歓送迎会を盛り上げる 手品グッズ&スポット12選
ブーム再来のマジックで盛り上がってはいかが。
初心者におすすめの手品グッズやスポットを、専門家が選んだ。
専門店やバー 「魔術」は身近に
初代と二代目引田天功に、Mr.マリック、マギー司郎。その後も前田知洋、ふじいあきら、マギー審司、山上兄弟、セロと次々に人気マジシャンが登場してきた。マジック界では「7年周期でブームが来る」と言われ、2019年も次のスター登場への期待が高まっている。
最近は、動画サイトでマジシャンの華麗な技や解説が見られるようになった。挑戦したいと思ったら、専門店やネット通販でグッズが購入できる。店頭で実演していることもある。ランキングではなじみのある定番マジックが並んだが、演じ方やトリックは様々。100円ショップなどに類似の商品もある。ちなみにマジックの心得は「サーストンの3原則」。「演じる前に現象を説明しない」「繰り返さない」「タネ明かししない」が基本だ。
マジックを身近に体験できるバーは各地にある。著名マジシャンがいるのは大阪ではルビー天禄の「バーノンズ・バー」やムッシュ・ピエールの「バー マジックタイム」。名古屋では「マジックバー エルム」なども人気だ。ご近所のマジックスポットに出かけたら気分転換にもなる。(敬称略)
630ポイント
絵柄当てなど20の技 簡単に
特殊な仕掛けを施したトランプで、裏側にした1組のトランプから相手に好きな1枚を抜き出してもらい、その絵柄と数字をズバリと当てる「トランプ当て」などが簡単にできる。「バリエーションが豊富で、本格的なカードマジックが楽しめる。まさに古典的名作」(Toshiさん)
4枚のエースをバラバラに入れてよく切り、おまじないをかけると4枚とも一番上から出てくる「エレベータートランプ」や、よく切って混ぜた1組を一瞬で赤と黒の絵柄の2つの山に分ける「水と油」など、20種類のマジックが詰まった解説が付く。
「マジックを知らない仲間うちでやっても盛り上がるはず」(名和成人さん)。慣れてきたら自分なりの演出やアレンジを加えるのも楽しい、ロングセラーの人気商品だ。
(1)1620円(2)テンヨー
560ポイント
不思議ハンカチ 見た目抜群
スマートフォン(スマホ)の画面にハンカチーフを押し当てると、真ん中にのめり込み、裏面に通り抜けてしまう。韓国のマジシャン、ジェイミン氏が考案したマジックだ。長年親しまれてきた定番の手品グッズが多いなか、2018年に発売されたばかりの新顔だ。
「近年の傑作の一つ。『な~んだ』と思うような単純な仕掛けだが、見た目のインパクトは絶大。ショップで購入したグッズには見えないのがいい」(長谷和幸さん)。「スマホを使うのがユニーク。自然に見せるには少し練習が必要かもしれないが、現象がハッキリしていて効果抜群」(浜谷堅蔵さん)
キャラメルやチョコレート、トランプの箱などを使って見せることもできる。
(1)1620円(2)テンヨー
400ポイント
夢の「1億円札」が手元に
表裏の両面が無地にみえる6枚の紙が、一瞬にしてすべて「壱億円札」に変わってしまう夢のようなマジック。「白紙が紙幣になるのはやはりみんなの憧れ。演じてみせると『欲しい!』と歓声が上がる」(瞳さん)。昔から様々な形で演じられてきたが、このグッズは1万円札を模した本来より少し大きめのダミー紙幣を使うため、遠目からでもわかりやすい。「身近にあるものを使うマジックとして一推し! 簡単かつ一瞬の目にも鮮やかな現象で話題をさらい、気持ちが盛り上がる」(小林さん)。
(1)1944円(2)UGM
390ポイント
コップで注いだはずなのに…
折り畳んだ新聞紙にコップから水を注いだはずが、消えてしまう。逆さまにしても、流れてこない。しかし、再びたたんで傾けると水が流れる。消失・再出現マジックの定番の一つだ。
「食紅や粉末ジュースを使うと注いだ水が変化して現れるサプライズ演出も可能」(土屋理義さん)。細かく破いた新聞紙がつながって復活するマジックの解説もついている。
(1)540円(2)DP GROUP
300ポイント
現れて消えて 何度も驚き
真っ白なノートに一瞬のうちに黒い線で描かれた絵が浮かび、さらに色まで付いてしまう。最後は、すべて真っ白に戻ってしまううえ、箱に入っていたはずのクレヨンまで消えてしまう。「子どもや年配の人に披露するのにおすすめ。驚きが1度で終わらず、何度も楽しんでもらえる」(渡辺友輝さん)。クレヨンのデザインはリニューアル予定。
(1)1998円(2)SandC MAGIC
260ポイント
握りつぶすびっくり割り箸
一見、普通の割り箸。封筒に入れて光に透かして、入っていることを確認してもらう。次の瞬間、封筒を簡単に握りつぶしてしまう。割り箸はどこへ……。ポイントはレストランや居酒屋などどこにでもあるものを使うこと。「マジックをすると言わず、突然見せるといい。さりげなく不思議なことを起こしたい人向け。初めてマジックをする人には特にオススメ」(戸崎さん)。
(1)10本入り1080円(2)UGM
(東京都港区) 540ポイント
世界級マジック 見るチャンスも
「海底に沈んだ魔法の王国」をイメージしたマジックレストラン・バー。海底洞窟を模した店内が幻想的な雰囲気を醸し出す。「食事をしながらステージやテーブルでのマジックが鑑賞できる。一流マジシャンのイベントも頻繁にある」(八田進二さん)。3月上旬にはマジック界のオリンピック「FISM」日本代表の野島伸幸さんが、多彩なカードマジックで観客の目をくぎ付けにしていた。
