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有森裕子 マラソン挑戦、スタート直後は「抑えめ」に

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

暦の上では立春を迎えましたが、依然寒さ厳しく、春を実感できるのはまだ先のようです。インフルエンザもまだまだ流行っていますし、体を冷やさないよう温かい格好をして、体調管理に努めたいですね。

集団の中で転倒しないためには?

さて、2019年も年明けから、ニューイヤー駅伝、箱根駅伝、大阪国際女子マラソンと、駅伝やマラソンの大きな大会が目白押しでしたね。東海大学が悲願の総合優勝を果たした箱根駅伝は見どころ満載でしたが、1区でのアクシデントが記憶に残っている人も多いかと思います。

1区では、スタート直後わずか1分ほどで、大集団の中を走っていた大東文化大学の選手が他の大学の選手と接触して転倒。そのときに捻った左足を引きずりながら、約21kmを完走して次の走者にタスキを渡しました。

この光景を見て、2018年10月のプリンセス駅伝でケガをした女子選手が、四つんばいになってタスキをつないだアクシデントを連想した人もいたかもしれません(関連記事「女子駅伝『はってでも…』は美談じゃない(有森裕子)」)。

スタート直後など、集団の中で走るときは、市民ランナーも気をつけなければいけません。特にベストタイムの更新を狙っているランナーは、スタート直後から早く自分のペースを作ろうとして、他のランナーと接触することがあります。歩幅やリズムは一人ひとり違いますから、周りを無視した走りをしたり、逆に集団のスピードに合わせようと他のランナーに近づきすぎたりして、足を踏む・踏まれるなどの接触事故が起こる可能性が高くなるのです。

もし集団の中から抜け出したいのであれば、歩幅を狭くして小走りで選手の合間をすり抜けていく方法もあります。私自身、1995年にアトランタ五輪の代表選考会を兼ねた北海道マラソンに出場したときは、男性選手の集団からのスタートでした。小走りで男性選手の合間をうまく抜けながら前に出て行き、自分のペースをできるだけ早く作った覚えがあります。

とはいえ、市民ランナーは、そんなリスクを取る必要はありません。大きな大会になるほど、先頭ランナー以外は最初の5kmぐらいは集団で走る場合が多く、どんなに焦ってもなかなか思うように抜け出せないものです。

私がゲストとして参加するマラソン大会でも、スタート直後に無理に前に出ようとするランナーを見かけることが多く、その度に危ないなと思います。焦る気持ちは分かりますが、転倒して捻挫でもしたら本末転倒です。

集団の中からスタートする時は、無理してすぐに自分のペースを作ろうと思わないこと。すぐに自分の歩幅で走ろうとしないでください。自分の周りが少しバラけて空間に余裕ができるまで待ってから、自分のペースで走りましょう。周りの選手の足元を見るぐらいの余裕を持って、安全第一に走ることが、完走するための得策だと思います。

スタート直後のペースを抑えて走ってみたら…

実は最近、そんなふうにスタート直後は焦らずゆっくり走ればいいんだと実感したことがありました。それは、2018年11月に開催された「おかやまマラソン2018」を走ったときのエピソードです。

これまでたびたび話題にしてきたように、年1回、この地元の大会だけはフルマラソンを走る私ですが、今回は今まで以上に忙しく、筋力を落とさないように階段の上り下りをやったり、1度だけ大島で30kmを走ったりしたぐらいで、トレーニングする時間がほとんどありませんでした。

「フルマラソンを走る前にしっかりした準備を!」と常々この連載で皆さんに話しているのにお恥ずかしい限りですが、正直なところ、今回ばかりは「ゴールできるかしら」「足裏を痛めるかも…」と不安を抱えたまま臨むことになりました。

ところが、蓋を開けてみると、前年(5時間9分)よりも10分速い4時間58分で完走。前年同様、運営側のスケジュールの関係で、5時間台でゴールするという約束を意識した上でのタイムでしたが、それでもリタイアせず、参加者のみなさんと交流を図りながら前年より10分も早くゴールできたのは、私にとって驚きでした。

