Men's Fashion

日本のスーツは世界の「COOL」! 仕立てのワザ極める

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メード・イン・ジャパンの新潮流

2018.2.26

MEN'S EX

日本の物作りに注目が集まる昨今、スーツにおいてもその気運が高まっている。日本人に合うフィッティング、感性、新しさ……。ファンをつかむその魅力に迫る。




テーラーが作る多くの人が納得の『フィッティング』

STRASBURGO
ストラスブルゴのオリジナルスーツ

さまざまな要望に応える、多くのお客様の型紙がストックされる

ストラスブルゴ 専属テーラー大島崇照さん 2000年より英・ロンドンのテーラーで修業。2004年帰国。ストラスブルゴのスーツを仕立て始め、2009年から正式に同店に所属。ビスポークライン専属テーラーに。顔出しNGのため今回は手元のみ登場。

多くの個性を受け入れる『クセのない』究極

大島さんが在席する大阪店の「ハウステーラーズラボ」。現在作業中の個人受注の型紙がずらりと並ぶ。オリジナルスーツの型紙の原本。

ストラスブルゴでビスポークのテーラーを務めてきた大島崇照氏が、昨季から同店のオリジナルスーツのパターンを引いている。英国で修業を積み、現在は年に約70人近くもの個人オーダーを受けている大島氏。氏のエッセンスはどのような形でこのオリジナルに現れているのか。

「実は、どういう形がかっこいいか、どういうシルエットにすべきかなどと考えていたわけではないんです。年に70着ほどの個人オーダーを受けていますが、私がすることは、体型、好み、立場、それぞれにまったく異なるお客様ひとりひとりの、ご要望通りに作るということ。そんな風に作ってきたことで、より多くの人の体に合うパターンが生まれてきたのかもしれません。だから、“クセのないスーツ”と言われるんです」。

「ふわりと返るラペル、しっかり構築的に見えても芯を一枚入れた程度の柔らかさがあるナチュラルなショルダー。見た目はタイトでも着ると優しいフィッティングが特徴です」(門石さん)

大島氏がこだわるのは、基本に忠実な正しい位置で作ることだという。そうすることで前身頃がきちんと落ち、チェストから上は身体がしっかり収まる、身体に対して美しいスーツになるという。

同銀座店店長の門石貴幸氏は、「ブランドで着るというよりも、フィッティングで着ていただけるスーツ。着た人はスマートで堂々として見えるけれども、着心地にはゆとりがあり、柔らかく軽い。着た人だけがわかる良さがあるんです」と語る。通年仕様のタキシードのラインナップや、今季はダブルブレステッドも登場予定だ。

テーラーによって、人の身体に、スーツの正しさに忠実に作られたスーツは、既製服でありながら既製服にはない贅沢な着心地をもたらす。


《強撚糸で織られた270g/mの軽量フレスコ素材》

12万円/ストラスブルゴ(ストラスブルゴ)

同店エクスクルーシブのエドウィンウッドハウス製の生地だ。ザラッとしたシャリ感、ハリとコシがあり、通気性や防シワ性に優れている。