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松本晃氏(中)はカルビーでも会長として「体質改善」に取り組んだ(2009年7月の記者会見)

松本晃氏(中)はカルビーでも会長として「体質改善」に取り組んだ(2009年7月の記者会見)

社外から招かれて会社に入り、トップとして率いる――。プロ経営者をこう定義するなら、松本晃氏がそのスタートを切ったのは45歳のときです。出向先の医療機器販売会社で業績を劇的に改善した後、伊藤忠商事を辞めた松本氏を招いたのは、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)でした。日本で医療機器を販売するJ&Jメディカルのプレジデントとなった松本氏は、6年間の在任中に売上高を5倍にし、黒字転換させて「プロ」としての実力を証明したのです。(前回の記事は「いつも財布に『経営哲学』 迷ったら立ち返るJ&J流」

初出勤、「皆いい人」に危機感

1993年1月4日、東京都江東区にあったJ&Jメディカルの本社にプレジデントとして初出勤しました。そのときのことは、今でも鮮明に覚えています。簡単に言うと「皆いい人だけど、プロ意識が低いな」という印象でした。

社員は全部で150人ほどでした。外資系といっても、ほぼ全員が日本人です。新卒で入った若い人も多かった。そのせいかもしれませんが、たとえて言うなら大学の同好会、仲良しクラブといった雰囲気でした。

前職のセンチュリーメディカルで僕がつくり上げた組織は、大学でいえば体育会でした。2つは全く違います。体育会は、目標を決めて突っ走る組織です。一方の同好会は、みんなが楽しければいい。同好会では、センチュリー社との競争には絶対勝てません。初日から「このままじゃ、しんどいな」と軽い危機感に見舞われました。会社を大きくするには「体質改善」しかないと思いました。

僕は「会社というのは厳しく、温かくなければだめだ」と思っています。会社は稼ぐための組織ですから、社員への要求も当然厳しくなります。応えられない場合、出て行ってもらうこともある。それが「厳しく」です。

その代わり頑張った社員には、活躍に見合う給料を払い、待遇もよくする。それが「温かく」です。この両方がないと会社は絶対うまくいきません。頑張っても見返りがなければ、優秀な社員は辞めてしまいます。人の大切さがわからない、だめな会社ということです。

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