前年の走りと何が違ったかというと、それはスタート直後のペースです。実は、今回は毎年出場してくださっているストライプインターナショナル社長の石川康晴さんと一緒にスタートすることになり、彼のペースに合わせて途中まで走ることにしました。

いつもならスタート後は1km5分ぐらいのペースで走っていきますが、今回は2km先の地点でインタビューを受けることになっていたので、そこまでは石川さんに併走し、1km6~7分のペースでゆっくりと走ってきました。そんないつもより抑えたペースが良かったようで、後半大きくペースを落とすこともなく、昨年より楽にゴールまでたどり着けることができたのです。

ペース配分を最後まで保つためには、入りを抑えることが大切なんだと改めて学びましたね。「五輪メダリストが今さら何を言っているんだ」と思う方もいるかもしれませんが(笑)。

持ちタイムより少し遅めのランナーのペースに合わせる

とはいえ、今回は伴走者のおかげでペースを抑えることができたという側面もあります。自分ひとりで走りながら意識的に前半のペースを抑えることは難しかっただろう、というのが実感です。ですから、最初を飛ばしすぎて後半極端にペースが落ちる傾向がある人は、自分の持ちタイムより少し遅めのランナーが多い位置からスタートするのがいいかもしれません。すると、周りのランナーに合わせて少し自分のペースも抑えながらスタートでき、最後まで一定のペースを保ちやすくなると思います。

後半ペースが乱れやすい人は、どのペースで走れば最後まで一定のペースで走れるのかを知ることが大事だと思います。これまでも何度かお話ししていますが、ベストタイム更新を狙う大会は年1、2本に絞り、そのほかの大会は、自分が最後まで一定の速さで走れるペースを探る練習に当ててもいいでしょう。それが分かれば、前半を抑えることへの不安も軽減されるはずです。ぜひ、自分のペースを知る練習を心掛けてみてください。

チャリティで集めたお金が復興支援に使えない!?

ところで、今回のおかやまマラソン2018では、2018年7月の西日本豪雨災害への復興支援として、チャリティゼッケンを販売しました。1枚1000円で購入していただき、被災地に向けた励ましのメッセージを書いてもらうよう企画されたものでした。

私もメッセージを書いたゼッケンを背中に貼って参加したのですが、残念ながら売り上げはあまり大きく伸びなかったようです。チャリティゼッケンの存在を知らなかった参加者の方もいらっしゃったので、事前のアナウンスが十分に行き届いていなかったのかもしれません。もったいなかったなと思うし、今後の課題だと思います。

それ以上に残念であり、ショックを受けたのは、お正月に岡山に帰省してテレビのニュースを見た時でした。そこには地元の復旧が全然進んでおらず、ガラスが割れたままの家がまだ残っている様子が流れていました。

何百人もの人がまだ仮設住宅で暮らしているそうです。それは、建設費用だけの問題ではなく、家を建て直してくれる大工さんが足りないことも大きな原因なのだとか。建設業界が深刻な人手不足で、地元の復旧に尽力したくてもできる状態ではないのだそうです。

これではいくらチャリティでお金を集めても、一向に自宅の修繕・建て直しができず、ただ時間が過ぎていくだけ…。そんな状況に強い憤りを感じましたし、チャリティで集めたお金をどうすればいいのか、先が見えない気持ちになりました。恐らくこれは岡山だけの問題ではないように思います。

豪雨災害の被災地の状況は、現在、東京ではほとんど報道されていないようですが、こうした現状を多くの人に知ってほしいです。本当にどうにかならないものでしょうか…。

(まとめ:高島三幸=ライター)

有森裕子
元マラソンランナー。1966年岡山県生まれ。バルセロナ五輪(1992年)の女子マラソンで銀メダルを、アトランタ五輪(96年)でも銅メダルを獲得。2大会連続のメダル獲得という重圧や故障に打ち勝ち、レース後に残した「自分で自分をほめたい」という言葉は、その年の流行語大賞となった。市民マラソン「東京マラソン2007」でプロマラソンランナーを引退。2010年6月、国際オリンピック委員会(IOC)女性スポーツ賞を日本人として初めて受賞した。

[日経Gooday2019年2月12日付記事を再構成]

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