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ノロに感染? 急な下痢、受診の見極め方と対処法

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

寒い季節になると、ノロウイルスに感染する人が増えてくる。ノロウイルスなどで起こる「ウイルス性胃腸炎」は激しい下痢と吐き気に苦しめられるが、症状は長く続かないので過度に心配する必要はない。ウイルスに感染し下痢などの症状が出たら、どうすればいいのか? 受診すべきかをどうやって判断すればいいのか? 感染症に詳しい総合診療医・感染症医の岸田直樹さんに、健康な成人がウイルス性胃腸炎にかかった場合の対処法を聞いた。

◇  ◇  ◇

多くの人が使うドアノブやトイレの便座などに要注意

冬になると、インフルエンザやノロなど、ウイルスに感染する人が多くなる。これは低温・乾燥を好むウイルスが多いため。ウイルスが元気になって感染症になる人も増えるわけだ。ノロウイルスに感染すると胃腸炎になり、激しい下痢や嘔吐(おうと)を起こすことはご存じだろう。

岸田さんは「冬はアデノウイルスやロタウイルスの感染も多くなりますが、中でもノロウイルスが最も多く、成人のウイルス性胃腸炎で症状が強い場合、半分以上はノロウイルスだと思います」と指摘する。

ノロウイルスの感染経路には、ウイルスに汚染された食品を加熱が不十分なまま食べることによる「経口感染」や、ウイルスに汚染された手や物に触れ、それによって最終的に口などにウイルスが入る「接触感染」などがある。潜伏期間は1~2日程度で、やがて激しい下痢や吐き気といった症状が表れる。

私たちが日常生活で特に気をつけるべきは、気づかぬうちに手指がウイルスに汚染されることだ。「人間は5分に1回くらいの頻度で顔を触っているといわれていて、それにより手についたウイルスが口や粘膜(目や鼻など)、気道などから体内に侵入してしまうわけです」(岸田さん)

不特定多数の人が触るつり革やドアノブ、多くの人が使う会社や施設のトイレの便座などには、ノロウイルスが付着している可能性がある。公衆トイレなどに入るときは、腰を下ろす前にトイレットペーパーなどで便座をしっかり拭くといい。「ノロウイルスにアルコールは効きませんが、物理的に拭き取ることでいくらか数は減らせます」と岸田さんはアドバイスする。最も確実な予防法は手洗いだ。アルコール消毒が効かなくても、流水でウイルスを洗い流すことはできる。トイレ使用後や、帰宅後、食事の前などには、流水でまめに手を洗うことを心がけよう。

本当にウイルス性胃腸炎なら受診の必要なし

では、いざノロウイルスに感染してしまったら、どうすればいいのだろう? 岸田さんは「健康な成人であれば、水分を補給しておとなしく寝ていればいい。基本的に医療機関に行く必要はありません」と話す。

「ウイルス性胃腸炎は『腸感冒』とも呼ばれ、要するに『おなかの風邪』です。特別な治療法はなく、基礎疾患のある人や乳幼児、高齢者でなければ、放っておいても自然によくなる。つまり受診の必要はない、といえます。乳幼児や高齢者は下痢による脱水症状などを引き起こすことがあり、その場合は医療機関の受診が必要ですが、健康な成人がノロウイルスの感染症だけで重篤な状態に陥ったり亡くなったりすることはまずありません」(岸田さん)

ウイルスには抗菌薬(抗生物質)が効かない。基本的に治療は下痢や熱などの症状を和らげる対症療法しかないが、よほどひどくなければ下痢止め薬や解熱剤も使わない方がいいという。下痢によってウイルスは体外に追い出されるし、発熱もウイルスの増殖を抑える作用があるからだ。

「もちろん、症状がひどくてつらいときは薬を飲んでも構いませんが、朝・昼・晩と定期的に飲む必要はありません。つらいときだけ、飲むようにしてください」(岸田さん)

気をつけるべきは脱水だ。ノロウイルスに感染すると下痢を繰り返すので、どうしても体内の水分が失われてしまう。先に触れたように、ノロウイルス自体に人を殺す力はまずないが、体力のない乳幼児や高齢者は脱水によって命を落とすこともある。

