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佐藤健が考える役者の力 次は全く違うフィールドに

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近年、映画での活躍が目立っていた佐藤健。もとより得意なアクションものに加え、2017年は、昏睡状態に陥った妻の回復を信じる夫役を演じた『8年越しの花嫁 奇跡の実話』で第41回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞するなど、演技そのものの評価も着実に上げてきた。

そんな佐藤にとって18年は、今までで最も充実し、かつ次への布石を感じさせる1年となった。4月から半年間、NHK連続テレビ小説『半分、青い。』に主人公・鈴愛すずめ(永野芽郁)の幼なじみの萩尾律役で出演。朝ドラ初挑戦で高校生から40歳までを演じ、ヒロインに寄りそう理系男子ぶりから「子どもに律と名付ける」という声が続出するなど半ば社会現象となり、平均視聴率21%超えの番組の人気を支えた。

その一方で、7月期の連続ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)では、何をやっても長続きしないダメ男・麦田章役を好演。前・後半の2章立ての同作は後半から視聴率がうなぎ上りとなり、最終回で平均視聴率19%台へジャンプアップ。同時期に全く真逆の役どころで結果を残し、大きな注目を集めることとなった。

これまでは主演が主戦場だった佐藤にとって趣が異なるが、どのような考えで挑んでいたのか。

助演だからできたこと

「今まで僕は、同時期に作品と作品の間を縫って演じる、ということをほとんどやったことがなかったんです。今回、それをやってみようと踏み出せたのは、助演だからということが大きかった。今までは主演をやらせていただくことが多かったので、作品の掛け持ちなんて絶対にやらない!みたいに頑固に思っているところはありました。芝居が混乱するんじゃないかという不安もあったし。

でも、最近になって、『この時期はこうしよう』とプランニングするようになってきたんです。25歳ぐらいまでは必死で、いただいた役にいかに全力で取り組むかの連続だったんですけど、僕も経験を積んで視野が広がったというか、余裕が出たんだと思います。

それに、年齢のこともあって。18年で僕は20代が終わる。だから『露出を増やしたい』と考えた。若さって一度失ったら、どれだけお金を積んでも取り戻せない。失ってしまう役もある──例えば『いぬやしき』では一生懸命若作りして高校生を演じましたけど、『億男』では子持ちのパパ役で、最初どっちつかずになってしまい、難しかったと言うか…『しくった!』と思ったりもして(笑)。

ただ、ありがたいことに俳優業は自分の今を残していける、だから『作品数を増やそう』と。ちょうどそのときに、朝ドラのオファーをいただけて。もともと脚本家の北川(悦吏子)さんの作品は好きだったし、企画書を見たときに鈴愛と律の物語が素敵で、しかも律は僕のあて書きで、しっかりメッセージを受け取れたと感じました。まさか自分が朝ドラに出るなんて思わなかったけれど、いいタイミングだったんです。

『義母と娘のブルース』は主演のオファーではなくて。でも、露出を増やしたいと思っていたから、『これなら朝ドラ中にやれるかな』と。それに、『義母と娘のブルース』は『天皇の料理番』などでずっとお世話になってきたチームからの依頼だったので、作品自体、確実に面白くなるという信頼感もあった。それでチャレンジしようと決めました」

その反響や感想を尋ねると、「私生活には何も影響なかったですよ。(作品の同時進行は)今後はアリかな、極力しないけど」といたずらっぽく笑う。だが、実際に朝ドラに出たことで得た手応えは、かなり大きなものだったようだ。

「やっぱり、日本で一番見られているドラマというコンテンツを作っている、その現場を経験したことは、めちゃめちゃ勉強になりました。朝ドラって、ドラマ作りの方法論が他とは圧倒的に違うんですよ。特に今回、NHKとTBSと同時に撮ったことで違いがよりはっきり分かりました。例えば、朝ドラは基本的に1シーン一発撮り。TBSは1シーンをいくつにも刻んで何回も撮る。つまり朝ドラはライブ感重視で、役者の芝居次第で作品も変わる。一方、TBSのほうは演出家が望むものが撮れるまで撮るスタイルなんです。

ドラマへの理解が深くなったことで、ますます思うようになりました。『作品において役者の力って何なのだろう』って。演出家が『もう1回』って言ってくれるかくれないか、いい瞬間を切り取ってくれるかくれないか。あるいは間違った芝居をしたら修正してくれるかくれないか。どんな作品でも僕たち役者はスタッフや周りの方たち次第で生きもするし、死にもする。『ちっぽけな存在だな』って」

