクや青色の「レインボーラムネ」。今春3500人分を全国販売したところ、14万を超える申し込みが殺到。買いたくても買えない人が続出し“幻のラムネ”として注目されている。お取り寄せで人気の高級菓子とは違う、粉砂糖を固めた素朴な駄菓子。いったい何が多くの人々を魅了するのか。

■月に2回、1日80袋だけ販売

 奈良県生駒市内にある、プレハブの菓子店「菓子いちばん」。9月上旬、開店の午前10時少し前に行ってみると、平日にもかかわらず子連れの主婦や高齢者ら約80人の行列があった。

 「6月に一度来た時に目の前で売り切れとなり悔しい思いをした。だから今度こそ絶対に手に入れようと思って、朝8時から並んでます」。県内から1時間ほどかけて来た60代の女性は、うれしそうに笑顔で話す。

 行列のお目当ては、レインボーラムネ(900グラム、800円)。この日、用意していた80袋はあっという間に店頭から消えた。「10年前から売っているが、当時はほとんど売れなかった。それが一度地元誌で紹介されると『大人が食べてもおいしい』と口コミから広がったんです」と店長の吉川正策さん(64)。

 仕入れ数が限られるため、月に2回ほど1日80袋だけ販売している。入手日が不定期のため、売り出しの3日前に販売日を告知する。なのに、どこからか情報を仕入れ「週末には兵庫や岡山など県外からもお客さんが来て、150人以上の人が並ぶ」。

「レインボーラムネ」を買う人たち(奈良県生駒市の菓子いちばん)

 レインボーラムネは、直径2センチと普通のラムネより粒が大きい。色は白や淡いピンク、青、黄色とカラフル。普通のビニール袋に大ざっぱに入っているため、一層、カラフルな玉がひき立つ。

■「サッカーボールのようなラムネ」

 「ラムネって子供のお菓子かと思ったら、60代の自分のような男性でもやみつきになる味わい」という辻本啓三さん(67)。文化祭の代休を利用して来たという男子高校生(18)は「ほとんど手に入らないと噂で聞いたので来た。プレミアム感のあるものを手に入れた瞬間って本当にわくわくする」と満足そう。

 「小分けして友達にお裾分けする」という勝田美子さんは今回、並んだのが6回目。「見た目のかわいらしさに、家族や知り合いとの場も和む」

 この“幻”といわれるレインボーラムネを作っているのがイコマ製菓本舗(生駒市)だ。売り出したのは14年前。それまではキャラクター菓子のラムネなどを製造していた。平口治社長(66)が14年前、Jリーグの試合でボールの動きをみている時に「サッカーボールのようなラムネを作りたい」とひらめいたのがきっかけだ。

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