「タイミング次第では米ハリウッドや欧州で活躍するスゴ腕マジシャンを普通では考えられない価格でみられる」(戸崎拓也さん)。
(1)営業時間 午後7時~午後11時半(日曜は午後10時まで)、火曜定休(2)料金 ショー観覧・飲み放題付き90分で6480円(3)https://osmand.ssp-inc.jp/
(大阪市) 520ポイント
歴史とショー 同時に楽しむ
世界各国のマジックの歴史からイリュージョン体験まで楽しめる専門博物館。大阪城天守閣の近くに、2018年6月に開館した。プロデュースしたのはマジック界のアカデミー賞「マーリン・アワード」を受賞した日本のマジシャン、メイガスさんだ。
館内にはマジックの歴史を解説するパネルやトリック装置が展示されている。そのほか、巧みな仕掛けで「あるはずのものがない!」といった感覚を味わえる空間などがある。
「気軽に不思議の世界を体感でき、マジックの歴史もショーも楽しめてお得」(和田奈月さん)。「インスタ映えする写真を撮影できるのも魅力」(小林恵子さん)。
(1)午前10時~午後5時半、不定休(2)大人1200円・子ども(4~11歳)700円、ショーは別に大人500円(3)https://www.miraiza.jp/illusion/
(全国に15店) 400ポイント
笑い絶えない明るい雰囲気
マジシャンのトリットさんが四国で創業し、北海道の札幌から福岡県の博多までフランチャイズを含め15店を展開する。新宿店を訪れると、観客はショーを見て笑い続けていた。ストリートマジックをしながら高知から上京した逸話がある東邦新悟店長は「驚いて楽しんで、笑顔で帰ってもらうのがモットー」。「店の雰囲気が明るく、楽しいマジシャンたちがお出迎え。満足して帰る人が多い」(瞳ナナさん)。店により営業時間は異なる。
(1)新宿店は午後6時~翌午前1時半で不定休(2)ショー観覧・飲み放題付き90分で3780円(3)https://tejinaya.jp/
(東京都中央区) 260ポイント
本格的な食事 手品がスパイス
オーナーの龍野洋介さんはじめ専属マジシャンがテーブルでマジックを披露。食事も本格的。「食事メインでマジックも見ることができ、コストパフォーマンスがいい」(名和さん)。
(1)午後5時~午後11時、昼はレストラン営業のみ。年末年始休(2)料理8品に2時間飲み放題とマジック付き5000円(3)https://ginza-gioia.owst.jp/
(北海道帯広市) 260ポイント
グッズから古文書まで数万点
マジック愛好家でビル会社経営の坂本和昭さんが館長を務める。手品グッズから衣装、古文書まで数万点に及ぶコレクションが並ぶ、知る人ぞ知る帯広の観光名所だ。館長自らマジックを披露することも。「個人のコレクションとして、その充実ぶりに驚く。北海道観光で足をのばしては」(長谷さん)
(1)午前10時~午後5時で要予約(2)小学生以上500円(3)http://www.sakamoto-bs.com/
(東京都中央区/千代田区) 200ポイント
子連れにうれしい昼営業
銀座と丸の内に構えるマジックバー。珍しく、丸の内店では昼にショーを開催する。「バーは夜の時間帯が中心だが、昼に子どもとショーが楽しめるのはいい」(八田さん)。銀座が本店でステージショーが充実している
(1)丸の内は午後5時~、最長で翌午前2時。昼は12時半から。土日祝は午後3時の回がある。元日と2月第1日曜休(2)夜は2時間飲み放題マジック付きで大人6480円、昼は3780円(3)http://www.empowermagic.jp/bar/
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ランキングの見方 数字は選者の評価を集計した点数。グッズは(1)価格の目安(2)製造・販売元。スポットは(1)営業時間・定休日(2)主なプランの料金(3)サイトのURL。写真はスポット1位尾城徹雄、3位と6位、グッズは山田麻那美撮影。他は施設提供。グッズのモデルはマジシャンの翔氏。
調査の方法 専門店やインターネット通販で購入できるマジックグッズと、マジックに関する展示やショーが楽しめるスポットについて、マジックに詳しい複数の専門家への取材でそれぞれ12個、14カ所をリストアップ。専門家11人に「初心者でも簡単にでき、場が盛り上がる」「誰もが足を運んで楽しめる」といった観点でおすすめ順に5つずつ挙げてもらい、結果を編集部で集計した。
今週の専門家 ▽小林恵子(マジックコーディネーター)▽土屋理義(「マジックグッズ・コレクション」著者)▽戸崎拓也(マジックマーケット実行委員長)▽Toshi(博品館TOY PARK銀座本店マジシャン)▽名和成人(東京堂出版・編集部)▽長谷和幸(マジシャン)▽八田進二(東京アマチュアマジシャンズクラブ幹事長)▽浜谷堅蔵(マジックコーディネーター)▽瞳ナナ(マジシャン)▽渡辺友輝(東急ハンズ渋谷店)▽和田奈月(マジシャン)=敬称略、五十音順
[NIKKEIプラス1 2019年3月23日付]
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