ライフコラム

けいざい半世紀

東京モノレール50年 車窓から見た湾岸開発史

2014/9/5

■細川明良・東京モノレール社長に聞く

 開業50年を迎えた東京モノレール。沿線開発が進む一方で京急の参入など事業環境も大きく変わった。長年の悲願だった東京駅延伸は実現しそうだが、親会社の東日本旅客鉄道(JR東日本)も羽田新線を計画している。細川明良社長に50年の歩みと今後の展望などを聞いた。

細川明良(ほそかわ・あきよし)1956年香川県生まれ。1980年東京大工卒、国鉄入社。JR東日本運輸車両部(輸送)次長などを経て2009年、執行役員新幹線運行本部長、12年、執行役員運輸車両部長。14年6月、東京モノレール社長に就任。

――開業から50年、モノレールが歩んできた道のりをどう評価しますか。

 50年にわたって安全で快適な輸送を続けてこられたことは誇りに思っている。鉄道は強風などの悪天候で止まってしまうことが多いが、モノレールは風にも強く遅れも少ない。最近1年間の列車1本あたりの遅れは6~7秒程度と、新幹線の10分の1程度にとどまる。50年の間には空港の沖合展開に伴い新しい駅もできたほか、国際線の駅も新設した。常に乗客の利便性を優先して対応してきた。

■地域の足としての役割果たす

――沿線の開発も進みました。

 モノレールの利用者は飛行機に乗る人ばかりと思われているが、実は4割以上がそれ以外の人たちだ。空港で働く人や、(開業後に開発が進んだ)天王洲アイルや流通センターなどで働く人の利用も多い。今後は天空橋駅周辺の開発計画もある。八潮パークタウンの居住者など通勤で利用する人もおり、地域の足としての役割を果たしてきたと思う。沿線には公園や古い町並みなど見どころも多く、地域と一緒に情報を発信していかなければいけない。

――長年の悲願だった東京駅への延伸計画が明らかになりました。東京五輪に向けた対策ですか。

 東京駅への延伸は2005年から国土交通省などと委員会で勉強してきた。当社単体では出来る話ではないので、国や自治体の審議会などで議論してもらえればありがたい。工期は10年かかるため、残念ながら20年の東京五輪には間に合わない。ただ、五輪に向けて浜松町駅でのJRとの乗り換えが楽になるように改善したいと考えている。現在JRからモノレールに乗り換えるには階段を使わずに済むが、反対にモノレールからの乗り換えには改札を出て階段を下りなければならない。これを双方、階段を使わずに乗り換えられるようにする。

■高い利便性、今後も重要な役割担う

――親会社、JR東日本が羽田新線構想を発表しました。すみ分けは可能でしょうか。

 天候に左右されない安定性、高頻度での運転が当社の強みだ。ほかの路線と接続していないから、(事故などで)ダイヤが乱れることもほとんどない。羽田への重要なアクセス路線との認識はグループ内で一致して持っている。モノレールは国際線のカウンターには降りて1分以内でたどり着ける。新たな沿線の開発計画もあり、空港の利用者も増えるだろう。モノレールを利用してもらうためにも付加価値の高いサービスを生み出したい。

(聞き手は電子整理部 三宅一成)

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