1日1食ごはん小盛りに 腹囲は1年で何センチ減る?
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ今日からのセルフケアにお役立てください!
答えと解説
正解は、(2)4cmです。
一般に「内臓脂肪は頑固で減らしにくい」と思われていますが、これは誤解です。日本人が太るときは内臓脂肪からつき、やせるときは内臓脂肪から落ちていきます。20万人以上の人間ドック・健康診断を行ってきた内科医で予防医学のプフェッショナル・奥田昌子さんは、「内臓脂肪はストイックにならなくても落とすことは可能です。やる前からあきらめるのはもったいない」と話します。
では、どうすれば効率よく内臓脂肪を落とすことができるのでしょうか。奥田さんは、食事と有酸素運動の2本柱が大切だと話します。
「内臓脂肪を減らすのは実は簡単です。食べ過ぎなければ蓄積されることはないし、少々ついても運動で燃やせばいいのです。つまり、内臓脂肪を落とす上で重要なのは、食べ過ぎを控え、有酸素運動をすること。この2つです」(奥田さん)
内臓脂肪を減らすために知っておきたい「式」がある
一般に、食事面で肥満を解消しようと思ったら、まず気になるのが食べ物の「カロリー(エネルギー)」の数字でしょう。今では、市販のおにぎりやサンドイッチなどにも、カロリーが表示されるのが当たり前になっています。
奥田さんは、「各食品のカロリーを細かく覚える必要はありませんが、内臓脂肪を減らすためにぜひ押さえておきたい数字があります」と話します。それが下の式です。
「脂肪の収入と支出は、すべてこの式が基本となって決まります。消費カロリーはそのままで、それまでの摂取カロリーに加えて、1杯1000kcalを超えるカツカレーやカツ丼を7回食べれば、7000kcalを摂取することになります。これで内臓脂肪が1kgついて、腹囲が1cm増える計算になります」(奥田さん)
身近な例で言えば、ご飯を多めに盛ったり、砂糖入りの缶コーヒーを追加で飲んだりするだけでも、1日60~80kcal程度の増加になります。
例えば、一般的な缶コーヒーのカロリーが65kcalとして、1年間、1日1本追加して飲むとすると、年間2万3725kcalものカロリーを余分に摂取することになります。これを先ほどの式に当てはめると、それだけで内臓脂肪3.4kg、腹囲3.4cmが増える計算になります。
では、本題のごはんを小盛りにした例で考えてみましょう。ご飯1杯が250kcal、小盛りならマイナス80kcalの170kcalとして(約3割減)、1日1食だけ小盛りに変えたらどうなるでしょうか。
ご飯の盛りを1年間減らし続ければ、計算上腹囲は4.2cm減る
すると上の図にあるように、摂取カロリーは年間2万9200kcalも違ってきます。これは、内臓脂肪4.2kg、腹囲4.2cmに相当する数字です。つまり、ごはんを小盛りにするだけで、1年間で約4cm腹囲を減らせる計算になります。
このほかにも、トーストでいえば4枚切りと6枚切りのカロリーの差も80kcalなので、4枚切りを6枚切りに変えるだけで同等の効果が期待できます。
[日経Gooday2019年12月23日付記事を再構成]
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