「食欲がなければ無理に食事をとることはありませんが、水分だけはしっかりとることを心がけてください。ただし、胃腸が弱っているのでガブ飲みすると吐いてしまいます。コツは少量頻回。1回にコップ4分の1から3分の1ほど飲んで、5分くらい空けてまた飲む。おなかの調子を見ながら、少しずつ飲むようにしましょう」(岸田さん)

できれば塩分や糖も少し入っていた方がいいが、スポーツドリンクは「糖が多すぎて下痢がひどくなりやすい」と岸田さんは注意する。経口補水液(OS-1、アクアライトORS、アクアソリタなど)が理想的だ。

3症状のうち2つそろえばほぼウイルス性胃腸炎

既に述べた通り、ノロウイルスのようなウイルス性胃腸炎には抗菌薬は効かないし、そもそも自然に治るので健康な成人であれば医療機関に行く必要はない。ノロウイルスは特に感染力が強いので、ウイルスをまき散らさないためにもあまり出歩かない方がいいだろう。

しかし本当にウイルス性胃腸炎ならいいが、ときには深刻な病気が潜んでいる可能性だってある。どこでそれを判断できるのだろうか?

そのチェックポイントとして、岸田さんは「下痢」「吐き気」「腹痛」の3症状を挙げる。風邪をひくと「咳(せき)」「鼻水」「のどの痛み」という3症状が表れるのと同じく(「本物の風邪は受診の必要なし まず3症状をチェック」を参照)、ウイルス性胃腸炎ではこの3症状が表れるはずだという。

ただし、3つの症状があるときから同時に、同程度に出るということではない。最初は吐き気や嘔吐(おうと)が始まり、遅れて下痢や腹痛もそろってくるのが通常の経過だそうだ。

「3つの症状すべてではなくても、下痢・吐き気・腹痛のうち2つそろっていればまずウイルス性胃腸炎と考えていい。特にオシッコのように出る水様(液状)の下痢は安心していい下痢です。これがあれば、ほかの症状がなくてもウイルス性胃腸炎の可能性が高いといえます」(岸田さん)

一方、「38℃以上の熱」「1日6回以上の激しい下痢」「強い腹痛」がそろっているときはウイルスではなく、細菌に感染している可能性もある。ノロウイルスでもこのような症状が1日だけ出ることもあるが、48時間以上続いたら細菌感染の可能性が高くなる(「ノロ感染と誤解 我慢してはダメな危険な下痢・吐き気」も参照ください)。

対症療法しかないウイルスと違って、細菌には抗菌薬が効くことが多い。が、「持病のない成人であれば、細菌性胃腸炎であっても自然に治ります」と岸田さん。従って、細菌性であっても腹痛が強いとか、血便があるなど症状が強くない限り、必ずしも受診する必要はないという。

血圧と心拍数で「危険な脱水」をチェック

前述した通り、基本的に受診の必要がないウイルス性胃腸炎だが、怖いのは、下痢などによる脱水が進んだときだ。極度に脱水が進むと、口から水分を補給するだけでは追いつかず、点滴を受けなければ命の危険さえ出てくる。そんな「危険な脱水」をどう見極めればいいか。

自分や家族がウイルス性胃腸炎などになって下痢を繰り返しているとき、血圧と心拍数で「危険な脱水」をチェックすることができる。岸田さんによると、「収縮期血圧(上の血圧)が普段より20mmHg以上低い」または「安静にしているのに心拍数が1分間120を超えている」ときは要注意だという。

「これは点滴が必要なレベル。脱水によって血液の量が減ることで血圧が下がり、心臓が一度に送り出す血液の量が減ることで心拍数が増えます。こういう状態になったら、すぐに受診した方がいいでしょう」(岸田さん)

ほかにも、単なるウイルス性胃腸炎ではないケースがある。次回は「ノロ感染と誤解 我慢してはダメな危険な下痢・吐き気」について、引き続き岸田さんに解説してもらう。

(文 伊藤和弘)

岸田直樹さん
総合診療医、感染症医、感染症コンサルタント、公衆衛生学修士(MPH)、北海道科学大学薬学部客員教授、一般社団法人Sapporo Medical Academy代表理事。2002年旭川医科大学卒業。手稲渓仁会病院総合内科・感染症科チーフ兼感染対策室室長などを経て14年よりSapporo Medical Academy代表理事。日本内科学会総合内科専門医。日本感染症学会専門医・指導医。著書に『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!』(医学書院)など。

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