『アナ雪』続編や新海アニメが旋風 19年ヒット予測
2020年の東京オリンピックを翌年に控え、元号も変わる19年。変化する社会と同様に、エンタテインメント界も話題に事欠かない年になりそうだ。内外の映画や音楽で今年はどのようなヒット作が生まれそうか、予想してみた。
まず映画で話題を独占しそうなのが、ウォルト・ディズニー配給作品群だ。米国では『アナと雪の女王2』や『スター・ウォーズ/エピソード9(仮題)』をはじめ、10作が公開になる。ミュージカル映画からアメコミまで、魅力的なラインアップが出そろっている。『アナと雪の女王2』は11月22日に日米同時公開が決まった。
そんななか、ほぼ間違いなく高い興行収入の数字が期待できそうなのが『トイ・ストーリー4』(7月12日公開)だ。前作の興収は108億円。今作でこの記録を塗り替えられるか。『ダンボ』(3月29日公開)や『アラジン』(6月7日公開)、『ザ・ライオン・キング(原題)』(全米7月19日公開)のディズニーアニメの名作も相次いで実写化される。
2月1日に公開されたミュージカル映画『メリー・ポピンズリターンズ』は、往年の名作ミュージカル映画の続編で、アカデミー賞にも4部門ノミネートされた。
さらには、4月26日に『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開。これもディズニー配給で、アベンジャーズのヒーローたちが集結して、世界を救うための最後の戦いが描かれる。予告編公開から24時間の再生回数は2億8900万回を記録。ファンの期待の高さをうかがわせる数字だ。
邦画でヒットを期待されるのが、新海誠監督の3年ぶりの新作『天気の子』(7月19日公開)。前作『君の名は。』は国内興収250億円を超え、アジアを中心とした海外でも大ヒットを記録した。今作は、どこまでいくか楽しみだ。
ゲーム実写化の『映画刀剣乱舞』(1月18日公開)やマンガ実写化の『キングダム』(4月19日公開)はいずれも満を持しての映画化で、ファン待望の作品となる。
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』『名探偵ピカチュウ』(いずれも5月公開)、『アリータ:バトル・エンジェル』(2月22日公開)など、日本発のハリウッド版作品も逆上陸してくる。
音楽では星野源が日本人男性ソロアーティストとして5人目となる5大ドームツアーを開催。俳優としても映画『引っ越し大名!』(8月30日公開)や大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』への出演が決まっており、飛躍の1年となりそうだ。
TWICEが初のドームツアー
海外勢ではMAROON5やエド・シーランなど大物アーティストがドーム公演を敢行。K-POPでは、TWICEがK-POPの女性グループとして初のドームツアーを開催する。
エンタメ関連の新施設のトピックが多いのも今年の特徴だ。25年の万博開催が決定した大阪では、大阪城公園内に劇場型文化集客施設『COOL JAPAN PARK OSAKA』が2月に開業。同じく大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどとともに、今後、大阪が日本のエンタテインメント・カルチャーの発信地として注目度を増すかもしれない。
東京では、7月、池袋に大規模シネコン「グランドシネマサンシャイン」が誕生する。近年アニメグッズのショップが集まる池袋が、新たなエンタメ・カルチャーの街として存在感を増しそうだ。
18年の映画『カメラを止めるな!』やドラマ『おっさんずラブ』のように、予測不能な大ヒット現象が起こるのが昨今の通例。おっさんずラブは夏に映画化もされる。わくわくするようなダークホースの出現や、"バズって"ヒットにつながる現象にも期待したい。
(日経エンタテインメント!2月号より再構成 文・横田直子)
[日本経済新聞夕刊2019年2月16日付]
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