こうクールに分析するが、07年に『仮面ライダー電王』でデビューして以来、映画『るろうに剣心』シリーズで主演し、大ヒットを記録。その後も『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』などで主演を務め、18年も『るろうに剣心』で組んだ大友啓史監督の『億男』で主人公を演じるなど、層が厚い20代男優陣の中でも、第一線を走り続けられている稀有な存在だ。

「もし、僕がそう見えるなら、今まで優れた方たちと仕事ができてきた証拠だし、そういう方たちから声をかけてもらえるように一生懸命やってきただけです。『一生懸命やる』というのは、本番で力を発揮するということ。今ももちろん、どんな作品でも準備するし、瞬間の集中力をきちんと整えて頑張るのは基本だと思っています。

ただ、作品の取り組み方が、少し違ってきたかもしれません。以前は、自分が次のステージに行くために勝たないといけない、『勝つためにやるんだ』と思って作品を選んでいました。でも、最近は自分の勝ち負けじゃなくて、別の目的で受けている作品もあります」

それが、山田孝之主演作『ハード・コア』だ。作・狩撫麻礼、画・いましろたかしの伝説的コミックを『山田孝之の東京都北区赤羽』などで組んだ山下敦弘監督が映画化。あまりにも不器用で世間になじめない男たちの生きざまを描いた物語で、佐藤は山田演じる主人公とは正反対なエリートの弟・左近役で出演している。

「基本的に、台本を読む前からやるつもりだったんです。というのも、もともと俳優として山田さんが好きなので。それに自分が『バクマン。』『何者』で主演したときに孝之君が出てくれたことがすごくうれしかったし、心強かった。だから、孝之君が主演を務めるときに、自分が支えるような役ができればと思っていたんです。

もちろん、台本、原作を読んでも引かれるものがありました。左近は僕のキャリアではやったことがない役どころでしたし、当時の僕としては欲求的にやってみたかったんです。物語としてもハードボイルドであるけれど、コメディでもあるし、不器用だけど一生懸命に生きている男たちに胸を打たれるところもあった。山下監督とも仕事をしてみたいとも思いましたし。実際、現場は楽しくて、自分に今までなかったことを感じ取ることができる作品になりました」

別フィールドの確立目指す

20代最後の年、新しいことを経験して締めくくった。次なるステージにはどう向かおうとしているのか。「何も考えてないです」と笑いながらも、話し始めた。

「本当に18年は運が良かったんだと思います。うまく自分の何かがアウトプットできただけで。とはいえ、朝ドラと連ドラを同時期に、しかも全く真逆の役で出たことで、世間にドラマの新しい楽しみ方を提案できたかもしれませんよね。『朝と夜で違う、佐藤健』って(笑)。

ただ、今後のことは分からないですね。プロデュースワークは、やりたいと思えるものに出合えれば、やってみたいという気持ちはあります。でも、(プロデュースと)クレジットされていなくても、主演を務めていれば、いい映画を作るために様々なアイデアを出したりするものだと思うから、既にプロデュースはしているとも言える。

海外に行くということに関しては、もちろん憧れはあります。小栗旬さんのような人が先陣を切って挑戦するのにリスペクトも覚える。やはりハリウッドは、圧倒的に面白いものを作り出していると思うんです。だから行けばきっと、いろんな勉強もできるだろうし、機会があれば挑戦してみたい。

実は19年公開の映画『サムライマラソン』は、日本の幕末が舞台の作品で、キャストも日本の俳優。だけど、プロデューサーをはじめ手掛けているのは(アカデミー賞受賞歴もある)ハリウッドの面々。彼らがどんな映画作りをしているのか興味があったんです。

今の僕は、激動の波の、第一線で居続けなきゃいけないというのとはちょっと違うところにいる。もう全部、勝たなきゃいけないということもない。次は早くこの海を泳ぎきって陸に上がりたい。全然違うフィールドに行きたいんです。自分の世界を持ち、他の俳優とは違うフィールドにいて、より面白く攻めている方は結果、存在としても強いように思うんです。僕もそんなふうになりたいなと。近い将来のビジョンではないけれど、別のフィールドを確立する。それが僕の今後の理想ですね」

(ライター 前田かおり)

[日経エンタテインメント! 2019年1月号の記事を再構成]

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